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子どもの読書に、電子書籍はありか
大人も子ども、ことある毎に「本を読め」って言われるよね。
小学校でも、もちろん読書を推奨しているのだけど、kindle paperwhite(以下「Kindle PW」と略)を持って行ったら、「とりあえずダメってことにしておいて」って言われた話。
* * *
もちろん読書は良いこと尽くめで、読書のデメリットがでるとすれば、相当な量を読み込んでいる人にはありえるくらい。
そして、現代において「読書」といえば、必ずしも紙の本を開くことを指しているわけではなくて、電子書籍もすでに無視できない存在になっている。
電子書籍に移行すべきだとか、私はやっぱり紙が好きとかそういう議論はよく見かけるけど、子どもについてはどうかなってことを考えてみた。
電子書籍の読み方
電子書籍読むにはいくつかプラットフォームがあるけど、僕が利用しているのは2社、アマゾンとhonto。
読んでいる割合でいうと、アマゾンの方が圧倒的に多い。
「Kindle Unlimited」というサービスがあって、月額980円で和書12万冊が読み放題となる。(洋書は10倍くらい読めるけど、本が楽しめるほど僕が英語はできない。)
全ての本が読み放題ではないのだけど、本屋さんで普通に千円台で売られている新しい本が、含まれていることも多々ある。
hontoの方は、色々なキャンペーンで安く買えるので、マメにチェックしていると、その都度、何かしらのクーポンを使って読みたかった本が安く手に入ることがある。
端末は、スマホ、タブレット、PCなんでもいい。
持った感じがちょうど本に近いという理由かもしれないけど、僕の場合はタブレットを使うことが多い。
そして、たぶん電子書籍が好きなら使っている人も多いであろう、Kindle PWである。
こちらは、kindle専用のタブレットサイズの端末で、一応ブラウザ機能も付いているが、基本的には本を読むためだけに特化している。
kindleは世代ごとに数タイプでているが、現在は防水なのでお風呂でも読めて解像度も高いバランスモデルのこちらがおすすめ。
いちいち広告が出てくるのは嫌って人は、ちょっとだけ高いけど、広告なしモデルもある。
読み放題のunlimitedも3か月分ついてくるし、結構お得なんじゃないかと思う。
小学生が電子書籍を読むには
紙の本の良いところは、本自体の良さはもちろんあるけど、2次的なメリットもある。たとえば、本棚に置いておけるということだ。
背表紙を生活の中で眺めることができる。
これ、実は重要なことで、電子書籍だとできないことだ。
物理的に存在するということは、子ども自身が、お小遣いや図書カードで本屋に行って買うこともできる。
電子書籍の場合どうするか。
基本的には、クレジットカードを登録している親名義ということになる。
Kindle PWのキッズ用が発売されていて、合せてAmazon FreeTime Unlimitedというサブスクも用意されている。
親のほうで選書に自信がないという場合は、これはいい。
定番の名作から、最近の子どもに人気のタイトルに絞り込まれている。
大人版は、アダルトコンテンツや駄作も多く玉石混淆。
でも、これらは、うちはパス。
理由は色々あるんだけど、「子ども向け」っていうのは、大人側のセレクトであって、思春期にかかってくると、その限りではない。
選書は悪い意味で、学校の図書館的である。
アダルトコンテンツや、暴力的表現のものなど、見られる心配が少ないというのは、大人側の都合であり、本当にそういうことを心配する幼児や低学年が操作して使うには、スペックも貧弱で、そもそもキャッチーじゃない。
大人が選んで見せてあげるという使い方なら、子ども向け端末を用意する必要もない。
そこで、うちでは、(厳密には良くない無いのかもしれないけど)お父さんの契約で子どもは、「kindle Unlimited」の本は自由に読んでいいということにしている。
10冊まで同時利用ができるので、その内、2冊分は子ども用としている。
端末も子ども専用のものを与えているわけではないが、僕が本を読めるとしたら、子ども達が寝静まった深夜くらいなので、昼間は、自由に使ってもらっていい。
この記事を読んでいるお父さんが、オレも端末貸してやろうというのはいいんだけど、アダルトコンテンツを見ている人は、子どもに貸す前に履歴とか、オススメ出てくる本とか、よく考えてね。笑
逆も然りで、「変なの見たらバレる」という意識があれば、子ども達もそう簡単にピンクの本(PWはモノクロだけどw)には手を出さないので、下手なペアレンタルコントロールより良いかもしれないと思っている。
使っている人は知っていると思うけど、amazon kindleのアダルト本の数と言ったら、圧倒的である。まあ、いつの時代も、情報ビジネスはそういう切り口が一番発展しやすいということなんでしょうね。
学校に持って行ったら・・
小学校では朝読書の時間があって、図書館の本を持ってきてもいいし、各自持って来も良い事になっている。
6年生の息子が、朝読書用にKindle PWを学校に持って行ってもいい?というので、色々問題になりそうだけど、面白い試みなので、咎めることなく持たせてみた。
早速、担任の先生に目を付けられて、言われた言葉はこうだって。
「高価な物だから、今のところダメってことにしておいて。教頭先生に聞いてみないとわからない。」
でしょうね。
きっと、イレギュラーなことに、先生も困ったと思う。
無駄に挑発的なことをさせてごめんなさい。
中高生はスマホの持ち込みとか、いろいろルールがあると思うんだ。
ところが、小学生はルールがないので、なし崩し的に、スマホを持ってきている子も、少なからずいる。
けっこうそういう曖昧なルールが多くて、特に女の子は、親公認で心配や友人関係を優先してしまう。断固許さないとガッチリ取り締まるということが出来る時代でもない。
そのような状況で、読書しかできない端末をダメという理由は根拠に乏しい。
「高価なだから」?
まあ、わかる。紙の本よりは高い。
というより、判断しかねて、苦し紛れに返したのだろう。
学校のオペレーションの問題があって、無くなった、壊れたという場合の責任問題、みんなが買い始めたら、買えない家庭の子は・・?等々。
でも、たくさん読書しなさいといいつつ、1500円の本を10冊買うことはお咎め無く、15000円の端末は高いからというのは、金額のせいにはできない。
金額が一番の理由なら、2万円弱するノースフェイスのリュックを禁止したほうが良いと思う。高いのに流行っているもんだから、しぶしぶ買っている親も多い。
教頭先生まで、実際に話が上がるかどうかわからないけど、なんていうだろうね。
とりあえず、「電子機器」に対しては、漠然とアレルギー反応がでるだろう。
機会があれば先生たちともゆっくり話し合ってみたいけど、電子書籍をダメな理由を付けるほどに、「学校は読書に向いていない場所」ということを証明するロジックができあがってしまう。
ちなみに、息子用には一番安価なこのモデルを買ってやった。
ライトも付いたし、枕元でも読みやすい。全く問題なく使えている。
子どもの読書の今後
我が町でも、今年度中に1人1台タブレットが配布されるとか。
タブレットはいいのに、読書専用機が子どもにとって毒だというわけにもいかない。これは、学校だけの問題じゃなくて、家庭内でも一緒。
公式タブレットを使っての読書は学校でも認めるという流れは、今後十分ありそうだよね。
たとえば、文科省で独自開発した死ぬほど使いづらい専用OSとか、電子書籍のソースも全国学校図書館協議会の推薦図書を中心とした貧弱なものでないことを、心から願っている。
何年も入れ替えしていない図書館の本。
(定期的に新しい本は入るのだろうけど・・)
近い将来は、その感覚で、学校用電子書籍になってしまいそう。
子どもは往年の名作を読んでいればいいという考えは非常に悪いことだと思っている。
もちろん、何十年経っても読むべき名作というのはたくさんあるけど、それらだけ並べて子ども達が本を好きになってくれる可能性は低い。
本屋さんの、子ども向けの売り場を最近見たことがあるだろうか。
ここ数年は、驚くべきスピードで、有用な本が増えている。
「こんなこと勉強してなんの役にたつ?」というのは、昔から代表的な子どもの疑問だけど、大人でさえ、勉強したくなるような人生に必要なことが、わかりやすく書かれた本がたくさん出ている。
そして、もう一つ加えておきたい情報が、大人向けの本のレベルが下がりすぎて、高学年なら十分読めるものがたくさんある。
今やビジネス界では、「中学生が読める文章を書け」というのは常識である。難解な文章はウケない。売れない。
そのこと自体の賛否はここでは書かないけど、少なくとも、まともに本が読める高学年なら読める一般書はたくさんある。ビジネス、自己啓発のジャンルはとくに多い。
ICT学習で大騒ぎになっているわりに、電子書籍に対しては難色を示すという矛盾は、古い目線に立てば、たしかに気持ちは分かる。
電子書籍だけが良いということじゃなくて、時代のスピードがそうなっているのだから、子ども達に投資をするという発想になれば、電子書籍が無くてもいいくらい、学校の図書館の本も選書委員会を立ち上げて、最新の本をどんどん取り入れていくくらいの姿勢があっても良いのではないだろうか。
たくさんの子が読める学校図書としてなら、新しい本に毎年それなりの予算を割いても決して高くは無いような気がするんだけど。
お金の話をすれば、我が家もまったく余裕はないのだけど、好きな本だけはなんとかたくさん読める環境を作ってあげたいなと思っている。
まずは、家庭から。
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