「アゲアゲ家庭学習」の作り方
札幌では、またしても外出自粛が求められるような事態になってきましたね。この地域でも、もう他人事とは言えない状況になってきました。
いずれにしても、気晴らしに外出というのもリスクを伴う時代になってしまいましたし、学校や塾など、子ども達の学習環境も不安定な情勢が続いていますので、以前に増して家庭学習が重要視されているように思います。
当たり前なんでしょうけど、こんな状況でほったらかしにしておいて、子ども達が「勉強したくてたまらない!」「家庭学習たのしいぜ!うぇーい!」なんて、なるはずありません。
そこで我が家流の、「アゲアゲ家庭学習」の作り方について書いてみたいと思います。
やる気がでない・・
なんと言ってもとりあえずありそうな状況としては、「やる気がでない・・」という状況ですよね。
これは、とにかくやっていて楽しいことか、目指すものが明確にイメージできていると解決します。
やる気スイッチがどこにあるか?っていうのは、永遠の命題で、たぶん答えが出ないと思うのです。
「やる気が・・」は、うちの子もよく言う台詞であり、言葉に出さなくてもやる気になれないんだなと見てとれることはよくあります。そんなとき、「やるべきことはやりなさい」と、つい言いたくなってしまいますね。
考えてみたら自分だって学生の頃に自分に鞭を打って勉強出来たかというと、やる気がでないと感じたことの方が多いので気持ちはよく分かります。
僕も自分のやる気をコントロールしようと、色々なことを試したり情報収集したりしてみましたが、たぶん、無からやる気を生み出すのは無理なんじゃないかと思っています。
つまり、やる気スイッチなんてどこにもないのです。
では、今までの人生、何に対してもやる気が無かったかというと、そんなことはありません。勉強も様々な趣味も、眠い目擦ってでもやりたくたまらないという経験が多々あります。
それらの経験を振り返ってよく考えると、2つのパターンがあるのです。
一つは、やってることが事態が楽しくてたまらないという状況。例えばテレビゲームなんかがそうでした。友達と一緒にその時に流行っている遊びなんかもそうですね。そうそう、好きな子とお話するのなんかも♪
二つ目のパターンは、実現したい目指すものが明確にイメージできており、そこに向かっている時です。例を挙げると、高校生のころに学校祭の出し物を成功させたいなんていうのは、そのパターンだったように思います。それまでの大変な準備作業事態が、やる気にみなぎっていましたし、退屈な工作や苦しい練習等も、結果的に楽しいことになっていましたね。
つまり、家庭学習においてもそういう状況を作ってやることができれば、やる気が云々なんて考えずに、アゲアゲで勉強がしたくなるということです。
報酬系は諸刃の剣
ご褒美は、効果的なこともあれば、悪循環を生むこともあります。
ありがちなのが、「今度のテストで80点以上取ったらニンテンドースイッチを買ってあげる」とか、「入試に受かったらスマホを買ってあげる」という類いのことですね。
これはホント言いたくなってしまいますし、一時的には子どもも頑張ります。
しかも、目標達成すれば、子どもは欲しいものが手に入り、自信にもなります。親のほうも多少の出費で頑張ってくれるなら、高い買い物でないかもしれません。
でも・・
人間というのはかなしきかな、欲望にきりがないものです。
これは、親子共にです。
どういうことかといいますと、子どもの方は欲しいものが無限にエスカレートしていきます。そして、なるべく少ない労力でそれを得ようとします。
それに対して親の方は、逆の欲望が働きます。つまり、なるべく難しい課題を、出来るだけ少ない出費で課してしまいます。
子どものうちはゲーム、大学に受かったら車、就職したら家、出世したらクルーザーくらい買ってあげられる家庭ならそういう方法もあるかもしれませんが、そのうち自家用ジェットくらい用意しないと満足しなくなりますよ。
心理学者レオン・フェスティンガーの「認知的不協和理論」というのがあります。
実験では、被験者に退屈な単純作業させ、差を付けた報酬を支払ったあとにアンケートを実施したところ、報酬の少ないグループの方が「楽しい作業だった」と答えました。
これは、大変な作業だったのに、もらった報酬が少ないと脳が矛盾を起こしてしまうので、せめて作業そのものが楽しかったから良かったんだと思い込んでしまうということです。
最近の経験談で、RISU算数というタブレット教材でもらえるプレゼントがありました。問題を解く毎にポイントがたまり、欲しいプレゼントと交換できるというものです。
これ、子ども達が想像以上に燃えます。笑
そして、長男は結構なポイントを貯めて、シャープペンと交換したんですよ。しつこいくらい、「もう発送になったかな?」「早くて金曜日くらい?」「今日辺り届くかな?」と、到着までもウキウキでした。
しかも、届いたシャープペンはその後、宝物のように取り扱われています。
そして、「数学は面白い!」と、今は6年生ですが、中学生の課題を毎日モリモリやっています。
冷静に考えて、普通に買えば数百円のシャープペンですよ。RISUさんには失礼ですが、努力に見合うほどのプレゼントではないんです。笑
まあでも息子の実情を見ていると、そのシャープペンは特別なものだし、こういう心理になることを計算された結果なのかなと思わざるを得ません。まさに、「認知的不協和理論」。
一週間、お試しキャンペーンがまだ有効のようなので、気になる方は試して見ると良いですよ。
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実際に、どんな教材なのかは、うちに始めて届いたときに開封レビューを書いた記事もアクセスが多く人気なので、よかったらご覧ください。
やるべきことは自分で決める
最近、教育関係の本でも、また大人向けの自己啓発系の本でも「内発的動機付け」というキーワードをよく目にするようになりました。
自分の未来にイメージを持って、そうなりたいから体が勝手に動いちゃうというのは理想ですよね。
これは、報酬や指示による外側からの動機ではなく、自分の内側から沸き起こってくる動機のことですね。
勉強なんてまさにそうで、やりなさいって言われた勉強なんて、みんなやりたくないのですよ。僕ら大人の仕事だってそうです。
そこで、我が家では家庭学習の内容は、できる限り各々が自分で決めるようにしています。
・・って、簡単にいいますけど、それほど簡単な事ではありません。
流行のタブレット学習は、その辺が上手く出来ていますよね。
最初に、子どもの頃は夢中でゲームをやったという話を書きましたが、ゲーミフィケーションということも注目されていて、ゲームの面白さや仕組みを他のジャンルでも取り入れることが盛んに謳われています。
ただ、それだけでは、家庭学習の全科目を網羅できるわけではないですし、非認知能力を高める芸術や音楽、その他様々な遊びや生活の中からえることだって、同じです。
僕がよく話しているのは、「君たちは自由だ」ということです。
勉強をやるのも自由、やらないのも自由。
欲しいものを簡単に手に入れる大人になるのも自由、言われたことだけやらされて終わる人生にするのも自由。
夢を叶えるのも自由、夢なんか持てない生活をするのも自由。
そして、チャンスは突然やってきます。
「そうなることが、分かっていれば頑張ったのに」と自分で報酬系に置き換えてしまうのは、非常によくないです。
努力を重ねるごとに選択肢は増え、楽をするほど生き方のバリエーションは選べなくなります。
そんな未来を想像しながら、「さあ、君は今どうしたいの?」っていうことです。
おわりに
3人の子ども達は、同じものを食べて同じ環境で育っていても三者三様。
誰かで上手くいったからといって、同じ話をしても3人とも上手くいくわけではありません。1度のきっかけで変わることもあれば、何度言っても悪い方に転がってしまうこともあります。
我々親は、プロの教育者ではないので、テクニックで対応するには限界があります。最後は、どれくらいの愛情を持って接することができるかという熱量にかかっているように思います。
くれぐれも気をつけたいのは、子どもの出世が親の願いにならないことですね。
人生には沢山の選択肢があって、子ども達には、まだまだどんな人生も選ぶ権利があるということを伝えたいのです。
そして、なによりも僕ら親の方が、いくつになっても自ら学び、楽しく、知識を喜んでいる後ろ姿を見せることは、一番身近なモチベーションの材料になるでしょうね。
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