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カターレ富山の強みとパルセイロの弱さ

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 屈辱の完敗を戦術面から分析していきたいと思います。分析を進めるごとにパルセイロに足りないものがカターレ富山にあると感じさせられました。

ウィングバックの修正

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 3-5-2と4-1-2-3のぶつかり合いになった今節。前回対戦のときとシステムは互いに変更がなかったものの、カターレ富山は万全のパルセイロ対策を講じてきました。

 対戦前の記事でパルセイロが狙うべきところとして挙げたカターレ富山の守備システムできたが、完全に改善されていました。
 ウィングバックがDFラインに吸収される5-3-2のブロックではなく、3-3-2-2もしくは3-4-1-2のような形でパルセイロのサイドバックまでプレスにくる策に変更していました。
 パルセイロはサイドバックの前方のスペースを埋められるとどうしても攻撃が手詰まりになってしまう印象があります。苦しい体勢から蹴らされてボールを回収されるという攻防が何度も続き、パルセイロがやりたい守備をカターレ富山にされてしまいました。

サイドバックの前進封じに対する対抗策

 カターレ富山の守備がパルセイロの前進を阻むことに特化した形であったわけですが「この守備をされたら浮き球を放り込むしか打開策がない」となってしまったらもう得点を奪えないわけです。チームにはチームなりの打開策が見えていて実行していたのでしょうが、結果にはつながりませんでした。
 そういうわけで私の思う打開策を2つ提案しようと思います。
①最初からピッチを広く使わない
 「相手のプレスを剥がせないのに何故狭く使うんだ」そう思うかもしれませんが、重要なのは『最初から』ということです。4バックのDFラインから攻撃を組み立てで
「センターバックが動きを見ながらサイドバックが高い位置をとって前進する」
 というのはベーシックな戦術で、パルセイロを含む4バックを主体とする多くのチームが使っています。しかし、普及している反動で対抗策も普及しているのです。その一例がカターレ富山の守備だと言えます。
 サイドバックに出たところを狙うという戦術を逆に利用するという打開策こそが「最初からピッチを広く使わない」という戦術です。欧州W杯予選でスペインが実行した戦術で、サイドバックをセンターバックの近くに配置し、サイドで詰まる(ノッキング)を避けることが可能になります。
 下の約20秒の動画でわかりやすく説明しています。

②センターバックによる運ぶドリブル 
 3バックから5バックに移行する守備システムが流行している現代フットボールにおいて、攻撃時のセンターバックが担う役割はとても大きくなってきています。
 ビジャレアル所属のパウ・トーレスやリヴァプール所属のマティプらが得意とするプレーで、自身がDFラインからドリブルで運ぶことで相手の守備ブロックを中央に集結させてギャップを作りだすという狙いがあります。
 ただ、相手を押し込んでいる時もパルセイロのセンターバックはボールを運ぶことをあまりしません。ファーストタッチをした状態から次のパスコースを探すだけでは相手の選手を動かせません。動かせないということは相手にとって守りやすいということです。

攻撃方向にパスコースを作る

 近年のパルセイロで「今年もか...」とサポーターの頭を悩ます要因が『攻撃の遅さ』ではないでしょうか。パルセイロが大量得点で勝利する試合が少ない理由のほとんどがこれだと思います。
 逆に、パルセイロの失点は相手の速い攻撃が原因ではないでしょうか。今節のカターレ富山との一戦で顕著にそれらが見られてしまいました。
 前進したくても自分より相手ゴール側に味方がいなければ、なかなか状況を打開することはできません。そんな状況で、前進を躊躇い、後ろ向きになったところを狙われることが多くなっています。
 J2昇格を狙う上で堅守『多攻』に足りていないところを改善して昇格大本命のロアッソ熊本に挑めるかが次節の見どころではないでしょうか。

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