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【マッチプレビュー】2023 J3 第15節 ギラヴァンツ北九州vsAC長野パルセイロ

2023 J3 第14節 振り返り

試合結果

宮崎1-1今治
岩手1-2富山
松本2-0讃岐
愛媛1-0奈良
鳥取0-1北九州
八戸0-3福島
長野1-2鹿児島
沼津3
-1YS横浜
FC大阪3-0琉球
岐阜2-1相模原

2023 J3 第14節の各会場結果は上記の通り。ホームチーム勝利試合が5つ、アウェイチーム勝利試合が4つ、ドロー決着試合が1つとなった。前節はミッドウィークに天皇杯を戦ったクラブも多く、決着がつかない試合が多かった。しかし、今節は各会場で得点がよく動く様相になった。そして、遂に前節終了時点で首位に立っていたクラブが勝利を収めた節にもなった。
 第14節は、上位クラブ同士の対戦もあり、非常に熱い試合が多かった。愛媛vs奈良の上位対決、長野vs鹿児島の上位対決はともに前節終了時点で上位側に立っていた、愛媛・鹿児島が勝利を収めた。他にも富山・松本が勝利したこともあり、これまでの団子状態の上位陣にもようやく動きが生まれてきたと言える。
 第13節終了時点で首位に立っていた富山は1-2で岩手に勝利。今季の好調を支える堅守を軸に、後半の立ち上がりにリードを奪い、60分までに2点のリードを作った。連敗を避けたい岩手も追い上げを見せ、1点を返すと試合終盤にPKを獲得。しかし、このPKを富山GK田川がストップし同点弾を許さなかった。
 第13節終了時点で2位につけていた鹿児島は1-2で長野に勝利。2試合連続で強みである攻撃陣が無得点と苦しんでいたが、上位直接対決のアウェイゲームで得点を奪い、勝点3を積み重ねた。怪我で離脱していたDF星の復帰もあり、徐々に各ポジションの厚さも戻りつつある鹿児島。勝点3を積み重ねたことも大きいが、連敗中の長野に勝点を渡さなかったことも、今後の昇格戦線においてポイントになるだろう。

順位表

 第14節を終えて昇格圏内につけたのは富山と鹿児島。第13節終了時点に続いて、3節続けて同じ2クラブが昇格圏内に残った。富山も鹿児島もアウェイゲームという難しい条件の中、勝点3を掴む勝負強さも見せた。
富山の今季の特徴は、安定した守備にあると考える。もちろん、得点を取れる攻撃陣がいなければ勝点3に繋がらないが、確実に得点を勝点3に繋げていく守備も昇格に向けては重要になる。第14節の岩手戦でも終盤のPKをストップするなど、京都(J1)を破る鍵にもなったGK田川の活躍には注目していきたい。
鹿児島の今季の特徴は、整備された攻撃と勝負強さにあると考える。第12節・第13節と得点を奪えず、勝点3を掴むことができていなかったが、長野戦はスーパーゴールを含む、2得点で勝利することができた。得点の有無に限らず、相手ゴールを脅かし続ける攻撃スタイルは、シーズンが進むにつれて更に完成度を高めていくことだろう。

2023 J3 第15節プレビュー

奈良vs沼津
YS横浜vsFC大阪
岩手vs松本
富山vs八戸
愛媛vs相模原
今治vs讃岐
北九州vs長野
琉球vs宮崎
福島vs岐阜
鹿児島vs鳥取

2023 J3 第15節の各会場対戦カードは以上の通り
 首位に立つ富山は、ホームで八戸と対戦する。富山の好調を支える堅守は、特にホームゲームで顕著である。現在ホームゲームで5試合連続無失点を継続しており、ホームで最後に失点したのは第4節の長野戦まで遡る。一方で、前回のホームゲームである鳥取戦では攻撃陣が沈黙。失点をしなくても得点を奪えなければ、勝利をすることができない。ホームで勝利をサポーターに届けるためにも、攻撃陣の奮起に期待したいところだろう。対戦相手の八戸は、昨季途中まで富山を率いた石崎監督が指揮官であり、守備に定評のあるチームであるだけに警戒したい。
 2位につける鹿児島は、ホームで鳥取と対戦する。前回のホームゲームである八戸戦では、得点を奪えず、大雨の中敗戦を喫した。自慢である得点力を活かせず、敗戦となった前回のホームゲームを払拭するべく、今節の鳥取戦は複数得点で勝利したいところだろう。また、対戦相手の鳥取は、今節を迎える前に金監督を解任。今季序盤は好調だったが、徐々に勝点を伸ばせず下位に低迷している。鹿児島としては、"監督解任ブースト"に警戒しつつ、牛ノ濵の欠場を活かして勝点3を掴みたい。

連敗したなら連勝すれば良い

 それでは、我らがAC長野パルセイロの第15節を深掘りしていく。長野は、前節鹿児島をホームに迎えて1-2で敗戦。敗れたものの、失点場面はビルドアップでのミスとスーパーミドルシュートであり、仕方ないで片付けるしかない場面ともとれた。しかし、その敗戦が連勝中に起きたものなのか、連敗中に起きたものなのかは非常に捉え方に影響が出る。
 リーグ戦4連敗とクラブ史上ワースト記録を更新してしまったわけだが、全ての試合結果が1点差と悲観しすぎる状況でもない。また、直近2試合は先制or同点に追いつくことに成功しており、得点が全く生まれない状況とは違う。内容も上位相手に通用する試合を繰り広げるなど、本当に結果だけがついてこない現状と言える。そんな状況だからこそ、今一度原点に立ち返り、自分たちのスタイルが何だったのか。サッカーを楽しめているのか。初歩的な心構えに立ち返る必要がある。
 長野の第15節の対戦相手は、ギラヴァンツ北九州。一昨年までJ2に所属しており、J3というカテゴリーが良い意味でしっくりこないクラブの1つである。過去にはJ3最下位とJ3優勝を経験し、天国と地獄を味わったことのあるクラブだ。今季は序盤から勝点が伸ばせず、現状は低迷状態だと言える。ただ、優勝したシーズンの前季は最下位だったりと一瞬で駆け上がる力は持っていると思われる。混戦となった今季のJ3では、最下位&優勝を1シーズンで経験する可能性もなくはない。順位表の位置に惑わされずに、長野としては是が非でも欲しい勝点3を求めたい。

マッチプレビュー

通算対戦成績

--2017--
北九州1-2長野
長野1-1北九州
--2018--
長野1-1北九州
北九州1-0長野
--2019--
北九州2-2長野
長野2-1北九州
--2020--
※北九州J2、長野J3
--2021--
※北九州J2、長野J3
--2022--
北九州0-2長野
長野1-0北九州

 北九州と長野のJ通算対戦成績は上記の通り。長野は北九州に対して、通算4勝3分1敗を記録している。長野が4勝と大きく勝ち越しており、長野としては苦手意識は少ない相手になるだろう。
 北九州ホームの試合に限定して数えると、長野の2勝1分1敗となっている。長野が北九州に対して、唯一敗北を喫した試合は北九州ホームの試合であり、通算対戦成績で大きく上回っているからといって、油断できないことに変わりはない。また、北九州がJ3で最下位となった2018シーズンに唯一の敗北をしている。この事実からも、順位表の位置に関わらず警戒が必要であることがわかる。
 北九州が優勝した2019シーズンは、長野にとって順風満帆な時期ではなかったが、1勝1分とJ2でも通用していたチームに対して、点の取り合いを挑み、負けなかった。こういったデータは、現在に対する影響は果てしなく0に近いが、自信を持つ側面として頭の隅に置いておきたい。

昨季対戦振り返り

2022 J3 第1節

2022 J3 第22節

勝点獲得推移

 上図は両クラブの今季勝点獲得推移のグラフ。
北九州は、第2節に勝利して以降、勝利が遠のくシーズンとなっていた。第1節・第2節で1勝1分と開幕スタートダッシュとしては、全く問題のない滑り出しだった。しかし、その後は第3節から第13節で0勝3分11敗と失速。勝点3からしばらく遠ざかっていたが、前節に第2節以来の勝点3を獲得。この勝点3をガソリンとしてエンジンに火をつけ、一気に昇格まで駆け上がりたいところだろう。
長野は第4節終了時点まで、1勝2分1敗と勝点の積み上げペースはあまり速くなかった。しかし、第5節から第10節の間で5勝1敗と破竹の勢いで勝点を獲得。直近4試合は4連敗と第10節以降、1つも勝点を積み上げられていないのは懸念するべき点だ。

順位推移

 上図は両クラブの今季順位推移グラフ。
北九州は、第2節時点で1勝1分と好調だった時期に3位を記録したが、それ以降は勝点3を掴めなかったことが響き、徐々に順位を落としていった。第9節終了時点で今季初めての最下位を経験し、最下位になって以降も勝点3に届かず、第14節終了時点まで最下位となっている。ただ、前節勝利したこともあり、混戦状態の中位〜下位の勝点に近づいている。いち早く最下位を脱出して嫌な雰囲気を完全に払拭したい。
長野は第4節までわずかに1勝と完璧なスタートとはならなかった。そのため、第3節・第4節終了時点で13位と今季で最低の2桁順位を記録した。ただ、その後の連勝街道の勢いは凄まじく、第7節・第10節終了時点で首位に立った。首位に立って迎える試合でことごとく敗北しているため、首位の座を守れた節は一度もない。また、直近4連敗で順位も下がり始め、現状は8位と優勝に向けて再スタートを切る必要がある。

予想スタメン

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