食から読むギリシャ神話 〜悲しい恋のアーモンド 前編〜
イタリアに留学していたころ、毎日新しい世界にドキドキワクワクしていても少し慣れてくるとどうしても湧いてくるのが日本への思い。
あの書店の前の道や駅前の雑踏がたまらなく恋しくなって来たりしていた。そんな時、丘を散歩していて一本のアーモンドの木に出会った。その時はアーモンドとは知らず、枝に直接咲く満開の花にてっきり桜だと思ってしまったが、まだ新芽が出る前の荒涼とした景色の中に、そこだけが別世界のようだった。
しかしこの木、なんで花が先に咲くのかしら・・風媒花などという植物学的