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トマトやナスは使わない?~紀元前のイタリア料理〜

ナスのないイタリア料理なんて考えられますか。それにカルチョーフィ、オレンジ、レモン・・・極めつけがトマトです。イタリア料理のイメージがトマトの赤なのに、つい400年ほど前まではトマトは観賞用のもので、食卓に並ぶものではありませんでした。ではどうやってイタリア料理に使われるようになったのでしょうか。

イタリアの食を、食材の面から変えた出来事が3つあります。一番目は紀元前8世紀に南イタリアに移住してきた古代ギリシャ人。彼らはオリーヴ油やワイン、パン・パスタを持ってきました・・・イタリア料理の根幹です。

次に9世紀にシチリアを占領したアラブ人がナスやカルチョーフィを持ってきて、そして15世紀にコロンブスがついにトマトを持って来たという訳です。
今回はイタリアの食の歴史の一ページ目、紀元前に移住してきた古代ギリシャ人がどんなものを食べていたかというお話しです。

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イタリアでは、当然のように考古学が盛んです。そしてそれに関する本も沢山出版されています。でも街中の本屋さんでは売れ筋の本ばかりが並んでいて、レシピ以外の食の本にはなかなかお目にかかれません。

ではどこで見つけられるのか・・・遺跡です。特にポンペイの遺跡のミュージアムショップでは、マニアックな食に特化した本も見つけることが出来ます。

そこで手に入れたのが「L'arte del convito nella grecia antica 古代ギリシャ人の饗宴の芸術」この本には古代ギリシャ人が食べていた料理が紹介されています。

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ふむふむ、古代ギリシャ人はソラマメが大好きだったんだ・・・あ、ウニも食べている。でも中心は小麦を粗く挽いたものや細かく挽いたもののから作ったパンやポレンタ・・・豆類もいっぱい食べている・・・ここでどのような食材を使っていたかが分かりますが、でも知りたいのは今のイタリアに残っているかということです。

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