食から読むギリシャ神話〜プロメテウスの火とヴルカヌスの鍋 前編〜
小学生のころ、親にせがんで買ってもらったのが「ギリシャ神話」。
そこに広がるのは今までの「はなさかじいさん」とは全く別の世界だった。
天を駆け巡る神々、苦難を次々と克服する英雄たち。いくつもの挿絵があったが、ショックだったのは岩に縛り付けられてその肝臓を毎日生きながら食べられている男の絵。この人はどんな悪いことをしたのだろうと読んでみれば、人間の大恩人じゃありませんか。
名前はプロメテウス。巨人族の出身なのだが、平和を求めて戦好きの巨人族から離れてゼウス側についた神。それだけではなく生き物を作った神様でもあるのです。それらが生き延びていけるようにヒズメや翼、殻などを与えて逃げられるように、防御できるようにしてやった。
ところが最後に自分の体に似せた人間を作った時に、与えるものは何もなくなってしまったので、与えたのが天上の火であったと。もちろんプロメテウスと言えども天上から簡単にもらえるものではなく、盗んできてくれたのだそうな。
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西欧の神話にはオリーヴ、月桂樹、アーモンド、小麦などがシンボルとして描かれていて、どんなストーリーがあるのか。
リゾットの歴史と地方性やニョッキはどこから来たのか。
そして過去に書いたエッセイなどを掲載します。
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