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ベンチャー企業に入る人が身に着けるべき8つのマインドセット(動画つき)

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はじめに

私は2006年新卒でリクルートに入り、2009年にDeNAへ転職をしました。
当時のDeNAは今より社員数も少なく、まさに”ベンチャー企業”という感じでした。

初めてのベンチャー企業は、1社目とは全く異なる世界でした。
入社して半年間は使い物にならず、

君は今のところコストだね

とフィーバックいただいたことを覚えています。

その後8年間DeNAに勤めるわけですが、初めてベンチャー企業に入る人は自分と同じような苦労をしていることに気づきました。
そして、その人たちが”コスト”を脱却し活躍するときは、前職のマインドセットがベンチャー企業用に切り替わった瞬間です。

今やたくさんの業界・業種からベンチャー企業に移る人がいます。昔よりも随分増えました。
初めてベンチャー企業に行く人、その人の転職を支援する人、その人を受け入れるベンチャー企業の人のために、ベンチャー企業に入る際に身に着けるべきマインドセットについてお伝えします。

①役職なんか”ギャグ”

DeNAに入るときも、入った後も、役職にはこだわりまくっていました。役職を得て、その役職を活かして自分のやるべきことをやろう、役職がなければ小さな仕事しかできない、そんなことを考えていた自分に上司が言ってくれました。

お前さ、役職なんかギャグなんだから、そんなこと気にせず自分のやるべきことやれよ。

ベンチャー企業にも役職や肩書というものがありますが、相手が役職者だから自分が直接声をかけられない、相手が役職者だから相手の意見を採用する、など役職信望主義はベンチャー企業では通用しません

ベンチャー企業というのは”弱い会社”です。
壮大なビジョンを掲げつつも、今この時点ではまだ価値を確立していないチャレンジャーです。
そんなベンチャー企業に求められることはただひとつ”勝利”です。

勝利にこだわる会社の中で、役職があるから、ないから、と言ってられるでしょうか?役職があろうがなかろが勝利のために有効なことであれば歓迎され認められるのがベンチャー企業です

ベンチャー企業の人たちが良い人だからではありません。
勝たなければならない弱い会社だからです。勝つために必要なことはやります。役職者の発言だろうが役職が無い人の発言だろうが関係ありません。

会社のために正しいと思えば、堂々と発言し行動しましょう。その勇気を持ちましょう。それが、ベンチャー企業で働くことの醍醐味です。

②今重要なことにフォーカスする

ベンチャー企業は常に激しい変化にさらされています。見通しのききにくい市場、続出する競合、入退社の激しい組織、資本構成の変化・・多くの変化にさらされている不安定な会社です。
もし会社が赤字を出しているなら、残された時間も長くはありません。

そんなベンチャー企業では「今重要なこと」以外にやる暇などありません。
仕事も会話も、今重要なことにフォーカスします。

まだ1円も売上が上がっていない新規事業に関して拡大後のオペレーションの話をしても仕方ないですし、業績がどんどん下がっている時に福利厚生制度の話をしても仕方ありません。

今この状況では何が重要なのか?常に問い、仕事も会話もそれだけにフォーカスしましょう。ベンチャー企業に残された時間は、短い。時間が無いのです。

③自分の役割は自分で決めて動く

ベンチャー企業では社長ですらプレイングマネージャーです。資金調達、トップ営業、プロダクトの磨きこみ・・・社長ですらそんな状態なのですから、「マネジメント専業」の人は誰もいません。
しかも、変化が激しいわけですから、それに伴い自分の役割も激しく変化して然りです。

マネジメント専業者もいない、自分の役割変化も激しい、そんな中でいちいち自分の役割を考え指示してくれることなど期待できません。

「すいません、自分の役割はなんですか?」「決めてもらえないと動けないです」など言っても、誰も決めてくれません。

役割を決めてくれと待つだけではなく、「会社の状況を考えると、自分はこういう役割を担うべきだと思います」と自分で考え提案します。

そういう人が、激しい環境変化に合わせてタイムリーに自分の役割を変化させることができます。状況に合わせた最適な役割を自らに課すことで、会社にとって有効な成果を出せます。

④早く決めて早く動く

ベンチャー企業がチャレンジしていることは「前例のないこと」「どこにも答えが書いていないこと」です。
その中で、高い確度を目指して検討に検討を重ねたところで、わからないものはわからないのです。

ここから先はやってみないとわからないな、というラインがあります。
そのラインに来たら、まずはやろうと決めてやってみます。

そうするとたくさん失敗すると思います。
失敗したおかげで、わからなかったことが少しづつわかるようになります。
これは、動いてみないとわからなかったことです。

早く決めて早く動いて早く失敗して早く学んで早く正解を見つける。

前例のないこと、どこにも答えが書いていないことに向き合うベンチャー企業で唯一正解を見つける方法がこれです。

⑤常に整わない環境で働く

変化が激しい環境にさらされ、その中で前例のないことにチャレンジしている、弱い会社は、”無い無い”尽くしです。
大企業では整っていたシステム、サポートなどはこの弱い会社には期待できません。そんなものを整えている時間もお金もありません。整える気がないわけでも整える能力がないわけでもないのです。

そして、この整わない状態は大企業になるまでずっと続きます。

その整っていないことを嘆いたところで1円にもなりません。
なぜ整っていないかを考えると、そんなこと嘆いても仕方ないという当たり前のことに気づきます。

ベンチャー企業で働くということは、その会社が大企業になるまで、ずっと整わない環境と付き合わなければならないことです。

常に整わない環境=カオスで働くことを理解し、受け入れ、慣れましょう。

⑥理解される前に理解する

ベンチャー企業は、基本的に変な人がいくところです。
不安定で、弱くて、そんな未来があるのかどうかもわからないビジョンを掲げそれを必死で追いかけているような会社に、誰が好き好んで行くのでしょうか?そんな会社に行きたいと自ら志願して行くわけですから、基本的には変な人が行く会社です。

そんなベンチャー企業では、何かに突出した才能を持っているかと思えば、何かが圧倒的に欠落しているような、そんな人たちがたくさんいます。

その人たちのことを「変だな」「普通じゃない」「常識がない」
などと批判されても、そうですとしか言いようがありません。そういう人が行く会社です。そういう風に距離を置いていては、一生ベンチャー企業には馴染めないでしょうし、そもそもベンチャー企業に向いていないです。

そのうえで、「自分のことを誰も理解しようとしていない」「馴染めない」と嘆くのもまた的外れでしょう。
嘆く前に、まずはその変な人たちのことを理解してみましょう。
ベンチャー企業に入り10年が経ちましたが、この10年で得た一番の財産は、人との出会いです。
何かに突出していて、でも何かが信じられないくらい欠けてて、でもそんな人のもつオリジナリティに触れることは本当に楽しい。
そうやって、変な人を理解しようとし、変な人を愛せるようになれば、自分も理解されるようになり、仕事が楽しくなります。

そして、自分自身もまた変な人なんだなと気づくことになります。

⑦成果でWillを勝ち取る

弱い会社における評価軸はただひとつ、「勝利に必要な成果を残せたかどうか」です。
もちろん、会社にはいろいろな制度があり、いろいろな評価軸があります。
ですが、最終的にはいろいろな評価軸も含めて、成果出したかどうかが問われます。
弱い会社なら当然の帰結と言えるでしょう。

自分のやりたい仕事をやりたいと主張できる権利は、成果を残すことでしか得られません。
なんて残酷なと思うかもしれませんが、常にサバイバルに挑んでいる弱い会社なので、仕方ありません。
上司の機嫌を取ろうが社内で親派を集めようが、そんなことでWillを叶える権利は得られません。

やりたい仕事は、成果を出すことで勝ち取ります。やりたい仕事を探し求める前に、今目の前の仕事で、会社を勝利に近づけるような大きな成果を残してやろうではありませんか。
その成果という大きな土産をもって、堂々と会社に「この仕事がしたいんだ」って言ってやりましょう。

⑧仕事を選り好みしない

弱い会社では、仕事は選んでられません。会社が生き残るために、勝つために、何が必要なのか?その1点を考え、必要なことならなんでも行います。

なぜ自分のキャリアでこんな仕事しなければいけないんだ、と思うなら、強い会社にいきましょう。
弱い会社なので、生き残らなければならない、強くならなければならない、そんな会社で「この仕事は自分がやるのはちょっと・・・」なんて言ってられません。

部長だろうが取締役だろうが、新規の電話をするときはするし、自分でエクセルいじらなければならないならいじるし、大量の印刷物が必要なら印刷してホチキスで止めます。
「会社の勝利のために」「自分がやる必要があるならば」それを厭わずどんな仕事でもやります。

大きな決断からホチキス止めまで、その時の状況を見極め、必要ならやると決めてやれる人、会社の勝利の1点だけ見つめて仕事に臨む人、そういう人がベンチャー企業には必要です。

さいごに

ぜひ面接やオンボーディングの場でこのnoteを活用してもらえると嬉しいです。DeNAに入って初めは使い物にならなかった自分に、ベンチャー企業に初めて入って苦労していた人たちに、渡してあげたかったものになります。

YouTubeでも動画を上げていますので、ぜひご覧ください。

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