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「みちくさ」から「オドリバ」へ

開業にあたり

8月から北九州市八幡西区で精神科・心療内科クリニック「ながの医院」を開業(正確に言うとリニューアル)します。お近くの方でお困りの方はご利用いただければと思います。ホームページだと堅苦しくなってしまうのでこちらでは肩の力を抜いたり、入れたりした情報を発信できればと思います。

何を提供できるのか

私は患者さんに何が提供できるのか?利用する側にとって「そこが何屋か、そして何屋でないか」は知っておきたいものです。医師になって10年くらい経ち、自分が提供できるものが少し分かってきました。

当院の特徴

他のクリニックとは違う点をいくつかあげようと思います。


精神力動的視点:

精神力動的医学とは精神分析の理論に基づいて精神医学的な治療をすることです。あまり説明になってないですね。ものすごくざっくりと話すと心の動きについて考えながら精神科の病気を治療するということです。その人が気づけていないことについて一緒に考えることができます。

当たり前に聞こえるかもしれませんが、多くの精神科医はこころの動きに対するトレーニングを受けていません。病気の症状や薬の効果については多くの精神科医がトレーニングを受けていますが心の動きについては心理士がメインになっていることが多いです。

精神力動的治療は疾患は問いませんが、個人的なことで言うとアルコール依存やゲーム依存などについては専門的にトレーニングを受けたことはありません。

心の動きについてはまた機会があれば説明します。


性別違和・性別不合(性同一性障害)の相談:

LGBTという言葉で性別の悩みについて注目されることが増えていますが、性別違和を持つ人が相談できる医療機関は多くありません。GID(性同一性障害)学会に認定医制度がありますが、認定医は全国的にとても少なく、相談の窓口となる精神科医はさらに限定されます。

いろいろな意味で性別の悩みは相談しにくい社会です。

最近やっと市民権を得てきた(?)性同一性障害という言葉はもうすぐ性別違和もしくは性別不合という言葉に変わります。変わりますというか、変わっているのですが、浸透するまでにまた時間がかかるのかなと思います。

性別違和・性別不合の話もまた機会があればと思います。



重度認知症デイケア・オドリバジンタ:

私は福岡大学病院で精神科デイケアに関わってきました。というか上の二つも福大で関わってきたのですが、その中でもデイケアはいろいろことを学ばせてもらった特別な思い入れがある場所です。

でも、今回やろうとしていることは認知症デイケアです。八幡西区千代は私が子どものころはたくさん子どもがいました。だから両親は耳鼻科・小児科としてながの医院をつくったのだと思います。今も子どもはいますが、ずいぶん減り、一番多かった世代である私の親たちがじいちゃん・ばあちゃんになってきてます。先代同様、地域の役に少しでもたてたらいいなと思っています。

認知症について改めて勉強すると「孤独と役割の喪失」がとても大きなテーマになると気づきました。なんだ、自分が知っているデイケアでやれるじゃないかと!今までのデイケアでは若い人たちと関わってきましたが、認知症治療にも通じるところはたくさんあるのです。デイケアメンバーに教えてもらったことが次のステップのヒントになっています。

精神科デイケアは「みちくさ」だと思ってやってきました。あくまで戻る道があってそこを目指すからです。一方、老いは戻ることはありません。ずっとすすんでいきます。だから「みちくさ」ではピンときません。そこでたどり着いたのが「おどりば」です。老いという階段の途中でほっと一息つける場所。

なぜオドリバなのか?なぜジンタなのか?またの機会に説明します。

というか「みちくさ」についてもそのうち。


不定期に更新していきます。

そして、飽き性であることをはじめに宣言しておきます。


*コメントへの返信は基本的に致しません。






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