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力をつけたいので『写経』することにします

著作権というものについて、結構デリケートに扱わないといけない時代です。
それはいろんな人が、いろんな手段を使って、いろんな創作物に簡単にアクセスできる環境があって、かつそれを簡単にシェアできてしまう時代になったからだと思います。
もちろん、他人の著作物をあたかも自分のものであるかのように発表したり、本来有料であるものを勝手に無料で入手したり配布したり、そういったものは絶対にダメです。
でも、創作を行う多くの人は、誰かの素晴らしい作品を”真似る”ことからスタートするんじゃないかと思います。

私はそのことを『写経』と呼んでいます。
それすらも誰かが言っていたことの真似かもしれませんが、覚えていません。
とにかく写経をすることは、自分の力を養う上で、とても大切な学びの過程です。

以前、「文章で自分のことを表現できたらな」と思い始めた時は、この写経をよくやっていました。
「この人の書く文章はいいな」と思ったら、とりあえず書き写してみます。
すると、読むだけではわからなかったことに気づくことができます。
「ここで読点を入れるとわかりやすくなるのか」
「漢字とひらがなの割合はこのくらいがいいのか」

そんな、おそらくその人が書くときに意識していたであろうことを、写経の中で感じることができます。

私は絵が全く描けないのでわからないのですが、きっとイラスト系の創作をしている人も、最初はお手本を真似るところからスタートしたのではないでしょうか。
顔のパーツのバランスとか、スカートの”ひだ”の具合とか、髪のツヤとか、そういったものをたくさん、たくさん描くことによって、その作家さんのスキルを学んで、自分の創作に生かしていくのだと思います。

なんでこの話をしたか、というと、音楽に関しても”写経”が大切だな、と、最近改めて感じたからです。
今まで、有名な曲のカバーを歌ったりしたことはあるのですが、あくまで『カバー』であって『コピー』とはちょっと違うんですよね。
自分にとって難しい部分を少し簡単にアレンジしてしまったり、歌詞なんかはサイトからコピペしたものを印刷したり、早い話が、楽をしていました。
これだと、確かに雰囲気はわかったような感じになるのですが、作者がどういう意図でそのコードを選んだのか、とか、歌詞を書くときに何を重視していたのか、なんてことはあまり理解できていない気がしたんです。

歌に関して写経をするならば、作者と同じように歌詞を書き出してみて、他に置き換えられる言葉と比較してみたり、ちょっと面倒なコード進行でも弾いてみたりする必要があると思いました。
作者がどういう思いを込めて、何を狙って、その作品を仕上げたのか、それを汲み取って学ぶことは、きっと自分のこれからの創作に生きてくると信じています。

歌を作り始めてからは結構長いのですが、実は曲数はかなり少なくて、ライブの度に「いつも同じ曲ばかりで申し訳ないな」なんて思ったりしています、同じ曲でもいいのかもしれないけど。
本当は「こういうテーマで曲が書きたい」みたいな”創作の種”はたくさんあって、そのまとめ方をきちんとわかっていないんだな、と思ったんですよね。
私もシンガーソングライターを名乗るなら、その創作の種をきちんと育てて、花を咲かせて、皆様にお見せしないと、何もやっていないのと同じことです。

というわけで、改めて『曲を作る』ということに関して、割と真剣に勉強しています。
理論とかそういうのを学ばず、感覚だけでやってきたので、頭がパンパンです。
でも、色々と「なんで?」と思っていたことが、理論的に説明できることだとわかると、納得できる部分も多くて、「なんでもっと早くにやらなかったのか」とも少し思っています。

今更、音楽の専門学校に通うわけではないですが、本を読んで、動画を見て、写経して、練習をして、そうやって少しでもスキルアップしたものをお見せできるようになればいいな、と思っています。

余談ですが、noteを書き始めてから何かを”習慣化”するのがマイブームみたいで、明日から1日1曲写経をしようか、なんて考えています。
そうなるとちょっと、時間がなくなってしまうのだけど……
とりあえず、続けられる範囲で頑張ってみようかな。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!