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晴れの日も雨の日も#251 言葉にできない

私は言葉は大事だと思っている。コーチングという会話をベースにした仕事をしている関係からも、noteやメルマガなど言葉を書き表すことに慣れ親しんでいる関係からもそう思う。

だから、できるだけ今の自分の中にあるものをピッタリ表す言葉を探す。言いたいことを言いっぱなしにし、書きたいことを書きなぐっている粗忽者だが、意外に繊細な一面も持ち合わせている😂。大事なおたよりをする時など特に慎重に言葉を選び、何度も推敲する。

一方で、言葉は万能ではないとも思っている。
決して意図的にウソをついたわけではなくとも、言葉を額面通りに捉えない方がいいことがある。あるいは言葉では自分の思いを言い表しきれないことだってしばしばある。逆にしゃべっているうちに感情が激してきて、思っていた以上のことを口走ってしまったり、面と向かっては言えないようなことをメールで書いてしまったり、ということもよく聞く。

直指人心という禅の言葉がある。
解説をするには生噛りの知識過ぎてカッコ悪いだけだが、私は、「言葉によらず直接的にものごとの真髄にふれること」と勝手に理解している。
月をさす指を見ていると月が見えない。見てほしいのは月なのに。
言葉にもこういうことがあるのではないか。言葉に頼りすぎることは危うさを秘めているのではないか。そんなことも思っている。

もう大昔前。25歳で父親になった。この頃「円こそ究極の真理」という考えに取り憑かれていた。生まれてきた娘には「円」の字を用いて名付けをした。
多角形の角と辺をどんどん増やしていけば次第に円に近づく。しかし、どこまで増やしても円にはならない。切り捨てられたものが残るというべきか。真理と言葉にも似たような感じを抱いていた。

少し前にCSのTBSチャンネルで「あにき」という古い連続ドラマをやっていた。脚本倉本聰。主演は高倉健。大原麗子や倍賞千恵子、田中邦衛、大滝秀治などが出演する。寅さんのおじさん役だった下條正巳も出演しており、「北の国から」と寅さんの合作のようなメンバーだ。
ドラマ自体は失礼ながら期待ほどではなかったが、健さんの芝居にはやはり魅せられた。健さんにしてはよくしゃべる役回りだったが、それでも、やはり、しゃべらずに何かを表現する力は並外れている。
本当に大事なことは言葉に頼らない、多くをしゃべらないということをいたく考えさせられた。

多くをしゃべらないという意味では、「ひるあんどん」という言葉がふと脳裏に浮かんだ。
昼につけたあんどんのように薄ぼんやりとした感じの人への嘲称だが、案外ばかにならない。スパスパ切れるカミソリのような人のほうが仕事ができる印象を与えそうだが、そういう人は修羅場や火事場が苦手だったりする。ふだんぼんやりしているように見える人が実は腹が座っていて、そういう危急の時もオタオタせずにどっしり構えて、安心感を与えることがある。忠臣蔵の大石内蔵助がひるあんどんの代表格だろう。

なんていう記事を書いて投稿順番待ちで温めていたら、ikue師匠が「本当に大事なものは言葉にすると壊れたり伝わらないことがある」という作品・コメントを投稿された。
刺激を受け、若干加筆の上急遽繰り上げ投稿することにした。
私はコーチングという「言語化」を商売にするような仕事をしているが、曖昧なことを曖昧なままにしておいた方がいいことや、無理やりクッキリスッキリさせようとしなくともぼんやりはぼんやりのままでもいいこともあるのではないかと思っている。 

先週末は粉雪舞う中、現役時代の先輩後輩とゴルフ。グリーン上のゲームは点数をつけたが、スコアそのものは書く気もなし😂


今日も最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました♬ 長井 克之

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<予定(但し、臨時差し替え頻発😂)>
#252 【創作SSタケおじシリーズvol.18】マイナス感情からの脱出
#253 氷山伝説
#254 【創作SSタケおじシリーズvol.19】転校生

(つづく)

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