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晴れの日も雨の日も#262 引っ越し

娘#4が拙宅近隣の一人暮らしから高崎市へと引っ越した。昨年11月に結婚式を挙げたのだが(拙note#220【創作SSタケおじシリーズvol.7】結婚する娘に#223親父の気持ちー娘の結婚に際しー)、高崎に住むダンナの関西転勤希望がかなわず、年度末で仕事を辞め旅立った。
娘本人の胸の内には当然いろんな思いが去来している。
ようやく新婚生活に入れる喜び。
生まれ育った土地を離れ、ダンナ以外は知人もいない不慣れな土地、新しい暮らしへの不安。
ライフワークと定めていた仕事(市公務員・保育士)を辞めることへの思い。
父との別れ・・・それは屁みたいなもんか・・・

本来、子供じゃあるまいしなのだが、私も多少は引っ越しの手伝いをしたし、「いよいよホンマの嫁入りや」と気合の入っている細君は、向こうでの買い物手伝いも兼ねて、新居まで車で娘を送り届けに行った。

引越し日は生憎の雨天だが一粒万倍日。新スタートにふさわしい好日だ。
全ての荷物が運び出され空っぽになった部屋を見る内に、「引っ越し」について思いが巡った。

・私自身、数えてみたらここまで20回の引っ越しをしていた(幼少期に一時期施設や親戚宅に預けられたことを除く)。単純に割り算をすれば3年に1回程度引っ越しをしている計算になる。これはまあまあの引っ越し経験と言えるのではないか。高校まで(=親の都合)が3回、大学入学〜入社まで(=完全自分意思)が3回、それ以降(≒会社都合の転勤)が14回という勘定だ。それぞれの地に思い出の足跡がしっかり残っている。

・昭和人間のこだわりというべきか、引っ越す時には、徹底的に掃除をして出た。立つ鳥跡を濁さずという言葉もある。キレイにして、部屋に感謝を申し上げて退去する、というのが当たり前だと思ってきた。娘#4も一応その流儀を受け継いでいるらしい。最後は北側の窓枠のカビを一生懸命拭き取っていた。荷物の箱詰めをする際、ぞうきんやほうきちりとりなどの掃除用具は最後の最後まで箱に入れずに残しておく、というのは引っ越しの鉄則だと思う。

・家具を除けると、その後ろから思わぬものがひょっこり顔を出したりする。今回娘はたったの1年の一人暮らしだったので何もなかったが、小さい子どもたちを抱えての引っ越しの時は、干からびた鳥の骨やくしゃくしゃにまるめたテストが出てきたりした。高校生の息子#2の部屋にはアヤシゲな本が天井裏にあったりして、細君が顔をしかめていたのも懐かしい思い出だ。ま、健全な男子高校生の所業なのだが🤣

・これも毎度のことだが、何もなくなった部屋を見ると「こんなに広かったっけ?」と思わされる。人が集まって何年も暮らしていると、いろんなものが積もり積もっていくということを象徴的に表している気がしてならない。

・引っ越しというのは断捨離のチャンスだ。と、毎度思うのだが、懐かしいものが出てきて「あぁこんなんあったなあ」などとやっているうちにどんどん時間がたっていく。結局、最後は締め切り時間に追われるようにして、「しゃあない、とりあえず全部箱に詰めとこ」となってしまう。で、引っ越し先でいつまで経ってもフタの開かない段ボール箱がうまれたりする🤣

・やっぱり思い出絡みのものというのはなかなか捨てる踏ん切りがつかない。もう絶対2度と使うことはないし、見ることすらないだろうと思うのだが、いざ捨ててしまうかとなると勇気が出ない。ホントは、場所や環境が変わる際に、心機一転で思い切った方がいいのだろう。そういう意味では住まいの引っ越しより「気持ちの引っ越し」の方が大事なのだと思う。

・どこに住むかというのは誰にとってももちろん重大事だ。家の作りもそうだし、土地柄もある。下町か山の手かは好み次第だし、高級住宅地が必ずしも住みやすいとも限らないだろう。隣人がどんな人かなんてこともバカにならない。ま、気に沿わなければさっさと引っ越しし直すぐらいの気軽さでいいのかもしれないが。

娘#4の引っ越し before / after

今日も最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました♬ 長井 克之

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(続く)

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