晴れの日も雨の日も#334 手紙〜拝啓 十五の君へ〜
アンジェラアキの名曲。2008年NHK音楽コンクール中学校の部の課題曲だ。NHKでは、長崎離島コンクールを目指す中学生の取り組みと、彼ら彼女らが大人になる歩みを番組として取り上げていた。
描かれていたのは、中学時代にいろんなことを感じ成長していく姿と、20歳・30歳の節目での再会・交流、及び当時の自分に宛てて書く手紙。
しばらく前に放映されたのを見たのだが、なかなか面白かったので、コーちゃんも約半世紀前の「十五の自分」に手紙を書いてみることにした🤭
拝啓 15歳のコーちゃんへ
あれからずいぶんの月日が経ったね。キミは定年まで一つの会社で勤め上げ、その後独立してコーチングで身を立てたよ。
一人前に結婚もし、5人の子宝に恵まれた。今のところ大きな健康問題もないし、まあ人並み世間並み以上にやってきたと言えるんじゃないかな。
それは全部あの頃キミが種をまいたことが実ってきたと言ってもいいと思う。そういう意味では十五のキミこそがボクの原点であり、キミのことをありがたいとも、誇りだとも思うよ。
キミは中3になって突然「頑張る」ことに目覚めたね。中1の夏頃から毎朝走ることだけは続けてきたけど、中3の1年間がキミの本当の人生の幕開けの時だった。まさに十五からようやく自分の足で歩き始めた感じだね。
あの時のキミの頑張りがなければ、ボクは間違いなくここにはいなかった。十五のキミが高校、大学、社会人のボクへとつながり、ずっとその延長線上を突っ走ってきた。でも、そうやって得たものもたくさんあるけど、逆に失ってきたものもいろいろあるんだ。
たとえば、彩りとか潤いとかゆとりとか。そういう豊かさみたいなものにはキミは見向きもしなかったよね。それは当時の家庭環境も含めいろんなものが影響してる。今もう一度やり直すとしてもやっぱり同じような道を選びそうな気がするから、しょうがないというか、そうなるべくしてなったんだけどね。
でも交友関係が豊かではなかったのは少々ザンネンな気もする。特に一方的な片思いをしては暴発的にコクりに行き、自爆テロのようなことを何度も繰り返したことだけは、できることならやり直したいなあ🤭🤣
仕事も子育てもミニバスのコーチ業も、無我夢中で髪の毛振り乱すようにしてやってきたけど（注：実際はそんな髪の毛はない🤭🤣）、ここ数年ようやく落ち着いてきたよ。心豊かに生きるということにも少し近づいたし、人さまとの関係性の作り方も一皮むけたかもしれない。言ってみれば、あの頃得られなかったものをやっと手にし始めたのかもしれないね。
キミが作ってくれた土台の上にいろんなものを積み上げたり、より強固にしたりしてきたんだけど、それらはほとんど同じ色彩のものばかりだった。ここにきてようやくそこに足りなかったものを味付けできるようになってきたんだ。
あの頃キミはどんな未来を思い描いていたんだろう。今のボクはそれにどのくらい近づいているのだろう。
その答えは聞きたいような聞かなくてもいいような。だって今のボクは63年間の中で一番スキな自分だから。ぜひキミにも見せてあげたいなあ。きっとキミも喜んでくれると思うんだよなあ。
最後にもう一度「ありがとう」と「お疲れ様」を言ってこの手紙を終えるね。
（ここまで本文1,331文字）
今日も最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました♬ 長井 克之
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（つづく）
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