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晴れの日も雨の日も#240 而今

前号【創作SSタケおじシリーズvol.14】では「時」についてタケシとおじいちゃんが会話をした。最後は「今」という時間を精一杯生きていくことが大事だということで話は落ち着いた。

昨日のことはいくら考えても戻ってこない。明日のことをいろいろ夢見るのは悪くはないが、一体どんな明日が来るのかは誰にもわからない。
今このとき。今ここ。
私達にはそれしかない。精一杯の「今」を積み重ねていくことが素晴らしい明日につながるのだと思う。


禅の世界ではそんなことを而今(にこん)という。私は、「今日の感謝」を毎日つけ始めて1年半になりなんとするが、そのファイルの名前は「而今抄」としている。拙記事のハッシュタグにも「#而今」「#今ここ」を毎回使用している。


三重県名張に「而今」という高級日本酒がある。五合瓶が2万円以上する。私のような酔っぱらえればそれでいい、という安上がり人間にはほとんど猫に小判豚に真珠の贅沢品だ。
酒の銘柄にはとんと無頓着なのだが、「而今」という名前には強い憧れがある。味の如何に関わらず、ぜひ一度飲んでみたいと思っている。

名漫画スラムダンクの著者井上雄彦さんの作品に「バガボンド」という漫画がある。宮本武蔵や佐々木小次郎を描いた漫画で、井上武彦フリークの私はこちらも略全巻所有している(残念ながら連載途中で休載中)。
宮本武蔵が吉岡一門と決闘する場面は一つの大きなハイライトだ。
吉岡高弟の上田が出てくるシーンがあり、「一の太刀」ということが描かれる。上田が先代師匠から「この一の太刀に全てを込めよ。次はないと思え」と強く指導された「一の太刀」。武蔵との対決で死の瀬戸際に追い詰められた上田は最後に「一の太刀」を繰り出し武蔵に深傷を与えるのだ。
これは「而今」とはやや異なるとは言え、「次はない。この一本に全てを賭ける」という純度と集中力の高い考え方は同根通底と私には映る。

次はないからといって力むのではない。持てるものを全て出すためには力みはかえってマイナスになる。「今この時を精一杯生きる」というのも「精一杯生きなきゃ」と肩に力が入ると良くない。心の窓は全部開放されていながら悠揚迫らざる姿勢で臨むこと。これは簡単ではなく、まさに日々の精進が必要なのだろう。


「今ここ」の考え方を対人関係に活かすと「一期一会」ということになる。今眼の前にいる人とのご縁を大事にする。それはご縁への感謝から始まるのだろう。そして、そういう姿勢が次の新たなご縁へと導いてくれるのだと思う。


勉強やスポーツ、仕事に打ち込む人は美しい。高みを目指して、新しい自分にたどりつくために全力で取り組んでいる人は輝いている。今の私は、そういう季節を通り過ぎた感じだが、「今ここ」で自分を解放して自分らしく精一杯生きることはできる。その思いはまだ手放したくないと考えている。

昨日今日と2日続いての氷結@拙宅近隣天神川。さむいがな〜

今日も最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました♬ 長井 克之

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<予定(但し、臨時差し替え頻発😂)>
#241 過ぎ去りし日々
#242 【創作SSタケおじシリーズvol.15】変化
#243 【総合企画】しょうがない。で?
(つづく)

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