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晴れの日も雨の日も#257 春はあけぼの

春はあけぼの
やうやう白くなりゆく 山ぎは すこしあかりて
紫だちたる雲の ほそくたなびきたる

清少納言 枕草子

毎朝6時前に家を出て巡礼街道歩きに向かう。ちょうど日の出前、まさに「あけぼの」の時間帯だ。春曙とはまた別に春暁という言葉もある。「あかつき」はまだ暗い内、今でいえば4時頃のイメージだろう。今朝のあかつきは春雷だった。
「あけぼの」のステキさには異論ないが、日の出や朝焼けなんて年中いつ見てもスバラシイやんかと単純に思ってしまう。このへんが「特に春がいい」と取り上げた清少納言との感性・風流さの違いなのだろう😆


地元氏神様の松尾神社では、今年もウグイスが鳴き始めた。梅→ウグイス→桜→バラ→紫陽花→ツバメ→ブルーベリーと私の一番好きなシーズンが本格化してきた。
2月生まれの私は、若い頃は、冬の寒さはへっちゃらで夏の暑さが大の苦手だった。それがインドネシア在住4年プラス加齢の影響で、夏の暑さより冬の寒さの方がこたえるようになってきた。
ようやく見え始めた春の兆しを嬉しく思っている。


と思っていたら、先週は極端な寒の戻りだった。
粉雪舞い寒風吹きすさぶ絶好のゴルフ日和の中😆、サラリーマン時代の先輩諸兄とゴルフをした。年は全員around65。もう1年前後で会社を卒業、もしくは一旦卒業したが再びサラリーマンに舞戻りというメンバーだ。
またその数日前には中学の同級生と一献した。こっちは全員63才で現役の終盤を迎えている。
どっちにしても、既に組織を卒業して「個人」に戻ったのは私一人だった。

いずれもみんなよくしゃべる。自分の話ばっかり😆。よっぽど普段聞いてもらってないんだろうなあと思いつつ聞き役に回った。

近況報告や往時の懐かしい話など、久しぶりの交流は楽しかった。が、今までとは少し違う違和感が私の中でうごめいた。

たとえば卒業前の先輩諸兄は、入社同期や同僚たちとの遊び仲間構築に余念がない。ま、気持ちはわからんでもない。私も昔の仲間とのつながりは大事にしている。
しかし彼らは、そこを唯一の居場所としているようにも見えた。「卒業」の次の「入学」がなく、次のステージに進むより「卒業生・OB」という色合いばかりが目につく感じがした。あるいは、誰でもいいからゴルフ仲間を探してヒマを埋めたい、という景色も透けて見えた。

また、共通の知人の話も含め宮仕えの苦労話もいろいろ出てくる。現役は大変だなと思う。今の私はそんな事から解放されて気楽にやっている。もうとてもサラリーマンには戻れないなあと思う。

私もサラリーマン生活を続けていれば、間違いなくそうした世界にいた。
ブツブツ言いながら現役を勤め上げ、その後は昔の仲間と週一で平日ゴルフ。あるいはたまにはカミさんと旅行。そんな暮らしが待っていると思っていた。ほんの10年ほど前までそう思っていた。

が、今は、なんだか私一人変わってしまって、違う景色を見たり求めたりしているような感じが胸の中で去来した。結果的に昔の「同じ会社の仲間」という一体感も少し変質したかもしれない。
それは寂寥感?疎外感?羨望感?というような単純な感情ではなく、なんとも言い難いザワザワ感だ。自分の選択に後悔はないし、機嫌よく毎日を過ごしているのだが、全く波風のない穏やかな心、と言えるほどカッコよくもなかった。

彼らと1対1になると、組織の殻が脱げてホンネベースで心が通い合う。が、集まりになると、「組織の中の人」という色彩が濃くなり、「中」と「外」の線が現れてくるという面もありそうだ。

また、昔と変わらず傍若無人・我田引水系のヤツに対しては、「メンドーなやっちゃな」と私の中のこびとが膨れっ面で横を向いていた。「いつまでこいつとつきあうの?」と小声で囁いてくる声もしっかり聞こえた。「どんなヤツともつきあえる」ということを金科玉条にしてやってきた私にすれば、これもちょっとした変化だった。

人は変わる。関係性も変わる。
ま、その時々の自然体でやっていければいい。
といいつつ、結局また彼らと楽しく交流することになるのだろうが😅😁

あけぼのを迎えた宝塚長尾山のやまぎは 

今日も最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました♬ 長井 克之

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<予定(但し、臨時差し替え頻発😂)>
#258 不機嫌なひと
#259 【創作ボヤキ】結局
#260 【創作SS】秘密

(つづく)

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