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「晴れの日も雨の日も」#43  家族

妻1人、子供5人。これが私の家族である。「えぇー、子供5人⁈」と驚かれることが多いが、細君共々「そう?別にフツーやけど」というのが実感だ。もっとも、確かに子供の数で人語に堕ちたことは長い人生で一度しかない。その家族に最近大きな動きがあったので、note投稿することにした。

まず、長井familyのご紹介。
1番バッター:妻。同い年。23歳になる直前に知り合い、24歳で結婚、25歳で親になるという電車道。拙noteには#40等で既に登場済み。生涯連れ添うつもり(私の方は)だ。
第1子(女):今年3回目の年女。既婚・東京で母親業。後に出てくる長井家の文化とはやや遠いが、それはそれでよし、親子3人仲良く笑顔で過ごしてほしい。
第2子(男):上と2歳違い。小学校教員。先月結婚(「大きな動き」その1)。中学時代は悪い仲間に染まり、ずいぶん手を焼いた。新婦は「ちょっと個性的だが根はおもしろくていいヤツ」という彼のいいところを見出してくれた。ピンポイント的出逢いに感謝。
第3子(女):すぐ上と3歳違い。中高大とバスケットの全国選手。長い間楽しい追っかけをさせてもらった。中学校教員(国語)。
第4子(女):同上4歳違い。保育士。拙note#11に登場。我が家のおしゃべりチャンピオン兼ムードメーカー。
第5子(女):同上8歳違い。今月から花の女子大生。山梨県都留市で一人暮らしを開始(「大きな動き」その2)。先週末ハイエースを駆って引っ越し済み。

この富士山の威容!都留市の隣の富士吉田市にて。
なんと4/3都留市は明け方から雪!峠越えの運転に難儀しました。桜の花に雪が積もる。。

私と細君は5人の子たちを同じように育ててきたつもりだが、当たり前だが、それぞれ全く異なる。だから子育てはおもしろい。

さて、私は、典型的な昭和オヤジで、学級参観なんか行ったことがない(いや、もちろん運動会は、父兄競技への参加も含め、前線で張り切ったが)。
若かりし頃は、サービス残業と宴会で11時前に帰宅する日など本当に限られていた。
しかし、会社もしくは仕事しか関心がなかった訳ではない。
会社では自分の代わりはいるが、家族を守るのはオレしかない、とずっと固く思ってきた。
若いころ「土佐の一本釣り」というマンガが好きだった。純情で硬骨漢の主人公順平が「オレはドロボウしてでも家族には絶対メシを食わせる」と言うシーンがある。私も全く同じ思いだ。

マンガ「土佐の一本釣り」 40年ぐらい前か?

40前からは単身赴任が主となり、日常の子育ては細君に頼りきりになった。が、それぞれの子供にそれぞれの「ここ」という重要な局面があり、そこには深く関与した。細君も子供たちの前で私をたててくれた、というとやや美談に過ぎるが、少なくとも子供たちの前で私をけなすことはなかった。
そのおかげで、私と子供たちはずっといい関係を築いてこれた。
細君には感謝感激だ。

子育ては確かに容易ではない。「一人でもこんなに大変なのに、5人なんて」と目を丸くされることもたびたびあったが、実は5人いると、5人で相互に助け合ったりして(もちろんケンカもするのだが)、必ずしもその苦労は×5ではない。
一方、彼らがくれる喜びは、彼ら間の相乗作用もあり×5以上のものがある。「苦しみは分け合い、楽しさは倍にして」という言葉の通りだ。
家族のおかげで私の人生は本当に彩り深いものになった。

彼・彼女らが高校・中学までは、家の中でしばしば運動会が始まった。
学校の運動会シーズンになると組体操が自然発生的に始まる。
テレビの筋肉番付のマネもよくやった。
バスケットを始めるとステップの練習だ。
「こんなんできる?」みたいな発表会も定番だ。実はジジイの私が一番負けん気を出して頑張ったりする。
当時は6畳和室が二間続きの築40年の古家に住んでいたが、この計12畳の和室は我が家の体育館みたいなものだ。

私がバスケットのコーチをしていたこともあり、拙宅は来客と宴会の絶えない家だった。子供たちはそういう景色を見て育っている。当然のようにみな酒好きで宴会好きだ。
第2子、第3子は社会人になってから一人暮らしを始めたが、正月等何かあるとみんな集まって大宴会だ。缶ビール、一升瓶、ワインが次々空いていく。みんな実によく飲みよくしゃべる。テーブルの左側と右側で話が割れる時もある。
昔話あり、教員ネタあり、バスケット話あり、互いの価値観信条の開陳あり、酒を飲んでの珍事失敗談ありetcetc。
実にオモロイ。
遠地にいる第1子はこの場に縁遠いが、それはそれでまた良しだろう。新たに自分の家族を自分たちの文化でしっかり築いていってほしいと思う。

私も細君も価値観のエッジが立っている方で、結構イロの濃い家だと思う。子供たちは良くも悪くもその空気を吸って大きくなった。「この家のフツーは、よその家のフツーと違うかもしれんぞ」と繰り返し言ってきた。
それなら親二人が自分のスタイルを変えればいいのだが、残念ながらこちとらそんな気は毛頭ない。
いかにけったいでもこの家は彼・彼女らにとって間違いなくルーツだ。

同じ釜の飯を食う・同じ空気に触れる・寝起きを共にする・目の前でおならもする・何より血を分けた関係だ。家族が頑張っている姿も情けない姿も一番身近で見ることになる。とてつもないものを共有している。それが絆になる。それが家族だ。

そんな家族にも巣立ちの季節はやってくる。
また、巣立ってくれないと困る。
でも、家族の巣立ちは、サラリーマンの卒業とは異なり、またいつでも帰ってくればいい。また集まって宴会しようぜ。長男花嫁さんも交えて。
そうしてメンバーを拡大しながら、子へ孫へバトンを渡していく。
誠にありがたいことだ。いいなあ家族って。私は幸せ者だ。

<予告>

#44 I am on your side.
#45 失敗
#46 友人の恋バナ。未満の話。
#47 人と比べない
#48 誠意

(続く)


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