晴れの日も雨の日も#295 最近の小ネタシリーズその7
1.人相書き
鬼平ほか時代劇を見ていると、必ず出てくるのが人相書き。目がどうだ、鼻がどうだと、目撃者の話で絵を書いていく。スゴイ技能だなあと感心する。
で、スゴイのは、絵を書く人だけではない。目撃した相手の人相を口で言える、そのぐらい覚えている、というのもなかなかだ。しかもそれをやっているのは市井の一般人。よう見てるなあ、覚えてるなあと感心する。
その延長がモンタージュ写真だろう。もっとも、今は街角の防犯カメラが幅をきかし、すっかりお見かけしなくなった。
ひょっとして昔の人の方が、人の顔の特徴をよく覚えていたのかしら。デジカメやスマホの普及という技術革新が、人間の人への関心を減退させたのかしら。
私も近しい人の顔だって、どんな眉毛だったか、口元はどうか、なんてほとんど人に説明できない。大きなほくろがあるとか、すごい福耳だったとか、めちゃめちゃ目立つ特徴があればわかるが、あとは、ハゲてるかどうか、とか、メガネをかけてるかどうか、ぐらいが関の山だ。
もうちょっと相手の顔をマジマジと見つめなければいけないのかな?
といって変質者まがいに思われても困るしなぁ。。。
2.大人ってホントに。。。
糸井重里(敬称略)は名コピーライターだ。彼が運営しているサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」の「今日のダーリン」というショートコラムなどは実に気が利いている。一時期暇だった頃は毎日更新されるこのコーナーを楽しみにしていた。
先日ブックオフで同氏の「オトナ語の謎」という文庫本をたまたま目にし、衝動買いした。オトナが日常当たり前に使っている、ちょっとヘンテコな日本語を集めた本だ。わざわざ曖昧にしたりぼやかしたり先延ばしにしたりという言葉。ザリガニがシュシュっと巣穴に逃げ込むように、我が身に火の粉が降りかかるのを避ける言い回し。そういった文句のオンパレードだ。
オトナ中のオトナであるコーちゃんにはすべて馴染がある、あるいは頻用している言葉ばかりだ。ニヤニヤしながら拝読した。「いやあ、オトナっt大変なんですねえ」と同氏が作中で散々皮肉を効かせているが、誠にもってその通り。
いや、そういう私も、このnoteでも「かもしれない」「という見方もありうるだろう」「個人的には〜という気もしないでもない」というような言い回しを多用している。多様性の時代にこと借りて、物事を私見で断定するのはコワくなっているのだ。いや、ホントにオトナって。。。🤭🤣💦
3.虚構
私の知人で、テレビはNHKとスポーツ番組だけ、という人がいる。曰く「バラエティは見てもバカになるだけだし、ドラマはしょせん虚構じゃないか」と。
虚構、ねえ。
ま、確かに作り話だという意味では間違いなくフィクションであり、それを漢訳すれば「虚構」になる。しかし、そんな大袈裟に言わんでもええんとちゃうの〜というのが正直な実感だ。
だいたい、「虚構」の反対といえば「事実」になるのだろうが、この「事実」だって、それに触れた人の解釈が入った瞬間、「純事実」から離れ、虚構の始まりとなる。
そういう意味では世の中は虚構で出来上がっているといっても過言ではないのだろう。たとえば、コメは実体があるブツだが、カネは虚構が作り上げたものだ。国家とか人権とかイデオロギー的なものは全部虚構の匂いがするし、幸せとか憂いなどの人の心や頭に携わることもいわば虚構だ。
とどのつまり、そういう虚構に振り回されて私達は生きている。ドラマもピンキリではあるが、恋愛モノにしても、警察モノや医療モノにしても、結局回り回って人と人の関わりを描いている。それが私達の日常の関心事を思い起こさせるからだ。虚構なんてインチキだなどと否定したりバカにしたりしているのはどうなのかな、と思いながら私はドラマを見ることをやめないでいる
今日も最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました♬ 長井 克之
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