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この3年間を振り返って。コロナ禍でチューニングした事。

あぁもぅ1月が終わってしまう。
これが新年最初のnote更新だなんて。
あけましておめでとうございました。
小川です。

さて、5月8日から日本ではCovid-19の感染症分類がインフルエンザと同じ扱いの5類になるとのことで、これまでの3年間で失われたリアルコミュニケーションの量がグッと増えてくると思います。
私たちnadia, Inc.の札幌Fragm.や京都Fragm.の周辺にも訪日旅行者の方々がグンと増え、街中にも活況が戻りつつあると話を聞いています。

思い返せば、2019年から1年以上を費やして企画してきたリアルコミュニケーション中心の企画がコロナショックで立ち消えになり、やり場無さすぎな悔しさにまみれた事を皮切りに、当社のビジネスにも多大な影響を及ぼしたパンデミックは、世界の断絶傾向をより一層強めるきっかけにもなってしまいました。

「自分の周りだけでも助けよう。」と「自分達だけ助かれば良い。」は、表裏一体の考えでしょうか。自分の選択や行動をなん度振り返ったことか。ワクチンが開発される前のマスクや消毒用アルコール、トイレットペーパー争奪戦は自分が半世紀生きてきた中でも特別異様な光景でした。そこに漬け込んで効果なさげな粗悪品が大量に流通、その倫理観の欠如にゾッとしたことを覚えています。

この激変する社会環境の中でも、自らの居住空間に執務状況を整えれば、オンラインビジネスツールを使って、リアルタイムにコミュニケーションをとり、スケジュールに基づいて必要なアウトプットをする事ができる。クリエイター達は、リモートワークで私たちの業務が運営可能なことを実証しました。
パンデミック当初は管理部門と我々役員陣だけが出社してガランとしたオフィス(原宿)でしたが、昨年、オフィスを圧縮移転(青山)し、フリーアドレスを導入しました。
当初は何も不自由なく全ての業務が円滑に動くように感じていました。

しかし何かが失われていました。
すぐには気が付きにくい程度にゆっくりとした速度で。
そこを解消しなければ、この新しい時代の働き方で価値創出の精度があがらないと漠然と感じていました。

まぁざっくり考えれば「コミュニケーション」となりそうですが、情報共有や意思疎通の行為自体そのものが完全に失われているわけではない。
確かに、オンラインコミュニケーションツールは意思が伝わりづらく、やりとりもなんとなくギスギスしたりします(え?そんなことない?)。
人と人の触れ合いの薄さを解消するべく、思いやりが伝わるような社内施策や、価値交換が行われるチャネルを作るなども実施してきました。

それでも何かが足りない。
その要因を自分なりに探ると、それはセレンディピティの不足ではないかと思い当たりました。

セレンディピティ英語: serendipity)とは、素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見すること。また、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値があるものを偶然見つけること。平たく言うと、ふとした偶然をきっかけに、幸運をつかみ取ることである。

Wikipedia

業務とは別の必要のない無駄話の中で出てきた"書籍"や"映画"があったり、会社に置いてあったお土産のお菓子のパッケージ”デザイン”に、新しい施設に設置されたデジタルサイネージの”モーション”に、飲みに行った先のお店で聞いた”会話”が、いろいろな価値創出のきっかけになる。それは、他の人から見た時には意味を持たないが、自分の心の中でなんとなく感じていた課題や疑問に対して科学変化を起こす触媒のような効果を発揮する。
効率化を突き詰める為には排除すべき無駄や余白の中に、その機会がたくさん潜んでいる。

「Eureka!」でも「Wow!」でもいいのですが、そういった体験が限りなく少なくなった日常のなんと平坦なことか。

会議においても、顔を突き合わせて、ブレストしたときのGroove感はオンラインではなかなか再現できないですし、オンラインでセミナーに登壇した時の物足りなさ、会場の聴講いただいている方の顔を見ながらお話しする時とは全く異なる空気感がそこにはあります。
オンラインの情報が増大し、圧倒的にオフラインの情報が減った事に危機感を持ちました。

変化した環境の中で、それまでと同じ感覚でいる事は危険な事。
このウイルスがもたらした異様な環境下の中で不足したセレンディピティを補うために意識して、受信アンテナの感度をあげるよう心掛けました。
”なんだそれ、意識するだけかい”という意見はごもっとも笑。

オンラインのコミュニケーションでは、その中に含まれている意図をできるだけ汲み取り、なにか少しだけでも違和感を感じた時には、スルーせず、質問する、確認するよう心の中で義務付ける。
オフラインコミュニケーションはお互いが時間を合わせて参加する希少性が高いものですので、会議はゴールを決める事はもちろん、それ以外に得たい価値もある程度意識して行う。声をかけて頂けたイベントは面倒くさがらず参加する。会食などではできるだけその時間のコミュニケーション品質を高める為に酒量に気をつけて、シラフ度を高める(私が酒に弱いだけか笑)。
受信アンテナの感度を上げ、少なくなった貴重な情報群の中から、何かしらの価値を掘り起こし、少しでもセレンディピティが起きやすい環境を自分なりに作り出す。心地よい環境にだけ身をおかず、意識してフィルターバブルの外へ。以前であれば、手に取る事のなかったような本を読んでみると、自分の中にあった漠然とした悩みが解決したりする事もありました。

良くも悪くも役員をやっていると鈍感力が身につきますが、この環境下の中で自分のチャンネルを常に今までと同じに保つことの危険性を感じ、違うチャンネルへ変えてみました。ただ意識して行動するだけではありますが、パンデミック前の自分よりも、相手の意図を汲み取るように、一挙手一投足に対して意識を上げ、情報を洗う幅を意識的に広げた事で、自分としてはそれなりに変化を得られた実感がありました。

これからリアルコミュニケーションが増えていくに応じて、このチャンネルでいることで、より多くのセレンディピティが起きる瞬間を楽しめるのではないかと少しワクワクしています。

しかし、そんな事感じてるそばから、トレーニング中に腰を痛め、移動速度が落ちました。
早く治したい。。。


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