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雨の日に読みたい本

秋雨前線の影響で
シトシトと雨が降る週末。

ついこの前まで暑い暑いと
ミニ扇風機を携帯していたのに、
上着がないと肌寒い。

たまには本でも読もうかと、
カフェへ行く前に
古本屋さんに立ち寄った。

青地に墨汁が垂れたような表紙に
黄色い文字で書かれたタイトルが

ACCURACY OF DEATH
死神の精度

なんとも不吉な。

ホラーが苦手なので
著者名が伊坂幸太郎じゃなければ
読むのを躊躇ったと思う。

そんなわけで
死神の精度を携え、
会話控えめにとお願いされる
静かなカフェに向かった。

🌼感想(ネタバレなし)

淹れたてのコーヒーがいい香り

外が見える窓際の席に座り、
早速ページをめくった。

千葉という名前の死神が主人公。

死神の仕事も
会社のように分担があるらしく、
事前に対象者を選定する部署から
指定された人間を7日間調査し、
その人の死が「可」か「不可」か
最後の審判を下すのが彼の仕事だ。

“ミュージック”が好きで、
素手で人を触ると気絶させてしまい、
死神の常識で会話してくるからか
ブラックジョークにも聞こえるとを
サラッと言ってのける。

人間に死神だとバレてはいけないけど
どこか風変わりで
たまに死神だと悟られることもあるらしい。

死神らしい(?)冷ややかなというか、
どこか人間離れした感性のせいか
時々会話が噛み合わないところが面白い。

そんな千葉が調査で
人間界にやってくるときは
いつも雨や雪で天気が悪い。

ひんやりと冷える雨の日に
この本を読んでいるせいか、
なんだか自分も千葉と一緒に
調査しているかのように錯覚する。

短編集になっていて、
クレーム電話対応をする若い女性に始まり、
一話ごとに新しい調査対象が出てくる。 

あるときは殺人事件現場の老夫婦
またあるときはヤクザの組員
そしてまたあるときは殺人犯…

千葉はそれぞれの場面に合った
年齢や容姿に変化して人間界に舞い降り
調査対象を観察する。

どうせ「可」を出すのが既定路線だから
早くCDショップで“ミュージック”を
聴きたいといいながらも、
他の死神より丁寧な仕事をしているようだ。

彼らがどんな7日間を過ごし
どちらの決定を下されたのかは
ネタバレになるから書けないけど、
千葉の目線を通して語られる
それぞれの生死感がなんとも興味深い。

ストレートに「生きるとは何か」
「死ぬとは何か」を問う描写はないのに、
柄にも無くそういうことを考えさせられた。

雨の日にすることがないとき

生きることに疑問を感じたとき

この世が馬鹿らしく感じるとき

そんなときにこの本をお勧めしたい。
読むときはぜひ
お気に入りの“ミュージック”をかけて。

☕️キッサマシマロ(平針)

📖死神の精度(伊坂幸太郎)

📚なっちゃんの本棚(読書記録) 

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