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概念を買う。


出会いは突然だった。
38年続く人気作品「あぶない刑事」に出会ったのは5月27日の事だった。
正確に言えば、あぶない刑事という作品を観るのに勇気を持った日、
ということだ。
そもそものきっかけは、ゴールデンウィーク。
友だちと市内のビッグな映画館に行ってコナンの映画を見た時。
「早く来すぎちゃったネ、舘ひろしかっこいいネ」という会話をした時だった。
舘ひろしさんという歳を取らない俳優。
女性なら誰もが一度はかっこいいと思うだろう。
そう、おじ専の私もそう。
「カッコイイよねえ」とは思った。けれど公開日が月末の忙しい時期。
「見るまでの映画では無い」と決めつけてその日はコナンを見たのであった。
そこから2週間が経って、
なんだか気になってしまって観るに至ってしまった。
でも、少しくらいは観ておかないと、と劇場版1作目をアマプラで見たのだった。

うわ〜なんだこれえええええ

これがファーストインプレッションだったと思う。コンプライアンスというコンプライアンスがない無法地帯とはこの事を言うのか〜!と昭和映画にどっぷり浸かったのだった。
あぶ刑事といえば「タカとユージ、どっちが好き?」というのが定番らしく、職場のお姉さま方にあぶ刑事ハマりそうという話をしたらやっぱりそう返された。
映画1本しか見ていないビギナー中のビギナーだが、心は決まっていた。

ユージの女に俺はなる!!


と。
ここまで読ませておいて、
なるほどこの女はユージ、こと、
大下勇次の概念を買ったんだなとなるだろう。
残念ながらならなかった。
そこからさらに最新作の1個前の「さらば あぶない刑事」、それからドラマシリーズにも手を出し始めた。
タカとユージにいいように使われる後輩、町田透という沼にズブズブとハマっていったのだった。

町田透(演:仲村トオル)

神奈川県警港署捜査課に所属する警察官。TVドラマ1作目開始時は、交通課から転属になったばかりの新人刑事だった。勤務中にもかかわらず、ナンパや遊んだりするという性格だった。基本的には特定のコンビを組む相手はいなかったが、TVドラマ2作目の「もっとあぶない刑事」では主に大下勇次と行動する事が多くなる。

捜査課の一番若手という事もあり、しょっちゅう鷹山や大下にいいように使われる。その時は大体「女を紹介してやるから」という言葉が多い。
使用する覆面パトカーは主に、日産・セドリックorグロリア(Y30型)、スカイライン(R31型・後期GTパサージュツインカム24V)、セフィーロ(A31型・前期型スポーツクルージング)、リターンズでは三菱・RVRを使用。

劇場版6作目の「まだまだあぶない刑事」から港署捜査課の3代目課長に昇進し、タカとユージの上司になる。しかし、3人でいる時は結局以前と変わらない有り様…。
とはいえ「賢い動物になりやがって」と言われた(ファンの間では「町田役の仲村トオルが『舘ひろしと柴田恭兵に匹敵する"大物俳優"の域』に達した事を比喩するメタ発言」と解する人も少なくない)際には満更でも無い様子だったため、透本人にしてみれば「上司という権力」という名の大なたを振るいタカとユージを従わせるより、彼らに振り回される方が本望なのかもしれない。

2人が警察を退職した「帰ってきたあぶない刑事」でも相変わらずいいようにこき使われているが、さすがに警官ではなくなり一探偵の身分になった2人の身を案じて無茶をしないように部下を上手く使って抑えようとしている。

ピクシブ百科事典より

まず、町田透という男は歳を取らないと私が勝手に思ってる俳優、
仲村トオルさんが演じている。

仲村トオルさんへの愛は前に投稿した記事を読んで欲しい。
自分で書いたくせに大分気持ちが悪い。

課長になった町田透はすごく好きな要素しかない。まず、近藤課長が着ていたスリーピースがめちゃくちゃ似合う(というか仲村氏はいつもスリーピースを着ている気がする)「スリーピース」という種類を着た人間が好き。シュッとして知的そうで。ピチピチなナンパ好きな「僕のバズーカもっとすごいんだぞ」な町田も好きだけど、とにかく顔が好き。仲村トオルの顔が好きだよ。足が長いのも好き。(オタク特有の早口語り)

で、推しの概念を買ったというのは、
いつか透スタイルを着て聖地巡礼をしたいという願望があって、
今日はスーツを眺めて帰ろうと思っていた。
店前のマネキンを見ただけで、町田透もとい仲村氏の顔を思い浮かべて町田おばさんのハートはブレイキンなのだ。
店内に並べられているスーツですら心拍数が上がるというのに試着するとなると心肺停止でもするのではないか、と思った。
早く店員よ話しかけてくれ、と思いながら買いもしない女性用のコーナーを見ながら待っていた。
すると、メガネが素敵な店員さんが近づいてきた。とっとと、見せてもらって検討して帰ろうとこの時は思っていた。
「どういうのをお探しで〜」から「あ〜女性でも買われる方いますよ〜全然普通です」と聞きながら本題へ。
オタクと悟られないように興奮を抑えながらスリーピースを所望。
しかし、様子がおかしいと思った店員、察する。
オタク、抑えきれず「あぶない刑事」の町田くん…あ、仲村トオルさんが憧れでと口を滑らす。

ここからの事は正直記憶が無い。

試着させてもらって、
中学校の制服以来のネクタイを付けて、
鏡を見た時、確かに顔体型は私なのだが、
まさにスーツが町田透だった。
推しに似たスーツを着ているという高揚感、多幸感…。とにかく幸せ過ぎる、そんな一瞬だった。
買おうか、買わまいか、悩んだ。しかし、店員さんが「あまりこのデザインは被らないんですよね。似たデザインはないんです」というような事を話した。今ここで出会ったスーツにはもしかしたら次はお目にかかれないかもしれない、ということだろう。
着替えながら考えることにした。
スーツをふらっと見に来て買うなんて背徳感しかないし、もし、職場に着て行ってダメです言われたらどうしよう、とか、上司よりもパリッとした服着て怒られたらどうしよう、とか、色々考えた。けれど答えはひとつしか無かった。

買います。

店員さんがタグとしつけ糸を切って、購入に至った。半ば勢いだけで買ってしまった感がある。けれど買わなくて後悔した時が怖いので気に入ったものが買えて良かったと少し安心した。

町田透になるには身長とカッコ良さが足りないけど推しという概念を買うことが出来てよかった。
あぶ刑事4回目と聖地巡礼する時には着ていきたいと思う。

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