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前厄に何が起こったか〜いきなり現れた宗教に葬式を乗っ取られた!?

私が恐れていることがある。

それは、厄年だ。

厄年には前厄、本厄、後厄がある。

私は今年、前厄になる。

数年前からもうすぐ厄年だ、何も起こらなければいいなと思っていた。

だけど、事は起こった。

数週間前に祖父が亡くなった。

葬式の喪主は私の父だ。父は三兄弟で下に2人妹がいる。長女は3つ下、次女は14も下だ。

葬式の取り決めでは3兄弟と父の娘のわたしもいれて行い、その日にもお坊さんにお経を唱えてもらった。

葬式当日、親族がぞろぞろやってきた。父方の長女は結婚後、夫が宗教に入っていると知り夫は妻と子を捨て沖縄に行ったと聞いていた。なので、私はすでに離婚したものだと思っていた。

しかし、現実は離婚せずに1人でぶらっと全国を周り、嫁と子には自分達で生活をしろと言っていたようだ。

たしかに、その嫁には不審な点はあった。
葬儀前日にお坊さんがお経を唱えたとき、目を瞑りながらお坊さんと一緒にお経を唱えていた。何かお経が書いてある紙を持ちながら。

後から聞くと父はなぜかその長女に坊さんの手配をお願いしたようなのだ。父も本厄だ。きっと単にやる事を分散したつもりなのだろう。

そうして始まった葬儀。お経が始まると前列の半分から一斉にお経が聞こえてきた。

ええぇと叔母と私は目を合わせる。
もう完全にその宗教の旦那に捕まったが最後、嫁と子供も信者になってしまったのだ。

その家族の後ろの席で遺憾だと首を傾げる祖父の兄弟達と心配そうに前のめりになり宗教に囚われた子供の様子を伺うその奥さん。

私は睡魔に襲われるも寝ていられない状況だ。
大事な父の兄弟と子供まで宗教に染まってしまった。4人分のお経を唱える声が響き渡っている。
そんな時間が小1時間。

祖父はその宗教の旦那が大嫌いだった。私にまで宗教はダメだと口酸っぱく言うくらいだ。「おじいちゃんは宗教が大嫌いなのに、こんなんじゃ成仏できなくなってしまいそうだ」と叔母は言った。

ようやく終わり、その日は解散した。

実はもう1つ問題が残されていた。
それはお墓問題だ。

父方のお墓は市のお墓だ。だけど、お坊さんをいつでも呼べるように分家(お寺の経営を支える代わりにお坊さんに誰かが亡くなるとお骨を入れたりお経を唱えに来てもらうこと)に入っていた。

この分家の名義が亡くなった祖父だった。
なので、名義を変えなければいけない。

けれども、名義を変えるには遠い地域に住んでる父の兄弟全員に判子をもらい、名義になった人はその兄弟にお金を配らなければならないらしいのだ。

父はお金絡みで揉めるのは嫌いだ。それに、年間で支払うお金もある。
「それは無理だ」と父は言った。

もし、分家から抜けてしまうとこの先お経を唱えることはできないとその寺のお坊さんは言う。

父方は祖父の他にも祖母がいる。祖母はお墓に入れないの?

父は思っても見なかったことを言った。
「長女はもう俺の母さんをお墓に入れる気はないみたいだよ。自分の宗教の方にいれるつもりみたいだよ」

父はなぜ長男なのにそれを阻止できないのか。いくら親族が遠くにいても助けを求めればいい話ではないか。

こんな父でも実は私に似た性格をしている。だけど、この優柔不断さはいらない。

私はとりあえず父には内緒で実家にあった「分家の名簿削除願」の紙を持ちだした。

これでわずかな抵抗をしてみる。

ああ、厄年って思ってもないことが起こるのね。



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