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JAXAの治験に申し込んでからというもの、メールマガジンのようなかたちで治験のお知らせが届くようになった。いつもスルーしていたのだが、気になる募集が目に留まった。「爪白癬治療」というもの。足の親指が白癬菌(爪水虫)によって白く濁って変色していると、治験対象となるという。右足の親指の爪、数年前に剥げてから一向に正常に戻らないので、もしやと思い、申し込んでみることにした。

■第一関門
疑いのある患部の写真を撮って、先方に送信。約1週間後、折り返しの電話があり、口頭で問診。この段階で「該当しない」と判断されると、この先へは進めない。第一関門はなんとクリア!

■第二関門
のち、数箇所の検査病院を紹介され、うち1箇所を指定。医師による患部の写真判別を待つ。この段階で「該当しない」と判断されると、この先へは進めない。おっ!第二関門もクリア!!

■第三関門
電話とメールでの聞き取り。治験の意思に変わりはないか?今後の流れなどあらためて説明を受ける。同意ののち、病院のスケジューリングをし、いざ初回の通院!!!

■第四関門(最終関門)
いよいよ初回の通院。受付に治験の旨を伝えると、待合室ではなく、病室の奥のスタッフエリアに通される。そこで治験のスタッフ(若い女性3人)に囲まれた。

「私がお電話差し上げた○○です、今日の趣旨はうんたらかんたら」

え、密室すぎやしないか?と動悸が高まる。血圧を測定、高血圧を疑われ、ザワつかれる(結果クリア)。待つこと10分、医師の診察。

「あぁぁ、、これは、、、(白癬菌)いなさそうだねぇ。。。」
「えっ!!?」

固まる治験スタッフの女性3人と私。

「一応検査してみる?」

爪の裏側を爪楊枝で少し削り、顕微鏡で見てみることに。その間、われわれは待機。

女性たちは「お願い、(白癬菌)いて下さい」と両手を組んで祈っている。待ち時間に世間話。聞くと、全国で同時募集をかけて治験に挑むのだが、なかなか該当者が現れないのだという。職場の苦労なども伺う。

そんなこんなで待つこと数分、、、

結果、、白癬菌はいませんでしたー!!!!

3人は見るからにがっくり肩を落とす。なんだかこちらが申し訳ない気分に。第3趾(中指)と5趾(小指)は白癬菌だと思う、けれど今回の治験は第1趾(親指)が対象となるので、今回の本試験には参加できないことに。
第四関門でアウト。ゲームオーバー。

■本試験に臨む狭き門
しかし大変な工程だ、この第四関門までクリアしないと、治験協力者にはなれないとは。最初のやりとりから初回の通院まで既に2ヶ月近く経過している。ここから実際の臨床試験に臨んでいくわけだから、医薬品が実際の現場に実装されていくまでには途方もない時間とエビデンスが必要なのだと身を持って体感することができた。

時同じくして、この初回の通院の頃、爪水虫の治療薬に睡眠導入剤の成分が混入し、服用者が死亡するという事件が起きていたので、正直、心中穏やかではなく、結果オーライだった感もある。

しかし、、この経験を振り返ると、爪白癬の治験でこれなのだから、コロナワクチンの実装となると、、、なかなか恐ろしい気がしないでもない。


<了>






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