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顧客思考とは何かを考える

はじめに

ビジネスの世界で欠かせない要素、顧客思考。
これが自分はとても苦手だった。新卒で入った会社が比較的日本的な企業でシステム開発やってる会社なので、伝統的にお客さんから開発用件をもらってその通りに開発する御用聞き営業スタイルだったこともあり(今はそうではないと思ってる)、顧客思考についてネガティブな印象を持っていた。
しかしそれも過去の話、自分なりにここ数年で顧客思考をアップデートすることができたので、まとめてみたい。
自分のように顧客に向き合うということをなんとなく避けている人もいると思うので、そういう人にとってほんの少し参考になると結構嬉しい。

顧客思考=顧客の声を聞くではない

自分は前述の昔の経験でお客さんの声を聞くことに抵抗があった。なぜならそれを聞いて言われたことやればいいというのが楽してるみたいで創造性が欠如しているようだし、自分の方が顧客より考え抜いているという少し尖ってるような傲りのようなマインドも持っていたのかもしれない。それが今の会社に入ってだいぶ経ってから考えが変わったのだ。

ユーザベースの7つバリューの一つに「ユーザーの理想から始める」がある。
これも入社してからだいぶ経つまでは、「はいはい、顧客思考ね」としか思っていなかった。それまでは顧客に寄り添うとか悪くいうと迎合するみたいな印象があったけど、段々毎日バリューを見ていると捉え直して腹落ちすることができた。

本当の意味での顧客志向とは、顧客とのコミュニケーション(すなわち顧客の声)の中で顧客もまだ見えてない理想を自らが主体的に考えることであり、顧客の声を聞きながら自らのパーパスとかビジョンに事業の方向性に則ったプロダクトアウトの思考も加えて意思決定であると考えてる。

顧客の理想に寄りすぎて自分らは赤字垂れ流しというのはもちろん続いていかないので、一時期的に良い価値を提供してても本当の意味で顧客の理想ではない。こちらの理想も含めて顧客の理想を作っていくのだ。

また、極端な話でみんながみんな顧客の声に迎合しすぎるとどうなるかというと、競合サービス含めてみんな同じものを作るようになってしまい、結果として差別化要因もなく企業やサービスの存続価値などがなくなってしまうとも言える。
顧客の声を聞きながらビジョンやミッションとも照らし合わせたサービス開発を行うことでそのサービスらしさが生まれてくる。

例えばオンライン英会話教室を例に挙げる。
実はこの業態はスポーツジムと似ているのだが、毎日は利用しない会員や幽霊会員で成り立っていると言える。
既存の顧客寄り添いすぎて顧客が定着しすぎる(毎日英会話を行う状態)と実は利益が圧迫され次のプロダクトへ投資できなくなってしまう。
そこで理想の英語学習を突き詰めるていくと、別に毎日ではなく週3回のレッスンと、レッスン前の自学習を繰り返すことが一番伸びるということがわかった。顧客にとって最も良い学習体験価値をサービス側から定義することで、先回りして自学習を行うための新規サービスなども立ち上げることができて顧客の理想に近いサポートもできるようになる。

本当の顧客とは誰なのか?

顧客の理想を主体的に自らの理想も踏まえて考えることの重要性についてはつらつら書いてきたが、ではどうやって顧客にある程度の理解をしてもらった理想を合意できるのか?という部分。

そこに対して本当の意味での顧客というのは誰か?という問いを投げたい。実際に接している顧客の声と、自社の方針だけでは本当の理想は突き詰められない。実は本当の意味の顧客というものがあるかもしれない。
そこで顧客理解を人間理解と置き換えてみると人間=自分と捉えることができる。理想は表面にはなく深層心理の奥底にあると思うので、他人には見せないことが多いし、論理的な整合性だけでは人って動かない。「あなたの言う事は本当によくわかる、ビジネスプランも言うことない、でもあなたから買いたくない」みたいなことってよくあると思う。
相手を解ろうとしてもそれはいろんな予測不能な外部要因に影響される。そうなると一番身近な人間でもある自分と向き合うことが実は顧客思考なのだと思っている。

例えば顧客のビジネススキルを高めるような学習サービスを売りたいとき。明らかにロジックでは役に立つ、顧客も欲しいというが実際買ってくれない。こういう時に自分と向き合ってみる。
昔の新卒の頃のポンコツな自分、根拠のない自信はあってプライドがあるが実力がない、そういう時に素晴らしい教材とかが欲しいわけではなく、実は応援したり背中を押して欲しかったりする。そういう売り方をされるとノーロジックで欲しくなる。

顧客理解、人間理解、行動原理、原理原則を貫いてみると一人一人の人間=自分と向き合うことが理解してくれる理想を突き詰める中でとても大事なんだと思う。

さいごに

色々書いてみたが、「顧客思考とは?」をChat GPTで検索してみた。
最近の記事で割と導入の部分で言葉の定義とかをChat GPTで確認するみたいな挙動をよく見るのであえて最後にやってみた。回答は以下。

顧客思考とは、顧客の視点やニーズを中心に据え、顧客が抱える問題や課題を解決し、顧客満足度を向上させることを目的とする経営の考え方です。つまり、商品やサービスを提供する側の立場からではなく、顧客が求めるものを提供するために、顧客の視点に立った戦略やサービスを展開することを意味します。
顧客思考の重要性は、競争が激化している現代社会において、顧客のニーズに敏感に対応することが企業の生き残りや成長に不可欠であるとされています。また、顧客満足度が高いと口コミやリピート購入などにつながり、企業のブランドイメージや信頼性を高めることにも繋がります。

まぁパッと見てみて至ってごく普通の内容だったので、自分の方が深く考えられてるなという確認ができた。笑
ちょうどここ数日ChatGPT4が盛り上がりまくってて、AIとはこれから必ず上手く付き合っていく必要があると思いつつ、人間も負けないように思考と実行を繰り返していく。
今回の「顧客思考」も大事なテーマなので、ChatGPTの進化に負けないよう、また定期的にアップデートしていきたい。

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