甘酸っぱい星の余韻<砂嵐に星屑>

砂嵐に星屑 著者:一穂ミチさん

うーん、一穂ミチさんが書く人生観に圧倒されました・・・。

先日、noteに感想を書いた「パラソルでパラシュート」に引き続き、登場人物の言葉から出る想いや感情の動きが手に取るように伝わってくる作品です。

今回、伝わってきたのは「第2話<夏>泥舟のモラトリアム」で
50代男性 中島の想いです。

ある朝、大きな地震が起こって電車が止まり、3時間半ほどの会社まで道のりを歩いていくことになり、中島は歩いている間に様々なことを想い巡らす。
まわりが今になって早期退職など「自分探し」を始めたこと、2年も口を聞いていない娘のこと。

途中にスマホが壊れて疲労は増す一方だがひたすら歩く。

通りすがりの人にアメをもらい、中島はある言葉を投げかけたいが・・・。

この問いかけたくなる気持ちが、とても理解できるのです。

最後に中島は無事に会社に着いたのでしょうか。
そして、歩いた苦労は報われるのか、を読んでいただきたいところです。

災害に遭った際にかけられるひと言ほど心強いものはないですね。
忘れた時にやってくる災害を肝に銘じます!


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