ポケモンダイパリメイク短歌連作「レポートを書く」

ポケットモンスターダイヤモンドパールを購入したので、貝澤駿一さんと郡司和斗さんと歌会をしました。
貝澤さんがTANKANESSに歌会レポートを上げてくださっているので読んでくださいね。


記事では最初のジム（クロガネジム）までの短歌を詠みましたが、そのあとも私はポケモン短歌を詠み続けていました。
ようやく殿堂入りを果たしたので、35首の連作にしました。



連作「レポートを書く」

いつだって　かがくのちからってすげー！　ね、関東（カントー）の友達とZoomする

ライバルじゃなくてともだち　一歩先走るお前についていくだけ

デフォルトの名前をそのままつけてやる　ありのままを認める育て方

洞窟のなかにも届いている光まだくだけない岩があるんだ

植えられたなやみのタネが取れなくてコロボーシの声すらうるさいよ

はねるしかできない君はうつくしい傷つけるのは簡単だから

いつか君は滝すらのぼれるようになる　長い下積み時代の先に

つかまえるはずが殺した　たいあたりして話したら何か変わった？

あの頃はにらみつけるとかたくなるしかできなくて雨を見ていた

よけられる敵をよけない　傷ついていいからこのやり方で生きたい

才能、こういうものの使いどき　わからないままいく目的地

マサキってやつ知ってるよ20年くらい前にもお世話になった

コロトック　君がうたえば眠るからずっと隣でうたってほしい

ポカンって音も立てずに忘れるよ　冒険じゃない長い日常で

この町にスロットはない　風営法とかがあったりするんだろうな

スロットはなくてもいいや　デパートでサイコソーダを買って休憩

目の前が見えないのは僕だけじゃない霧をはらえば見えてくる道

干上がった湖きっとコイキングは死ぬだろうロストタワーへ行かずに

あなをほる記憶のあなをほる先でどんな光に会えるだろうか

毎ターンあられに削られてく元気持ってたきのみは食べてしまった

凍傷もやけどの一部　リーダーが熱い人って良い暗喩だな

コロナ禍になったらそらもとぶなって言われてフタバで寝て過ごすのか

CMでいろんな街が流れてる冒険のダイジェストみたいに

ギンガ団アジトの潜入中なのにすやすや眠るやつがヒーロー

アジトには怪しいドリンク　人間のライフポイントは表示されない

パルキア　君が抱いてる苦しみをほどけるかわからないけど来てよ

大人でもチャンピオンロードで踊ろうよ　戻ろうとしても戻れない場所

先を行くお前をついに追い越してやっと来たのにまっくらな視界

目的地ばかり探して寄り道を忘れたことに気づいてしまう

行ってない町、道ぜんぶ未知だった　もりのようかんもちゃんと食べる

レベル上げするのはポケモンだけじゃない僕も勉強してから挑む

何回もひんしにさせた僕なんかになつくなよって言いたくなるよ

かいふくのくすりを山ほど投与して殿堂入りを叶えた夜に

またいつか薬なしでも勝ちにくる　冒険はまだ続くらしいし

何度でもポケモンマスターを目指した根ざした街で大人になっても