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依存の罠、日常の小さなきっかけ

こんにちは、心理士のなべたです。

この記事では、ハマっている行動のきっかけ、何があるとその行動をしたくなるのかを考えてみます。


引き金と行動

依存している行動から距離を置くには、その行動が頭に浮かぶような、あるいは、その行動をしたくなるような引き金を自覚することが大切です。

例えば、ギャンブルに依存している人が、仕事の後、イライラしているときにお金を持っていて、ギャンブルのことが頭に浮かんだとします。この場合、ギャンブルの引き金は以下のようなものです。

仕事の後
イライラ
お金

無意識にしている

いったん依存が形成された脳は、引き金と依存している行動をすぐに結びつけてしまいます。
何度も「引き金がある+その行動をする」ということを繰り返すと、たった一つの引き金だけで、依存する行動へと駆り立てられてしまうようになります。

車の運転のように多くの行動は、最初のうちは意識して行ないますが、慣れてくると無意識に行ないます。現在、依存している行動はどうでしょうか?無意識に行なっていませんか?

依存をやめるには、もう一度、意識して引き金を整理していくことが必要になります。

引き金は広がっていく

無意識に引き金が広がっていくことを説明した、歴史に残る有名な研究があります。それは「アルバート坊や」の研究です。

アルバート坊やは、ふわふわのネズミが好きでした。しかし、ある大人が、アルバート坊やがネズミを見てるときに、大きな音を立てて脅かすことを何度も繰り返しました。
そうしたところ、アルバート坊やは大きな音がしなくても、ネズミを見ただけで怖がるようになりました。

さらに、ネズミを怖がるだけにとどまりません。最終的には、ウサギや毛皮、ヒゲをたくわえたおじさんまでも怖がるようになったのです。

この研究からわかることは引き金は広がっていくということです。お酒に依存している人は、コンビニのお酒のコーナーの前を通るとお酒を飲みたくなります。それを繰り返していると、コンビニを見ただけ、玄関から出ただけで、お酒の欲求が生じるようになるのです。

依存の記憶は遺伝する

子どもたちは、親から依存の癖を受け継ぐことが分かっています。
例えば、親がアルコールやギャンブル、ゲーム、人間関係などに依存している場合、その子どもたちも同じように、これらの行動に依存しやすくなるということです。

私たちが、どうしようもなくハマってしまっている行動、気になってしまうものの一部は、もしかすると自分の先祖から受け継いだ遺産の一部なのかもしれません。

引き金の克服

依存している行動の引き金を克服する方法があります。引き金に出会っても依存している行動をしないことを繰り返すことです。

先ほどのお酒の例で言うと、お酒のコーナーを何度も通ってみることです。
機会あるたびにお酒のコーナーを通ってもお酒を飲まなければ、"お酒がなくてもやっていける!"となります。

このように新しい経験を積み重ねて、自信を育んでいくことが依存からの克服に役立つのです。


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