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「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」へ行ってきた

スコットランド美術館と聞いたとき、ふと昔の記憶が蘇りました。

イギリスへ短期留学をしていたときにスコットランドへも足を運び、ちょうど美術館があったので入ったそこが「スコットランド国立美術館」でした。美術館どころか美術品すらにも全く興味がなかったけれど、入場料が無料だったので「ここまで来たし入るか」のノリで入りました。

現地では作品のカメラ撮影がOKで、「気に入ったものを一つだけ記念に撮る」という謎ルールを自分に課して、1作品だけを写真に収めました。それがフレデリック・エドウィン・チャーチ作《アメリカ側から見たナイアガラの滝》。

フレデリック・エドウィン・チャーチ《アメリカ側から見たナイアガラの滝》
- スコットランド国立美術館にて

今回の東京での展覧会には素晴らしい作品がいくつも並んでいましたが、展示のラストを飾っていた本作《アメリカ側から見たナイアガラの滝》は圧巻でした。見たときには、思わず立ちすくんでしまうほど惹かれ、一瞬の瞬きすら惜しいほど引き込まれました。

小学生の頃、美術の授業が好きじゃなくて絵を描くのも得意じゃなくて、大きくなってからも美術の良さは分からなったです。けれどこの絵には刺さるものがありました。時を経て海を超えて見た絵画に、改めて心打たれるとは思っていなかった。

自分なりに考えてみました。なぜ《アメリカ側から見たナイアガラの滝》にこれほど心打たれたのか。

きっとナイアガラの滝の壮大さが、写真ではなく絵だからこそ伝わってきたのかなと思います。今にも音が聞こえてきそうな滝の水しぶきや鮮やかに浮かぶ虹、小さく描かれた木々や、はるか遠くに見える夕焼け。ゴツゴツしているはずの岩でさえも、些細なものに見えるほど小さく柔らかく描かれています。それら全てが合わさって一つの絵になり、自然の壮大さをありありと感じさせてくれたのかなと。

また、目を凝らさないと見えないのですが、絵の左上には2人の人が立っていて、彼らの小ささも見て取れます。訪れたことのないナイアガラの滝を画家の感性を通じて見ることで、迫力を感じられた気がします。

「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」へ訪れて、いつまでもワクワクや刺激を求める心を忘れたくないなとも改めて思いました。最近は仕事が始まって慌ただしい日々に忙殺され、ワクワクは週末だけで良いやと思っていました。しかし、大学時代に常に刺激を感じていたときは楽しかった。

スコットランドをはじめとして、海外へ行ったり自然を見たりしたときに感じた高揚感。これからもその高揚感や刺激を求める気持ちを大切にしたいと思わせてくれました。

またどこかで、この絵を見たい。そしていつか、ナイアガラの滝もこの目で見てみたい。

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