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政治家は芸能人じゃない

政治に興味ある若者は大抵白い目で見られる。

私自身小さい頃から政治に関心があったし、大学でも政治だけは真面目に学んだが、ツイッターやフェイスブックなど既存コミュニティ内でのSNSでは一切政治関連の発言をしたことがない。

メディアで"コメンテーター"の人たちは、「若者と政治の接点が少なすぎる」だとか「若者が政治に関心持てないのは時代のせいだ、腐敗政治の所為だ」みたいなふんわりしたことをよく言っているけれど、現代でいう腐敗政治は何百年も前から変わらないし、そもそもきっと世間で叫ばれてるよりも若者たちははるかに政治から近いところにいると思う。

区議会議員選挙の時期になれば、初めましてのおじさんやお兄さん、おばさんお姉さんが、「私はこの街が好きです!」と叫んでいるし、あらゆる媒体に政治家は登場している。
学校ではディベートやら倫理の授業やらで身近な政治話題が討論されているし、女の子の派閥争いなんて政治をまさに体験してるじゃない。

若者は政治から遠いんじゃない。世間が政治を難しいものと定義するから賢い人しか政治を理解できない、語ってはいけないと暗黙の了解を作り出してるんじゃないか。

そしてその賢い人は紛れもなく学歴を意味する。ヒエラルキーの中で上位にいないものは語る権利を与えてすらもらえない。勇気あるものが発言すれば知識ある人にこてんぱんに理詰めにされてみんな自信をなくす。政治は自分なんてお呼びじゃないのね、そうやってそっと扉を閉じる。

今日特に意味もなくTwitterを見ていると、小池百合子とのアレコレで一躍名前が全国区になったおときた氏の記事が流れてきた。

―より政治家を目指す人たちのすそ野を広げるためには、どんなことが必要だとお考えですか?
おときた:ありきたりですが、政治を身近にしていくことが重要です。私自身も最近バラエティ番組にも出演したことで、よく叩かれるのですが、そういう部分も含めて政治家を楽しそうにやらなければならない。「政治家になったら
芸能人に会えるんだ」「政治家になったらテレビに出られるんだ」といった明るいイメージも一緒に発信していく必要があると考えています。
クソ真面目なことを毎日ブログで発信しても政治家になりたい人は増えないでしょう。たまには美味しいものを食べてもいいし、家族と旅行に行ってもいい。そういうことを、批判を恐れずに発信していって「政治家って楽しいですよ」と伝えていきたいと考えています。


いろんな意見があるだろうが私はこの意見には全く賛同できない。政治家は有名人ではあっても芸能人でもなくタレントでもないのだ。

政治家という職業を知ってもらう機会数、ネットで言えばPV数を稼ぐという意味ではその手段も間違ってないだろうが有能な政治家を増やすという観点で言えばむしろ逆効果じゃないか。

おときたさんのこの考えがすごい間違っていると思うのは、芸能人の売名行為と政治家の売名行為は一緒であってはならないと思うから。
例えば知名度の低い俳優やタレントがめちゃくちゃクズだったりバカな一面を出すとバズって大人気になったりする。それは芸能人だから許される。芸能人は国の未来を決めないのだから。

近年は杉村太蔵やら上西小百合やら上記の方法で名前が売れた政治家(もはや侮辱的)が目立つ。そこでまた庶民は思う。"政治家はろくでもない。"

おときたさんの主張もわからないでもないが、そもそも政治家という職業の成り立ちからしていまの日本の政治制度はおかしい。

そもそも成り立ちからすれば政治家はなりたいからなるものではない。

庶民が頼むのだ、知識人や金持ちやカリスマ性のある人に。
お願いですから政治家になってください、国を導いてください、と。
この人になら私たちの将来を任せたい、と。

考えるべきは"高所得で楽で知名度まで得られる政治家にどうしたらなれるか"ではなくて、"どうしたら国を代表するリーダー達に政治家になってもらえるか"
そこなのではないのか。

田中角栄や伊藤博文、名だたる政治家の歴史を見ても思うが、異性関係やらクリーンかどつかなんて二の次であってまずは庶民に尊敬されるか、そこなんじゃないの。

政治家は芸能人じゃないんだ。

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