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外部研修受講者の中に“天才”がいた!

 累積納税額日本一の超大金持ちの斎藤一人さいとうひとりさんの本で書かれていた、歴史上の気に入っているエピソードがあります。

 「尾張の大うつけ」と呼ばれていた織田信長が、嫁の濃姫をもらうための挨拶として、「美濃のまむし」と呼ばれた斎藤道三を訪ねるのですが、その国越えの途中をひそかにうかがっていた斎藤道三は、織田信長があまりにだらしない格好だったため、「こりゃ、本当に大うつけだ。」と感じたのですね。

 ところが、翌日、本当の挨拶の時には、ビシッとした格好で、烏帽子を付けて織田上総介信長おだかずさのすけのぶながでござる。」と正式に名乗り、その落差にびっくりした斎藤道三は、一瞬にして、「コイツは、天才だ。」とわかったというのです。

 で、話はそれだけではなく、斎藤一人さんは指摘するのです。「天才は天才がわかるのです。」と。

 私は、この話が本当に好きで、先だって映画館で鑑賞した『ブルーピリオド』という東京藝術大学を受験する主人公をめぐる青春映画があったのですが、美術の予備校の場面で、主人公はそれまでにだいぶ訓練していたのにもかかわらず、初めて石膏画を描く別の受講生がいて、それをものすごく上手に描き、予備校講師に「石膏画を描いたのは何回目?」と聞かれ、「初めてです。」と答え、主人公は驚愕し、「コイツは天才だ。」と感じるシーンがありました。

 で、主人公は言うのです。「天才に勝てるのは、努力しかない。描いて描いて描きまくるしかない。」 このシーンは、大変好きでした。

 この度、私は、はっきり言って、かなり高めの受講料を取る「インストラクター養成講座」という外部研修を受けました。

 実は、私は、講師経験20年以上のベテランと言えば、ベテランなのです。ただ、受講する以上は、「絶対に元を取ってやる。」の気持ちで受けました。

 外部講師の講師歴は、私をはるかに上回る講師経験をお持ちでしたし、高い受講料の講座には、レベルの高い受講者が集うという話どおりの内容でした。

 どんな研修でも、受講する意味があるものですが、この研修は、受講者に助けられて、より一層価値を増しているというのが、ありありと感じられました。

 受講者のうち、外資系の営業から、この8月に大阪の本社の営業のトレーナーに転勤のうえ、異動して来たという人がいて、わずか異動して3週間で、東京のこの講座を、新幹線とホテル代を費やしてまで、受講する人がいました。

 自己紹介の開口一番から、この人はスゴいと思わせるものがありましたが、小手始めに、インストラクターの実技を、持ち寄った題材を元に、行い、撮影して、受講者同士で講評するというレッスンがありました。

 で、その人の内容が、本当に堂々としたもので、やや早口くらいのことしか指摘することがないくらい、パーフェクトな内容であり、その人が、「講義をやるのは、“初めて”です。」と言ったときには、心から驚きましたし、正直に告白すると、「これは“負けた”な。」と感じました。

 「天才は天才がわかる。」という斎藤一人さんの言葉のレベルまで、私は天才ではもちろんありませんが、それなりのレベルまで訓練を積んできた者です。

 でも、私には、一瞬にして、「この人は大変な素質を持った人だ。」とわかったんですね。映画『ブルーピリオド』の場面にもあったような瞬間でした。

 私は、ひねた人ではありませんので、その人に、「初めてで、あのレベルってのは、スゴすぎる!!」旨のフィードバックを、複数回、行いました。してみると、天才には直ちに勝てない私は、努力を重ねるしか残された方法はない! 私は、年はそれなりに食っていますが、まだ、ちょっとやる気は残っていますよ。

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