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フィンランド旅行記録No.5

夢見てた 真のととのい ここは空?

ほろ酔いのままHelsinki Market Squareへとふらり。フード類やお土産?の屋台が立ち並ぶ港の市場で、ちょうど昼時ということもあり、ランチ客でにぎわいを見せていた。ちょろちょろと眺めているだけで楽しくなった。

賑わうマーケッツ。いろんなフード出店があってワクワク

そうして酒が程よく抜けたタイミングで向かったのは本日最大の目的地Alaas sea pool
ヘルシンキ海に面したサウナとレストランの複合施設だ。
建物の中はとても美しく、ついつい見とれそうだったがそんな時間はない。

「本場フィンランドのサウナに入れる!!」の一心でスキップしながら服を脱ぎ捨て、水着へと着替えてシャワーへ。使い方が少し分からず困った顔をしているとイケメンの地元の兄ちゃんが助けてくれた。優しい…

シュッとしたサウナのエントランス。もう既にいい匂い
併設されているレストラン。優雅なランチタイムが過ごせそう

allas sea poolには合計5つのサウナがあるとのこと。室内に混浴サウナが2つ、外に混浴の小屋サウナがひとつ、そして男女別に1つずつ。それぞれ温度やサウナ
ストーブも異なるらしく、色々な楽しみができるようだ。

フィンランドでは、基本的に水風呂を介さずにサウナから外気浴で心を整えるのがポピュラーなスタイルらしいが、ここは25℃台の温水プールと、水温1桁の海水プールがあり、冷水による水風呂効果も楽しめる。

まずは一番広そうなサウナに入ってみると、室温は80℃台、湿度も基本的には40%〜60%前後とそこまで高くはない。
ただ、頻度高く投げ入れられるセルフロウリュの効果が半端じゃなかった。特に3分に一回くらいおばちゃん険しい顔で投げ入れるロウリュがめちゃくちゃ気持ちいいい。(どの国でもおばちゃんが全てを制すことはもはや言うまでもない)
それゆえに汗の出る量も多く、持続的なロウリュの熱に頭がクラクラする感覚に。
アロマは入っていないみたいだが、木の香りが心地良かった。

3棟に分かれたサウナ小屋と外気浴スペース

シャワーで汗を流したあとには外気浴。気温は15℃ほど、本来なら少し肌寒いはずだが、サウナがあまりに良かったため全く寒さを感じない。
ぴかぴかと輝く海に囲まれて、かもめのさえずりをBGMにそれ用のチェアに寝そべって空を見上げていると、夢か現実か、自分か宇宙かの境が分からなくなるような感覚になる。
これまでのサウナライフでも感じたことのない、至極のととのい。
もうこのまま帰ってもいいかも…と思うくらいに気持ちよかった。

ニッポンの いいところ教えて サウナ室

ちなみに、室温が低いのは、フィンランドではサウナがコミュニケーションの場になっているためらしい。
日本だと静かに黙って10分くらい楽しむのが一般的だが、初めての人とでも会話をしながら20分くらい佇むのが本場フィンランドスタイル。

そういった文化があったからか、日本人は私だけだったのもあるのか、同室していた人たちが話しかけてくれたのも嬉しかった。

「日本から来たんか!!わしも行ったことあるで!寿司とかラーメンとか、めっちゃ飯美味いよな!」
「北海道でスキーしたらアホみたいに楽しかったわ!!」

などなど、拙い英語でも会話を楽しむこともできたし結構日本に来たことがある人も多かったことに驚く。
フレンドリーというよりは、ちょっと様子を伺うように話しかける感じが日本のコミュニケーションの取り方と少し似ているのもあるのだろうか。なんとなく温度感が似ている気もした。

室内と室外を繋ぐ休憩スペース。いちいち綺麗で逆に落ち着かなかった

また、皆口を揃えて言っていたのが、ストレスフリーになれる、汗をかけるので健康的、ということ。
一年の半分くらいが冬のフィンランドでは、健康を維持するためにも汗をかくことを重んじているらしい。どの季節でも心身ともに安定させるためにもサウナが文化的に浸透してきたのだろう。人に優しく感じるのは、そういった安定したメンタルからきている余裕もあるのかもしれない。私も学ばないと…

向こう側には25℃くらいのプールがある。
普通に泳ぐ人もいれば、エアロビクスをする人もいて楽しげな様子だった

そんなこんなで結局2時間で5回、別々のサウナを楽しんだのだが、どのサウナもそれぞれの楽しみ方ができて、快感のその先にたどり着けた気もした。
(しかし長時間海パン一丁で両手足を投げ出して半眼で一人アウアウと唸るアジア人は、一体どのように人々の目に映っていたかは定かではない。)

燃えるように熱いサウナ室や、凍りつくように冷たい水風呂だけがサウナの楽しみではなく、心が安らぐ空間と一緒に交わす言葉の温かみ、そして制限のない風景が重なることで、また違うととのいにたどり着けるのだと思う。
街の真ん中で、賑わう海辺を眺めながら

手伸ばせばそこにデカい空 雨上がればかがやく町がほら
大丈夫さきっと迷わず行け  俺のことを待ってる奴らがいる
道は自分で切り開くもの だったら今がその時なんだbaby

『JUST』田我流

日常であれば急に知らない人から声をかけられるとビクッとしてしまうところが、なぜだかサウナだと快活に話しができる。
異国での一人旅、心細さによるストレスも有ったなか、誰となく話しかけてくれることがストレス解消になっていたと思う。
知らない人、知らない国、それでも通じ合える人間の温かさを感じられた瞬間だった。

ようやくサウナまで行けた初日。
ここから一体どうなるのか。
ただ既に旅行から2ヶ月半が経っているものの、まだ昨日のような鮮度で思い出せていることが救い。願わくば、記憶を塗り替えるべくもう一度いきたいものです…

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