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藤田真央くんのピアノ聴いてきた。

3月、80代の母に「推しのコンサートが近所である」と言われた。何ごとかと思ったら、大学同窓会の企画のリサイタルで聴いた若干20歳のピアニスト、藤田真央くんのソロリサイタルが練馬の文化センターであるのだという。

どうしようかなぁ、すごくよかったんだけど、チケットとるのは面倒なのかなぁ、ともじもじしているので「何を言ってるのだ、推しのコンサートが行けるとき行ける場所行ける値段で開催されているなら断固行くべきである、高嶺の花になってから後悔しても遅いのだぞ」と力説し、私がチケットをとってあげた。一人で行くのはなぁ、とグズグズしていたので私も同行することにした。

クラシックのコンサートなんか超絶久しぶりである。息子が小学生の頃に子ども向けのコンサートに連れて行って以来か(ちなみに彼は開始10分ぐらいですやすや眠り込んでしまい、最初とアンコールしか聴いてなかった。まぁこれも立派な鑑賞である。下手な人の演奏では、まず眠ることなんか出来ない)。

これでも子どもの頃にはバイオリンを習っていて中学ではオーケストラ部、ビオラで音大行こうかなぁと思ったことまで一度はあったのだが、腱鞘炎になったりして辞めた。どちらかといえばクラシックよりバロック音楽のほうが好きなので、派手めのショパンはさほど好みではない。自分ひとりなら絶対とらないチケットだ。

「なんだか、スッと来てサッと座ってパッと弾きはじめちゃうんだけど、すごいのよ」というよくわからない母の事前説明以外は何も知らずに練馬文化センターへ。実は4月に放送された「題名のない音楽会」にも出演していたらしい。14歳でCDデビュー、かの中村紘子さんが絶賛し、去年シニアとしては初挑戦の国際コンクールでいきなり第1位、いわゆる天才少年。今年20歳は息子と同い年なんだけど、まだあどけなさののこる顔だちで、欧米の人が見たら中学生ぐらいだと勘違いしそう。

コンサートは二部構成で、前半はドビュッシーなどフランスの作曲家の曲、後半がショパンだった。ドビュッシーはわりと好きなので、ザ・象徴派みたいな曲を楽しく聴いた。とはいえ、上手だなーという感じで普通にリラックスして聴いてたんだけど、二部のショパンが凄かった。いや、あれは確かに凄い。

母が言っていた通り、椅子に座るとタメの動作もほとんどなしにパッと弾きはじめてしまうのだが、一気に世界に入り込む感じ。かなり前方の、演奏家の手がよく見える位置の席だったので、これ難曲だなあ、というのは素人でもなんとなくわかる。ずっと見てたけど、腹のあたりから第三の手が生えてくるということはなかった…(←ピアノのコンサート行くとしばしば疑いたくなるやつ)。最後に弾いたショパンのソナタ3番は30分近い作品だけど、ショパンをこんなに飽きずに聴いたの初めて。空間を音符が満たしていくのが目に見えるようだった。

また、すごいな若いなと思うのが、この曲弾いて汗だくになったあとで、アンコール三曲も弾いてくれるんですよ…

最後の前奏曲は聴いたことがあって好きだから嬉しかった。すごいお得感。

今回演奏したショパンのソナタ3番が入ったCDが今月発売らしいので、母にも買ってあげよう。母を煽るために言ったことだけど、こんなに近くで演奏を聴けるのは本当に今のうちだけかも。付き合いだったけど、いいものを聴けてよかった。たまにはクラシックもいいなー。

この春はテレビアニメ「ピアノの森」の放送も始まったばかりで、これから若手のピアニストへの注目も集まるかも知れない。という意味でもタイムリーだった。母の推しのさらなる飛躍が楽しみです。

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