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DAVID BOWIE IS

さて、土曜日に行ってきたもう一つの展覧会のことと、先日立川でみてきたドキュメンタリー映画『ジギー・スターダスト』について。

私はデヴィッド・ボウイに関してはガチヲタではなくて、数枚のアルバムを持っていて、ものすごく好きな曲が数曲ある程度なので、大回顧展も行きたいけど混んでるんだろうなー、いつにしよっかなーって感じで様子見してたんですが、前の週末に、立川シネマシティで「ジギー・スターダスト」の極音上映会にいって、翌日にはもうチケットを予約してしまって、行ってきました、大回顧展

カネゴンと一緒に。

これは山本寛斎のメッセージ。

シネマシティでみた、ジギスタはほんとに素晴らしかった。細切れの映像はみたことあったけど、通しで、スクリーンで、しかもものすごく繊細ないい音でみられて本当によかった。

立川の極音はすごいです。センターのわりといい席とれたせいもあるかもだけど、目を閉じたら本当にライブ会場にいるみたいだった。

どれぐらいすごいかっていうと、私聴神経腫瘍ができてから、左耳の一部の高音域の音が聞こえてない。でも、およそ人の声の音域は失聴してないので、耳鳴りや多少の聞こえ辛さはあっても普段の生活上はさほど困ってないし、ライブとかも行く。

これが、極音上映会ではものすごく久しぶりに左耳がよく聞こえない、という感じを味わったんですよね。聞こえてはいるんですよ、でも右との違いがこんな風に気になったのは久しぶりだった。

ちなみに私は最寄り駅からはわりと遠いにも関わらずシネマシティ会員なんだけど、ここは年会費払っても二〜三回行けば元とれるし、極音だけじゃなくいろいろ頑張ってるので応援したい映画館。なんだかんだでよく観に行ってる。推してます。

話を戻しますと、私が洋楽を聴き始めたのは中学生ぐらいなので、デヴィッド・ボウイはすでに「ちょっとクレイジーで素敵なおじさま」枠のスーパースターで、戦メリの人。アルバムとしてのスペース・オディティは大好きだけど、70年代の若い日のボウイのことは詳しくは知らなかった。

今回初めて通しでジギスタをみて、デヴィッド・ボウイが優しすぎて泣いた。ロックンロール・スーサイドで「君は1人じゃない」「君は素晴らしい」と語りかけるボウイは、ほんとに美しくて優しかった。正直、こんな美しいひとを同世代として知ってしまわなくてよかった、と思うぐらい。

どんなにエキセントリックな衣装に身を包んでも隠しきれない美しさと、インテリジェンスと声。ハイティーンの頃に70年代の彼とリアルタイムで出会ってしまったら、まっとうな恋ができたかどうかわからぬ。遅れて生まれてきてよかった。

40歳をすぎてから、あーこれから先、生きる時間の方が、たぶん生きてきた時間より短いんだな、と思って愕然とすることがある。同級生やちょっと先輩ぐらいの若い友人の葬式の機会も増えた。それなりに自分が死ぬことについて、そこそこ真面目に考えるんですよね。

だけどジギスタみて、そっか、死んだらデヴィッド・ボウイのいる世界に行くんだな、と思ったら、なんか死ぬのがちょっと怖くなくなった。というぐらい、デヴィッド・ボウイは優しかった。

今回の大回顧展もまた、そういう展覧会だった。入り口で音声ガイドのヘッドフォンを渡される。通常私は展覧会の音声ガイドは好きじゃなくて借りないんだけど、この大回顧展については、展示物以上にこの音声ガイドが重要。音声ガイドというよりは、音声じたいが展示物なので、聴かないというチョイスはない。

要するに、展示物をみにいく、というよりデヴィッド・ボウイの声に抱かれに行く企画だ、と思って行くといいと思います。彼の声、彼のアートに全身包まれに行く企画。

展示はそれほど年代順にはこだわっておらず、ミュージックビデオなど少し人がたまりやすい場所もあるので、あまり見る順番にはこだわらず、ぐるぐる回遊しながらすいてるものを見ていくスタイルがいいと思う。マニアは直筆の歌詞や衣装をじっくりみてたら3時間でも足りないとおもうけど、トイレは一階のみ、退場後の再入場不可なのでご注意を。

若い頃のプロモーション用の映像とかが面白かった。演劇的にすごくちゃんとしたマイムやってたり。戦メリでもマイムのシーンがあったけど、リンゼイ・ケンプに師事してたりしてるんだから並みじゃないや。大学でベケットやらアルトーやってた仏文卒的にはワクワクする。

でも基本はひたすらヘッドフォン越しのデヴィッド・ボウイの声に溺れていた。喋りかた、笑い方、アルバムやMVだけ見てたらエキセントリックで難しい人に見えるかも知れないけど、とってもチャーミングだしユーモアのセンスがあって、謙虚な人だった。ずっと聴いてたいようなあの声

アルバム持ってて好きな曲も、映像つきで別アレンジのが聴けたりしてよかったです。最後のほうに大きめの部屋があって、ライブ映像を連続で流してて、立ち去りがたかった。なかなか出られず、ロックンロール・スーサイドを区切りにして出て来ました。

ネタバレになっちゃうから書けないけど、会場から出てきたとこにあるビデオは泣くので注意。っていうか私はchangeのとこと、ロックンロール・スーサイドの手書きの歌詞んとこと、ライフ・オン・マーズんとこですでに泣いてたんでトドメですが。なお展示室は全体的に暗いので、泣いても目立ちません。きーにーしーなーいー。

若干ぼったくり感はありますが、飲み物頼むとコースターついてくるし、とっくに昼ごはんの時間は過ぎててお腹も空いてたので、一階のデヴィッド・ボウイ カフェでランチしてきました。香草たっぷりのキーマカレー。

カレーとおなじお値段のホットサンドはこんがり焼けておいしそうではあったけどちっちゃいので、お腹すいてるならカレー、さほどでもなければホットサンドが無難かなという感じ。ビールやジントニックなどのアルコール類もあって昼から飲めます(ソフトドリンクと値段変わらない←当然飲んだ)。

グッズもいろいろあって目移りしましたが、目隠しグッズの缶バッジがダフリなく買えたのはちょっと嬉しかったし、これ欲しいなーと思ってたDAVID BOWIE IS STARING AT YOU SO WHAT DO YOU DO? が出たのも嬉しかったー。

帰り、少しのんびり品川駅まで歩いて、いい感じの橋も渡ったし、すごーく満足でした。好きなんですトラス橋。

会期も残り1ヶ月を切りました。客層もものすごく年代幅広かったし、マニアもちょっとかじった程度の人でも満足率高いと思う。まだの方は是非。ギリギリはまたリピーターで混むかも知れないけど、平日なら特にゆったり見れると思います。

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