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「本当はやりたくない」ことを「やりたい」と思ってしまう病に冒されている【山根洋士 「自己肯定感低めの人」のための本】

みなさんは心の中で「本当は痩せたい」とか「時間があったら読書したい」などの思いはありませんか?

「いつか」とか「仕事が落ち着いたら」やってみたいと思っていることって、たくさんありますよね。

でもそれは、多分いつまで経っても実現できません。

なぜならそれは、「本当はやりたくないこと」だからです。


実は、「やりたい」と思っていることが、心の底では「やりたくない」ことだった、というのはよくあることです。

今回は私自身の経験も踏まえて、そんな状態に気付き「本当にやりたいこと」に取り組むための考え方をご紹介します。

本当はこんなこと、したくない

私は前職時代、「仕事が落ち着いたら自炊して、運動して、ダイエットしよう」と思っていました。

しかし仕事が早く終わるようになっても別の予定を入れてしまい、結局痩せられることはありませんでした。

付き合いで飲み会に行ったり、勉強のために喫茶店で読書したり。

結局自炊や運動にかける時間はとらず、体重は増える一方でした。

毎日体重計に乗るという習慣さえも、定着しませんでした。


この時の私は、「本当はダイエットしたいのに、時間がない」と思っていました。

でもそれは本当でしょうか?

本気になれば、飲み会は断ればいいし、日々の通勤で歩くようにしたり、できることはあったはずです。

それでも何も行動しなかったのは、当時の私にとってダイエットは「本当はやりたくないこと」だったのです。


「やらない方がいい理由」が潜んでいた

私にとってダイエットが「やりたくないこと」だったのは、なぜでしょうか?

ここで、ダイエットすることのメリット・デメリット、ダイエットしないことのメリット・デメリットを、それぞれ考えてみましょう。

図解すると以下のようになります。

「ダイエットすることのデメリット」もちゃんと考えるのがポイントです。

詳しく見ていきます。

まずはダイエットすることのメリットとしては、健康にいい、見た目がよくなる、自分に自信がつく、などが挙げられると思います。

これと表裏一体なのは、ダイエットしないことのデメリットで、不健康、見た目が悪い(あくまで私の場合です)、自分に自信がなくなる、ということです。

一見すると、ダイエットは絶対にやった方がいいように思えます。


しかし、実はダイエットすることにはデメリットもあります。

自炊や運動には時間がかかる、食欲を我慢しなければならない、デブキャラとしてのアイデンティティを失ってしまう、などがあります。

ダイエットしないことのメリットはその逆で、時間がかからず楽、我慢しなくていい、デブキャラでいじってもらえる、などです。


こうして比較して考えると、ダイエットは絶対にやった方がいいものに見えていましたが、実はそうでもないことが見えてきます。

苦労して運動したり、食事に気を遣って改善したのに、周囲からは痩せて残念だと言われてしまうかもしれない。

こういった気持ちが「潜在意識」の中に入り込んでいて、気付かぬうちにダイエットは「本当はやりたくないこと」になっていたから、行動できなかったのです。


「本当はやりたくないこと」と向き合う

では、この「本当はやりたくないこと」とどのように向き合ったらよいのでしょうか?

このためには、「やりたいけど上手くいっていないこと」について、「上手くいくことのデメリット」と「上手くいかないことのメリット」を書き出します。

普通は「上手くいくことのメリット」や「今のままでのデメリット」は考えると思いますが、ここではその逆を重点的に考えます。


上述の私の例でいえば、「ダイエットが上手くいくことのデメリット」と「ダイエットしないメリット」を考え、時間がかからず・楽に我慢せず・相変わらずデブキャラとしていじってもらえる、ということが当てはまります。

この時に、何となく考えるのではなく、実際に紙などに書き出すのがポイントです。

パソコンやスマホで書いてもいいのですが、やはり手書きの方が頭を使う気がします。


ここに書き出されたことが、「やりたいこと」を阻害している理由です。

これらを見つめながら、「この理由を超えてまで本当にやりたいのか?」を考えます。

私の例の場合、時間をかけて、食欲を我慢して、周囲からいじってもらえなくなってでも、本当にやせたいのか?を考えます。


前向きに夢を手放すこと

この時に、「ダイエットをがんばる!」という結論ありきで考えてはいけません。

「ダイエットをすることは正しい」「痩せている方が正しい」という思い込みは一旦捨てましょう。

太っていても別に構わないし、食欲のままに食べたっていい。

少しくらい健康に悪くても、お腹いっぱい食べた方が幸せなんじゃないか、という視点で考えます。


ここで、「それだったら、ダイエットしなくてもいいかな」と思えたなら、辞めてもOKです。

これはネガティブな「諦め」ではなく、ポジティブに「夢を手放す」ことになります。

自分の潜在意識に隠れている固定観念や周囲の目によって、やりたくないことを目標として設定してしまうと、辛いことに取り組み続けなければなりません。

自分の中で「本当にやりたい」と思えること以外は、手放してしまっていいのです。


私は結果的にはダイエットに取り組むことにはなりましたが、今まで手放してきたこともたくさんあります。

将棋を勉強して、ネット対戦での段位を上げていきたいと思っていましたが、時間がかかりすぎると思いやめました。

ギターを練習して弾けるようになりたいと思っていましたが、練習時間や音楽への思い入れもなくなってきたため、手放しました。

将棋もギターも魅力的でしたが、「やらないメリット」を考えたときに、そこまでしてやりたいとは自分の中ではならなかったのです。


それでもやりたいことをやる

本当はやりたくないことを手放したところで、「本当にやりたいこと」はどのように探したらいいのでしょうか?

それは、自分が「本当はこうなりたい」と思っていることをいくつも書き出し、その中からやりたいことを探す、ということです。


例えば私の場合、前職を辞めるまではダイエットはやりたいことではありませんでしたが、仕事を辞めてコロナ禍になったとき、それが変化しました。

人間関係がガラッと変わり、デブキャラを維持する必要もなくなり、ダイエットに取り組む心理的・時間的余裕ができたのです。

「ダイエットをしないメリット」が少なくなり、ダイエットに取り組むモチベーションが一気に上がったため、2年で約20キロというダイエットを成功させました。

今回は詳細には触れませんが、ご興味のある方はこちらをご覧ください。


私の場合は他にも、勉強したことを発信したいからnoteやstand.fmの発信をがんばる、英語の情報もインプットできるようになりたいから英語学習をがんばる、などの目標を持つことが出来ました。

これらはどちらも、「やらないメリット」よりも、「やるメリット」が上回っていると感じたから、継続することができています。

今後他にもやりたいことが出てきたら変更するかもしれませんが、それも一つの「夢の手放し方」だと、前向きに捉えたいと思います。


「やりたくないこと」は手放して、「やりたいこと」に時間を使おう

今回は、私の例を踏まえて、「やりたくないこと」と「やりたいこと」との向き合い方をご紹介しました。

今回の内容は、山根洋士「「自己肯定感低めの人」のための本」を参考にさせていただきました。

こちらの書籍では、自己肯定感が低いと思っている人がやりたいことと向き合うための方法が詳しく書かれていますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。


人によってやりたいと思うこと、やりたくないと思うことは全然違うと思います。

また頭の中で思っているだけでなく、紙に書き出してみるだけでも意識が変わります。

ぜひご自身の「やりたくないこと」を手放して、「やりたいこと」に時間を使ってみてください。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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※サムネイルと途中の図表を友人に作成していただき、差し替えました。
ありがとうございました!(2022.07.15)

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