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オーストラリアの「警察証明」の発給申請、有料だけどオンラインでOKだった【ビザの話6】

オーストラリアのパートナービザ(サブクラス820)申請に必要な警察証明。前回の投稿では日本の警察証明の取得手続きについて書いたが、今回はオーストラリアの警察証明(ポリスチェック)について、日本の手続きとの違いなどを記録しておく。正直、オーストラリアの警察証明取得手続きのほうがスピーディーかつ簡単で、書類地獄のビザ準備においては非常にありがたかったという話。

なお、僕が警察証明を取得したのは2019年だが、手数料などはオーストラリア連邦警察の公式サイトから2022年現在の最新情報を確認して記載した。

オーストラリアには「連邦警察」と「州警察」がある

オーストラリアの警察組織は、ざっくり分けて2つ。オーストラリア全体を管轄する「オーストラリア連邦警察(Australian Federal Police/通称AFP)」と、NSW州やQLD州などの「各州の警察(Australian state or territory police)」だ。

パートナービザ申請の手続きに必要な警察証明は、前者「オーストラリア連邦警察」が発行するもの。ビザは国の省庁である移民局が管轄するものなので、国の警察証明が必要なのだ、と理解している。

そもそもパートナービザ申請要件が書かれたウェブページにも、「州・準州警察ではなく、連邦警察の警察証明を提出せよ」と親切にも書いてあるので、その通り手続きすれば間違いない。「Step by Step」のタブから、「ステップ2:書類を集める」→「キャラクター・ドキュメント」の項目で確認できる。

いざオーストラリアの警察証明を発給申請

オーストラリア連邦警察のウェブサイトに、くだんの警察証明のページがある。

1つ混乱するポイントとしては、ビザ申請のページには「Australian police certificate」を提出せよと書いてあるのに対し、リンク先の連邦警察のページ(上記)には「National Police Check」と違う書類の名称が書かれているのだ。ポリスサーティフィケイトとは、ポリスチェックとは何ぞや。

確認したところ、オーストラリアでは警察証明の通称が「ポリスチェック」らしいのでこれで問題なかった。わざわざ違う名前で呼んで不安にさせないでほしいところだ……。

ページの上のほうの「オンライン申請の資格がある人」の一覧には、「オーストラリア移住の目的(Australian immigration purposes)」もあるのでビザ申請目的の人もOKだ。

警察証明の気になる料金体系

日本の警察証明は無料で発給されるものだったが、オーストラリアの場合は有料で、料金は2通りある(金額は2022年現在)。ちなみに支払いにはクレジットカードが使えた。

  • 警察証明:42豪ドル(政府機関か個人からの申請)

  • 指紋&警察証明:99豪ドル(指紋も必要な場合)

僕が申請したのは「警察証明のみ」のバージョン。「日本の警察証明は指紋採取したけど…?」という疑問はさておき、結果的にパートナービザ申請ではこれでOKだった。

ポイント制でIDを提出

オーストラリア連邦警察の警察証明を取得申請するには、本人であるという証明のためにオンラインでID(のスキャンデータ)を提出する必要がある。各IDにポイントが割り振られ、最低100ポイント分のIDを提出しなくてはならない。

例えば、フルネーム入りのIDのうち以下のようなものが使える。もちろん全て英語で記載されたIDである必要がある。

  • 外国のパスポート:70ポイント

  • オーストラリアの運転免許証:40ポイント

  • オーストラリアの学生証:40ポイント

  • クレジットカード:25ポイント

  • 公共料金の請求書:20ポイント

これはほんの一例で、ポイント表にはたくさんのIDの例が掲載されている。ちなみに、ポイントは足りているとしても、公共料金はパートナーと共同名義契約にしておくと、ビザ申請の証拠書類の一部として提出するためにも便利だ。

手続きは全てオンラインで完結

「オンラインで申請する」という項目を選べば基本的に全てオンラインで申請が可能なオーストラリアの警察証明。だが、オンラインフォームの記入には意外と時間がかかったので、時間と気持ちに余裕のあるときに申請することをおすすめしたい。

というのも、過去10年分の居住地の住所を番地まで全て記入する必要があるのだ。引っ越しが多い人はげんなりすること間違いなしだが、ビザ申請の過程でも過去10年分の渡航歴やら居住地やらの情報は必要になるので、この機会に手元に情報を揃えてメモしておくといいだろう。

僕の場合、記憶に頼るのは限界があり、過去のEメールから通販サイトの住所変更履歴まで確認するはめになり、特にオーストラリアに来てからの引っ越し回数の多さを呪うばかりだった。住所はともかく、いつからいつまで住んだという期間がなかなかの難敵。何でも記録に残しておく習慣を持つべきだと少々反省した。

オンライン申請完了後、半日ほどで「申請完了確認」のメールが届いた。申請が受理されたということだ。ちなみにパートナービザのスポンサー(つまり僕のパートナー)も警察証明を提出しなくてはならないので僕の1日後に申請を行ったのだが、パートナーのほうはなぜか申請完了確認メールが数日後に届いた。そういうこともある、という覚書として。

ポリスチェックは郵送で届く

オーストラリアの警察証明は、申請後、3〜7営業日で自宅に郵送で送られてくる(2019年時点の情報なので現在は要確認)。これをまたスキャンしてビザ申請の際にアップロードするので、他のスキャンする書類もリスト化して、まとめてスキャンしたほうが漏れがないだろう。

届いた書類のタイトルは「National Police Certificate」で、ポリスチェックは本当にただの通称らしい(紛らわしい)。「Name check only」と書かれていたのは恐らく指紋採取なしということだろう。「No disclosable court outcome(開示可能な裁判結果なし)」とも書かれていた。

申請したタイミングは、結構ギリギリ

ちなみに届いたのは申請から6営業日後なので、予定通りに届いたことになる。

一応、AFPを信頼して予定通りに届くだろうという想定のもと、警察証明の発給申請はビザ申請の10営業日ほど前に行った。結果的にちゃんとビザ申請前に届き、ビザ申請と同時にスキャンした警察証明をアップロードできた(この時点で日本の警察証明はまだ届いていなかったのでオーストラリアの警察証明だけ)。

最大3カ月かかる日本の警察証明と比べ、オーストラリアの警察証明をオーストラリア国内で取得するのは簡単だった。有料とはいえ、オンライン申請で、黙っていても自宅まで郵送で届くのもありがたい。

パートナービザ申請に必要な書類は途方もなく多いので、何をいつまでに欲しいのか、何がどのくらい時間がかかるのかを調べ、逆算しながら用意すると良さそうだ。オーストラリアの警察証明は簡単に申請できすぐに手に入るが、あまり早く取得しすぎて古い書類を提出するのも訳ありのように見えたら妙なので、ビザ申請前の適切なタイミングで申請するのがいいだろう。

以上は僕の経験に基づく話なので、必ずオーストラリアの移民局や連邦警察の公式サイトで最新情報を確認してから手続きを。


◆日本の警察証明の発給申請の方法はこちら。


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