ママ友ですか?忘れられない銀座の寿司ランチ
去年、一時帰国した際に妹と銀座でお寿司ランチをした。
妹に会うのも、お寿司を食べるのも久しぶりだから、特別に贅沢して銀座。バリバリ働く妹は仕事が休みだったのでのんびりたくさん話せると心の底から楽しみにしていた。実際のところ、それはそれは楽しかったし美味しかった。それでもこの時の寿司ランチを振り返ると、思い出すのはカウンターに立っていた男性職人から投げかけられた言葉だ。
「ママ友ですか?」
確かに子どもがいそうな30代に見えるでしょう。仕事っぽいかっちりした服は着ていなかったし、ゆるくのんびり楽しんでいた。なにせ休みなので余裕があるように見えたと思う。なんといっても銀座でお寿司だしね!贅沢!
それで、彼は何を聞きたかったんだろう?
客商売だ。カウンターで他の客からも聞こえる距離だし、悪意を込めたということはないだろう。きっと彼は、平日昼間から銀座で女性ふたりでお寿司食べてる→金銭的に恵まれていて仕事はしてないんだろう→てことはおそらく子どもがいるのだろう→ふたり揃ってるてことは子ども繋がりのママ友だろう、と見たのだろう。うん、そう考えてもおかしくないよね。
それでもその時に私が受け取ったのは、「お金と余裕があっていいですね」といううっすら嘲を含んだニュアンスだった(わかってます考えすぎです)。
いや、ママじゃないです、子どもはいません。むしろ悩んでます。
いや、もし子どもがいたとしても、わざわざ関係性のカテゴリーを確認する必要あります?もしも聞くなら、仲がよろしいんですね、どんなご関係なんですか、で良くない?だって男性2人だったらパパ友ですか?って聞かないでしょ。
いや、今日は超特別出費です。働いてたので自分のお金です。正確に言うと今は仕事してないけど、もし家庭のお金でも何かあなたに関係ありますか?
頭の中では、売られた喧嘩は買いますとばかりに一瞬でファイティングポーズを構えていた。現実は、姉妹です!って笑って返したんだけどね。
こう書いてみると、物凄く普通の会話でしかない。でもね、自分ではどうすることも出来ない悩みに溺れてると、こんなどうってことない質問にさえ荒波が立つんですよ。ザバーンと。弱くなるんだな。
忘れられない銀座のお寿司の思い出でした。
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