ガラクタの恋
この平凡な日々の中で
ただ前を向いて歩く
そんな当たり前が
なんと困難なことだろう
僕は足を無くした子供みたいに
明日を夢見て泣きじゃくる
掌に納まるものなど何もなく
心はぽっかり空っぽだ
君の頬に触れたくて
伸ばした腕はガラクタで
からからと音を立てて
転がり落ちたのは両の目だ
真っ暗闇で彷徨う声は
誰の耳にも届きはしない
始まりがないものだから
終わりがなくて果てがない
僕の躰は錆だらけ
血の色は無色透明だ
嗚呼
君が見えなくて
なんて寂しい今夜だろう
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