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鏡餅

1月11日は、成人式でもあったが、鏡開きでもあった。我が家の鏡餅は、いつも、決まっている。干支のフィギュアが乗っている、パックされた鏡餅である。

本来は、高橋英樹さんのファン、となれば、越後製菓のはずなのだが、この購入担当は、家内であるため、決定権は私には無く、その時の、一番安いメーカーのものに、なる。

なぜならば、家内のこだわりポイントが、ポイ活と、クーポンと、節約だからである。この思想には、逆らえない。

鏡開きとなると、そのお餅は、だいたい、我が家では、ぜんざいになる。私は、甘いものは、本来苦手なのであるが、なぜか近年、食べるようになってきた。もう、歳なんだろう。

これは、家内が作ってくれた、ぜんざいであるが、作ったものの中でも、いちばん、見栄えがマシなものを選んで、私の目の前に置いてくれた。

ここで、心の中のリトルkojuroが小声で呟いた。

マシとは言っても、映えないねえ。

などと減らず口を叩いていると、家内の手が伸びてきて、このぜんざいは、一瞬で回収された。

私は、あっけにとられた。

家内が言った。

撮影が終わったんだから、あなたは、これね。

見栄えのいいのは、次女の目の前のデーブルに運ばれた。

心の中のリトルkojuroが、家内に聞こえないような声で、笑いつつ嘆いた。

どんだけ、軽くあしらわれてるんだよ.....。

まあ、味は、一緒だ。

たぶん。

食べ終わると、私には、もうひとつ、仕事がある。

この干支フィギュアを、飾り棚のてっぺんに、置きにいく。

今年の干支フィギュアは、最前列の、右から二番目に鎮座した。

昨年は、年末に、この飾り棚も、きちんと掃除をして埃を落とした。だが、なぜか、今年は、やらなかった。年末は、長女宅に集まったことも大きかった。

心の中の、リトルkojuroが、呟いた。

来年は、越後製菓を要望して、購入しようぜ。

ひとつ、人の世の.....。

まあ、いいか。

来年の鏡餅の記事のことなんて、ずいぶんと先の長い話だ。それこそ、鬼が笑うくらいに。

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