見出し画像

ホームラン

私は、アイスクリームが好きだ。どんなアイスクリームが一番好きかと聞かれたら、いろいろあるが、どれが一番好きかは、言えない。というか、全部が、好きだ。

だが、これは、言える。

どんなアイスクリームを、今まで、一番、食べたか。

それは、恐らく間違いなく、ホームランバーである。

幼少の頃から、小中高、そして、学生時代。結婚してからも。ずっと、不動のレギュラーメンバーだ。

そして、このホームランバー、あたり付きなのである。

実は、集めている。

一塁打、二塁打、三塁打と、あって、ホームランが、あるらしい。

いまだかつて、ホームランは、当てたことがない。

一塁打、二塁打、三塁打がセットで、一口、抽選に応募できる。

時代により、景品は、変わっている。

だが、最近になって、どうしても、欲しいものがある。

それが、これだ。

この、オリジナルペアTシャツである。

誰と着るかは、語らずともお分かりであろう。

家内と、だ。


実は、家内は、Tシャツが、好きではない。

外で、Tシャツを来ているのを、見たことがない。全て、シャツを来た上に、ポロシャツなのである。

私が、どんなに気に入った、高価なTシャツを手に入れても、絶対に、パジャマにしてしまう。

このあいだ、家内の手筈で手に入れた、3密Tシャツでさえ、全く興味がなく、パジャマ扱いである。


だからこそ、ホームランが当たったら、必ず、リンクコーデ(昔風に言うと、ペアルックだが)で、夏、外出することにしている。勝手に。

実は、家内に、その企てについて、話したことがある。

すると家内は、高笑いをしながら言った。

そんなもの、絶対に、当たらないって!!


その時、心の中の、リトルkojuroが、静かに呟いた。

コジ、必ず、当てるぞ。そして、着てもらおう。


私は、勇気を出して家内に言った。

当たったら、来て、外出してもらうね。


すると、家内が、ちょっと、きつい目で睨みながら、言った。

それは、当たってから、言って。


私は、怯んで、それ以上のことは、その時、言えなかった。

心の中の、リトルkojuroは、頭を抱えながら呟いた。

押しが、足りないよ。押しが。

そんなんじゃ、当たらないよ。


私は、それでも、当ててやると、心の中で誓った。



こうして、また、今週も、ホームランバーを、購入している。

きっと、明日は、ホームランだ。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?