修理
去年の12月9日。靴の修理をした。
雑然と、我が家に残された、長男の靴である。
靴の底のゴムが、剥がれてはいたが、なかなか高い靴と見えて、まだ、本体は丈夫なようだ。
靴の修理屋に持って行くと、一通り眺めて、
しっかりしていますね。靴底さえ変えれば、まだ、使えます。
今のご時世、それほど高くもない靴を修理して使う人が、どれほどいるだろうか。そう思い、値段を聞いてみると、6000円だという。
この金額ならば、もう少しだけ出せば、私が日頃買っている靴の、新品が買える。
ちょっと、思案した。
いつも歩き回るし、機材の設置調整、展示会の準備、かなり靴を酷使する。そういう理由で、私が買うような、ある程度安物の靴は、1年、もつか、もたないか、くらいなのだ。
修理代で、結構する……。
だが、修理して使うことにした。ただし、きっちり一年間は、使おう。そうすれば、修理する価値は、ある。
そうやって、使い始めた。
だが、今年、2020年は、未曾有の出来事が起こり、この靴は、期待の半分くらいも、出動出来ていない。
1年は、過ぎた。でも、まだ、使える。
では、使えるだけ、使おう。そして、できれば、もう1年、使おう。
靴を眺めながら、そう、思った。
久し振りに、靴を磨いておこうか。
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