大トロ
家内は、作ると言ったのだ。マーマレードを。どうして私が、マーマレードを欲しているかは、ながた師範の、この記事を読んでいただければわかる。つまり、私は、花粉症で、マーマレードは、それを少しでも軽減する効果が期待できるからなのである。
私は、ながた師範が紹介してくれた3策は、すべて、実行している。そして、それなり以上の効果を実感している。
ヨーグルトが好きだということもあり、毎日食する。その中に入れるマーマレードは、今は、ヨーカドーの、マーマレードである。
私自身は、一向に、この、マーマレードで、いいのだ。だが、このマーマレードを買う時、家内が、こう言った。
マーマレード、買うの?
もったいなんだよな。
チャチャット、作ってあげようか?
コジくんのために。
家内のこだわりポイントは、ポイカツと、クーポンと、節約である。私は、日頃、節約に関しては、ピリピリしながら生活しているのだ。
そこへ、この提案だ。
だからこそ、自家製のマーマレードが出来上がるのを、心待ちにしていた。
だが、1ヶ月しても、マーマレードは、材料すら、家にやってこないのだ。
いや、正確に言うと、材料は、あった。
これだ。
家内が、お風呂に入る時のお供の、みかんである。
なかなか、美味しいものを、選んでいるようだが。
そして、家内に、聞いてみた。
すると、家内が言った。
コジくん、何を言っているのかな?
このみかんは、みかんの大トロと言われていてね。
高いの。
マーマレードにするようなものじゃ、ないのよ。
心の中の、リトルkojuroが、笑いながら呟いた。
単に、作りたくないだけなんじゃないの。
私は、結婚してこのかた、家内がマーマレード、いや、ジャムのようなものを作ったのを見たことがない。
心の中の、リトルkojuroが、疑うような声で、囁いた。
むしろ、本当は、作れないんじゃないの。
私は、ちょっと、家内を長い時間、見つめすぎた。
家内が、その雰囲気と眼差しに敏感に反応した。
コジくん、今、私のこと、疑ったね。
いや.....。いや、いや、いや.....。
ちょっとたじろいだところへ、家内が不適な笑いを込めて、言い放った。
まあ、待ってなさいよ。
い〜つ〜か〜、作ってあげるから。
すると、心の中の、リトルkojuroが、聞こえないような小さな声で呟いた。
これからも、ヨーカドーで、購入しよう。
我が家は、家内が笑っていれば、それで、みんな、幸せなのである。
これで、いいのだ。
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