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全力で推したい人【ショートショートnote_80/創作】

家内が私を追及するので、仕方なく、日曜日の夜に投稿するための、ショートショートの創作活動を、細々としている。

ショートショートノートカードゲームを使い、お題を家族に出してもらう。それをテーマに410字以内で、書く。

今回は、家内に、予めスマホのスロットアプリで選択していた以下の5枚から、お題を設定してもらった。

なんだか、あれしかないって、推測できてしまうな
やっぱり

それでは、本編にまいりましょう。

家内のお題から。

本編、「全力で推したい人」、約410字を、どうぞ。


☆    ☆    ☆

そらは、小兵こひょうだった。

ある部屋に入門し。稽古には邁進したが、一向に太らず、背も伸びなかった。




それでも努力の甲斐もあり、順調に昇進し。関脇、大関と、最短で出世していった。

だが。ひとりだけ、どうしても勝てない相手がいた。青鬼山せいきざんだ。


巨漢で、めっぽう強くて。69連勝を達成した。

宙も今場所は無敗。昇進をかけ、千秋楽に激突することになった。


昇進云々ではなく、是が非でも勝ちたい。






結びの一番、真正面からブチ当たり。全力で押しまくった。






すると、ジリジリと青鬼山のかかと後退あとずさりし、とうとう踵が俵に当たり。遂にはこらえきれず、土俵からころがり落ちた。


勝ったのだ!



取り組み後のインタビューでは、一言。宙には参りましたと、残した。



青鬼山は年齢もあり、そのまま角界を去った。恐らく、何かの故障を抱えていたはずなのだが、一切の言い訳もせず、未練も見せず、これ以上無い、見事な引き際だった。




宙にとっては、青鬼山は、永遠に、人として全力で推したい人になった。


☆    ☆    ☆


■追記■
面ゆるって、なに?
それは、これ。西尾さんはじめ、みんな、面白い作品をあげていて。
私は、だいたい土曜日の夜に、そこそこの過去記事をあげています。
もしも、お時間があれば、みんなの作品、読んで頂けたら幸いです。


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