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ショートショート_幸福

詩と暮らす詩人のような物静かな日々を暮らすのが夢の私ではあるが、肝心の詩作が得意ではない。というか、ほとんどできない。短い言葉に閉じ込めるイメージを膨らませるのが苦手なのである。いや、そもそも、創作自体が苦手なのだ。そんな私は、詩人になるのは、これから先、望むべくもないだろう。

さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、木曜日に出る。


そして、今回のお題は、「詩と暮らす」から始まる、小説、詩歌、エッセイということで。

そして、たらはかにさんからのお題は…。

表のお題が「着の身着のままゲーム機」で。裏のお題が「木の実このまま税理士」ということだ。

お2人の企画は両方とも、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃって。お題を出すだけでも、大変だと思うのである。

それでもお題を出してくれる。毎週。ほんとうに、ありがたい限りだ。毎週、励みになる。

また、今回は、たまごまるさんさんの、シロクマ文芸部作品を読んでみた。ちょっとその感想を述べてみる。

いい作品集だ。今回は、小牧幸助文学賞の20文字の小説を書く際に生まれた詩がこの記事で7作品書かれている。たまごまるさんの小説もエッセイも、そして詩も、珠玉のものばかりなのだが、ここにある詩もそうなのだ。読めば、ありありとイメージが湧いてくる。こういう、たまごまるさんの言葉の魔術の力を、ほんの少しだけ、分けてもらえたらなんて、思うのである。


さらに、小牧幸助さんが、新たな企画を出された。20文字で書く小説だ。小牧幸助文学賞という。シロクマ文芸部員のはしくれとしては、作品を出さないわけにはいかないだろう。

■小牧幸助文学賞投稿作品③■

幸福を呼ぶという詩は、涼と泉に守られた。


心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。

せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉と、たらはかにさんの裏表のテーマ、3ついっぺんに書く荒技。まして、シロクマ感想文まで、そして今回は、小牧幸助文学賞まで手を出す5重の荒技。あまりにもやりすぎじゃないかな。


うむ。


これで何週間だろうか。まあ、続けられるだけ、続けるさ。とは言っても、小牧幸助文学賞は、11月30日までなので、5重の荒技は、今回で終わりだ。


心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟つぶやいた。

なんだか、悪ガキだな。


まさに。

そしてもう一度、心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟つぶやいた。

家族からのお題は、バックアップで書いたの?

うむ。少しずつね。でも、それを投稿する機会がなくなってしまったかも知れない。

さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「幸福」約410字を、どうぞ。

☆         ☆         ☆

詩と暮らす静かな人物の部屋は、郊外のアパートだった。



2階まん中の202号室。1階と3階は既に工作員が詰めていて。今まさに両脇の部屋を制圧にかかろうとしていた。



201号室にはゲームに興じる男性。少し脅したらパジャマ姿でSwitchを持ち裸足で出てきた。

203号室には真面目そうな女性。甘栗を口いっぱいに頬張ほおばりつつZoom会議で納税指導をしていたが、脅すとブルブル震えながらその場にうずくまった。




いよいよ工作員が集結し、それぞれの持ち場から詩人の部屋に突入しようとしたその時、確保されたはずの男女がやにわに動き出し、照明煙幕弾を炸裂させた。




ボンッ!




詩人はその音に驚き、カーテンを少しだけ開け外の様子をうかがうと、涼と泉が会釈をした。


工作員達は既に確保された後で。まるで何事も無かったかのように静寂が戻った。





詩人はまた机に向かい、目をつぶり詩作にふけり始めた。





悪の枢軸に狙われるほどに、幸福を呼ぶ詩とは、いったい、如何なる詩なのであろうか。


☆         ☆         ☆

■追記■
面ゆるって、なに?
それは、これ。西尾さんはじめ、みんな、面白い作品をあげていて。
私は、だいたい土曜日の夜に、そこそこの過去記事をあげています。
もしも、お時間があれば、みんなの作品、読んで頂けたら幸いです。

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