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小説『たとえば君が売れたら』

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1968年に起きた、 東京、府中の三億円事件をご存知だろうか。 恐らく、事件のことは誰でも知っている。 だが、真犯人が実際は誰だったのかは、 本人しか知らないことだろう。 作品と…
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2020年8月の記事一覧

『例えば君が売れたら』2、指輪の王子様その①

『例えば君が売れたら』2、指輪の王子様その①

彼とはその後すぐに連絡先を交換し、毎日連絡を取り合っていた。

「おはようございます」「バイトがんばってね」そんな他愛もないやり取りが続いたけれど、彼と会う日はまたすぐにやってきた。
忘れもしないあの蒸し暑さと5月。

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『たとえば君が売れたら』1、夢で逢えたら

【まえがき】
1968年に起きた、東京、府中の三億円事件をご存知だろうか。
恐らく、事件のことは誰でも知っている。だが、真犯人が実際は誰だったのかは、本人しか知らないことだろう。
作品というのは、フィクション・ノンフィクションを問わない。
わたしも、過去の出来事をこうして小説にして、精算したかっただけだ。とでも言っておこうか。
もしかしたらあの人の事かも、と信じてくれる人がいて、上手く書かれたただ

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