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ソーシャルリスニングを深める3つの言葉たち

みなさん、こんにちは。ソーシャルリスニングBlogです。

今回は、ソーシャルリスニング分析を進めるにあたり、分析を深めるために必要な3つの言葉(フレーズ)について取り上げてみたいと思います。

数字を追うだけのソーシャルリスニングではなく、質的な深掘りを意識するソーシャルリスニングを行う場合、その分析を深めるにあたって「対話」をすることが重要、という記事を以前に挙げました。

以前の記事でも簡単に触れているんですが、分析を深めるための対話をどのように形作ることができるのだろう、というのが気になりませんか?

分析を深める対話を再現性のある仕組みとして扱いたいですよね。たまたま今回は議論(対話)が深まった”いい感じの分析会”だったよね、とかでは業務としてはちょっと困ります。

そこで今回は、分析を深めことのできる対話をどのように仕組みとして再現できるかを考えていきましょう。

そもそも分析が深まっているとはどういう状態?

まずは、「分析が深まる対話が出来ている」とはどういう状態を指すのでしょうか。

個人的には、以下の3種類のことが発生していたら、それは「分析が深まっている」「いい分析会ができている」と呼べるのではないかと思っています。

  1. 相手の発言にインスパイアされて、全く別の考えが浮かんでくる

  2. 相手の発言を聞いているうちに、その内容をさらに深める視点を思いつく

  3. 相手に話をしているうちに、自分の考えの別の側面に自分で気付く

こういう他の人との相互作用みたいなことが起きる分析会は、ひとりでウンウン考えている作業では触れることのできない視点・アイデアや、思いも至らなかった深さに到達することができたりします。

ダメな分析会ってどういう状態?

一方で、分析会の中でまったく分析が深まっていないというのは、上記の相互作用が埋まれていない状態なのだろうと思います。

具体的にイメージすると、こんな感じ。

  1. 各メンバーが個人作業で考えてきた内容を発表するだけ

  2. 不明点を明らかにする質問以上のコメントがない

  3. 誰の意見がよりベターかの決議や、お互いの意見のパッチワークをしている

このような内容の分析会でも、全員が発言をしていますし、コメントもある程度交わされていて、結論やまとめ的な成果物も残ります
一見、分析会として十分なパフォーマンスを発揮しているように見えますが、実際には個人ワークをくっつけ合っただけとも言えます。

魔法の言葉たち

じゃあ、この一見ちゃんとやれていそうで実はダメな分析会をどのように避けることができるのか?
または、しっかりと分析を深められている”イケてる分析会”をどのようにデザインすることができるのか?

個人的には、以下の3つの言葉を分析会の中では意識するようにしています。

  1. 聞いてて思ったんだけど、〇〇〇ってことも言えるのかも

  2. つまりそれって〇〇〇ってことなのかもね

  3. あーさっき自分が言ったことは〇〇〇なんじゃないかと思ってきた

これらの言葉を分析会の中で意識することで、上で触れた「分析を深めている状態」をある程度のレベルで意図的に生み出すことができます。

「頑張って分析を深めよう!」とどれだけ意識しても具体的な仕組みに落とさないと、たまたま出来たり出来なかったりを繰り返すだけです。
これらの言葉たちを意識的に注目する・意識的に使うことがどのような効果を生むのか、見ていきましょう。

【効果その1】目の前の分析会がイケているのかの判断基準になる

冒頭でも触れたように、分析を深めている「イケてる分析会」は3種類の相互作用が生まれています。つまり、参加メンバー同士のやり取りの中に、上記の魔法の言葉たちが必ずでてくるという事です。

逆を返せば、これらの言葉が発せされていない分析会というのは、相互作用によって分析を深めるステップを踏めていない、という事も言えます。

そのため、分析会の中での会話にこれらの言葉がどのくらい発せされるのか、という点が、そのままその分析会で分析を深められているのか、の基準になるということです。

【効果その2】意図的にこれらの言葉を使おうとすることで分析を深める行動が促進される

また、取り交わされている言葉を観察するだけでなく、自分自身がこれらの言葉をどのように発していけるのかを考えることが、そのまま分析を深めていく効果があります。

「相手の発言のどこかに、新しい視点のヒントになる事が隠れているのではないか」
「相手の発言をさらに突き詰めていくと、どういう事が言えるのだろうか」
「自分の考えの中にまだまだ気づけていない側面があったんじゃないだろうか」

魔法の言葉を意識する(意図的に使おうとする)ことで、これらの思考が触発されるはずです。

抽象的な取り組みを仕組み化する

「魔法の言葉」と言うと、”ちょwwえせ科学キタ――”とか”前時代的な精神論乙”のような印象を持たれるかもしれませんが、人間が意識的に行うことが難しい抽象的な(思考)作業を、言葉というガイドラインを設定することでハックし、目的に適した働きを促進する効果があるんじゃないかと思います。

「今回はいい感じの楽しい分析会だったなー」や「なんか、お葬式みたいな分析会だったよね」と感じることは多々あっても、結局は「よし次回は楽しい分析会にしよう!」と決意を新たにするまでで終わってしまっては、偶然と属人性に依存した分析会の設計になってしまいます。

今回ご紹介した言葉を使って分析会参加者の思考をハックすることで、より実りの多い分析会ができるようになることを期待しています。

おわりに

最後までありがとうございました。
今回のテーマは、ソーシャルリスニングを行う上で非常に重要な内容ですが、もしかすると広い範囲でも適応できるのかなと思っています。このブログを読んでいる方は、何かしらリサーチとか分析とかに関心のある方だと思いますので、少しでも何かの参考になれば幸いです。

ちなみに、上記の魔法の言葉ですが、一言一句変えずにそのまま復唱するということは自分自身もしていません。具体的なワードチョイスや言い回しは場面場面で変わるはずです。
この3種類の趣旨の言葉を意識するということが大事ってことですね。

では。

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