歌詞に意味があることに気づいた日
中学生の頃、福耳の「DANCE BABY DANCE」を聴いて、もしかしてこれってちょっとえっちな曲なんじゃないかと思った。
すると、これまで聴いてきた曲にもどうやら歌詞に意味があるっぽいことに気づいた。
さて、意味という言葉にはいくつか意味がある。まず辞書を引いて言葉の整理をしてみよう。
この記事でいうところの意味は①だと理解してほしい。意図や意義ではなく、一番単純な文章の内容ということだ。
もちろん歌詞カードの存在は知っていた。いくつかの曲の歌詞も覚えていて、実際に歌えた。ただ、それは声という楽器を鳴らすための楽譜であって、通常読み書きする言語のように意味をなしているとは気づいていなかった。そもそもそういう発想がなかった。コロンブスの卵のようなものだ。
まるで論語を素読するように、小学生の私はスキマスイッチを歌っていた。失恋を引きずってる話ばっかりじゃねーかと気づいたのはもう少し大人になってからだった。
それから歌詞の意味に興味を持つようになったのかといえば、そうではない。そもそも曲を聴いても歌詞の意味までは一度に入ってこない。落ち着いた状態で歌詞を黙読してようやく言葉として理解できる。
曲を聴きながら歌詞の意味を考えようとすると、
1. まず曲から人間の声を抽出し
2. それを文字にして
3. 意味を理解する
という脳内プロセスを経ないといけない。それはもはや曲を聴いているとはいえない。
「歌詞に意味がある」という世界の真実に気づいた私だったが、それ以降も特に何か変わることもなく、なんとなくのノリで曲を聴いている。イイね!と思ったあとに歌詞を見て「ああ、こういう意味なのね」と思うが、あまり真に受けていない。
歌詞の意味に拘らずに好きな曲を探していった結果、美少女ゲームソングにたどり着いた。
いい曲だ。歌詞はよくわからない。
70年代80年代のディスコミュージックにもたどり着いた。
いい曲だ。歌詞はよくわからない。
でも時々「この歌詞いいなぁ」と思ったりもする。
私は夏の星座にぶらさがったこともないし、上から花火を見下ろしたこともないが、なんかいい感じ。
ということで、私みたいな体験をしたことがあるという人はコメント欄で教えてください。
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