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通貨のしくみと、日本でもビットコイン「貨幣」に認定!

ビットコイン、「貨幣」に認定 仮想通貨法規制案を閣議決定 :日本経済新聞

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGC04H01_U6A300C1MM0000/

「政府は3月4日、インターネット上の決済取引などで急速に市場が広がるビットコインといった仮想通貨に対する初めての法規制案を閣議決定した。仮想通貨が「貨幣の機能」を持つと認め、オンライン決済などにも利用可能な公的な決済手段に利用できると位置づけた。仮想通貨の取引所を登録制にして監督強化することも盛り込んでおり、利用に弾みがつきそうだ。今通常国会で資金決済法を改正し規制案の成立をめざす。...」

本来なら1面トップのはずの記事だと思いますが、当局のごにょごにょで小さくしてるんでしょう。

通貨の仕組み

まず、お金という概念についておさらいしていきます。ご存知の通り、皆さんが普段から普段から大切にしている1万円札や、500円玉そのものには価値がありません。1万円はただの紙切れですし、500円はただの銅のかたまりです。

では、なぜ1万円札を支払うとその対価としてモノやサービスを手に入れることができるのか?それは皆さんが、1万円の紙切れを価値のあるものだと「思い込んでいる」共通認識があるからです。その思い込みを一般的に「信用」と呼びます。

では、なぜ多くの人がただの紙切れや銅のかたまりをそこまで信用できるのでしょうか。それは、紙幣を貨幣を発行している中央銀行ひいては国を信用しているからなのです。政府のマネジメント能力が低い国の通貨は信用できないので安く評価されますし(極論、国が倒れたらただの紙切れなので)、特に国力の強い国の通貨(つまり米ドル)は、一般的には高く評価されます。

ここで抑えておきたいことは、①お金は「それに価値があるという共通の思い込み」があってはじめて成り立つこと。②現代社会では、人々は無意識のうちに貨幣価値の裏付けとして「国を信用している」ということです。

ビットコインって?

ただ、いきなり通貨発行者(現代では国家)が、「この紙が今日から1万円の価値になるから、よろしく!」と言ったところで、皆が信用するはずがありません。

国が人々から信用を得る以前は、希少価値のある(採掘できる総量に限界がある)「純金(ゴールド)」を信用の担保としていました。いわゆる兌換紙幣(同額の金貨に交換することを約束した紙幣)という仕組みです。

人々からしたら、紙切れを持っていけば、いつでも希少価値のある金と交換できるわけですから、「まあ、この紙に1万円の価値があるっぽいよね」と信用できたわけです。

通常のお札、つまり日本銀行券は日本国の信用と引き換えに日本銀行が発行する、不換紙幣(金貨との交換を保証しない紙幣)です。勿論米ドルもユーロも世界の通貨は不換紙幣です。つまり今の通貨は不換紙幣ということです。

一方で、ビットコインのシステムには国や政府といった通貨の信用を裏付けする役割を果たす機関が存在しません。

通貨を使用する人々が、国のような信用する先を持たないという状況下で、一体ビットコインはどのように信用を担保しているのでしょうか?。なお、電子マネーは流通元の会社が信用を担保しているわけですが、ビットコインではそのような機関は存在しません。そもそもビットコイン自体は会社ではなく、単なるコンピューターの文字列です。つまり、「aa00n4d65k6sjdlcc」みたいな人間には意味不明な数字と文字の羅列です。

なぜ人々はビットコインを貨幣として信用しているのか?この部分が分からないと、ビットコインってなんか、突然なくなったりする怪しいネット通貨?みたいな掴みどころない正体不明よくわからないみたいなことになります。

もともとオタク達の勲章であったビットコイン

ビットコインの構想は、2008年にサトシ・ナカモト(中本哲史)という正体不明の人物の論文により発表され、その後世界中のハッカーやアナーキーなオタク達により作り上げられました。(政府を介さない通貨の誕生というコンセプトがハッカーのヲタク心に刺さったようです)

ビットコインの特徴は、P2P(コンピュータが専用のサーバーを介さないで、接続されたコンピュータ同士で直接やりとりを行うネットワークシステム)で取引をされている点と、金や銀のような鉱物と同じく、採掘(発行)できる総量に限界があるという点です。なお、P2Pは知る人ぞ知る、違法アップロードソフトや違法動画とそれにコンピューターウィルスがひっついて広まった、WinNyやShareなどのファイル共有ソフトでもう有名です。

まず、P2Pの取引ですが、この形態を取ることにより、ビットコインは銀行などの仲介機関を通さず取引を行うことができるので、決済手数料を破格に安く抑えることが可能になります。国際送金手数料や為替手数料の削減に一役買うと騒がれているのはこのような特徴があるからです。

また、先述したようにビットコインは無限に発行されるわけではありません。ビットコインを手に入れる方法は2つあり、1つ目は全世界50以上ある両替所で円やドルといった実際の通貨と交換する方法。2つ目は、新たなビットコインを採掘(mining)と呼ばれる作業(数学的に難しい問題を解く)を通じて自ら入手する方法です。

金や銀と同様に採掘できる総量には制限があり、最高でも2100万ビットコインしか掘り起こせない仕組みになっています。なお、2013年11月時点では約1200万枚のビットコインが発掘されています。2020年には90%、2040年までには100%が採掘される予想(あくまで予想です)。

また、採掘作業が進むにつれて、新しい金を掘るために地中深くまで採掘作業を行わなくてはならないのと同様に、ビットコインの残量が少なくなるにつれて発掘(つまりコンピューター計算)のハードルが上がるシステムになっています。

ここで確認しておきたいのは、初期のビットコインは、サトシ・ナカモトの構想に共感したアナーキーなハッカーやオタク達が発掘作業に参加し、その労力の見返りとして受け取っていた対価がビットコインであったということです。いわば、ビットコインは、オタク達の勲章であり、ハッカー達が構築したネットワークは破られないとの信頼のもとに成り立っていた内輪のアングラマネーだったのです。

このようにごく一部のオタクユーザーが使用するアングラマネーであったビットコインですが、物珍しさと利便性に惹かれて徐々にオタク以外の人間がビットコインに注目し始め、その期待が加熱し、現在のような状況に至ります。

もちろん、個人投機家や機関投資家がこの儲け話しを見逃すわけもなく、ネットやメディアを通じてビットコインの高騰を煽る煽る....

徐々に多くの人がメディアに煽られ、「ビットコインってなんか価値がありそうだよね…」と思い込みはじめたのが現在の状況です。先述したように共通認識として「価値がある」と思い込んでいる(信用している)人たちの間では、ビットコインは相応の通貨として機能します。

大事なことなので、もう一度言いますと、ハッカー達が手間をかけて構築したネットワークは破られないとの信用のもと、一部のオタクの間で流通したアングラマネーがビットコインです。それを、オタク以外の人たちに「なんとなく」価値がありそうと思い込ませたところがミソなのです。

貨幣は例え貝殻でも皆が価値があると認めたら貨幣

これは、経済学の基本ですが、とにかく貨幣はどんなものにでも皆が価値を認めたら貝殻だろうが、石ころうが、ビットコインだろうが貨幣なんです。

マウントゴックスビットコイン消失事件

マウントゴックス社という、東京都に拠点を構えるビットコイン交換所が、2014年2月24日マウントゴックスは全取引を中止、数時間後にサイトが消去され同社は何年も発覚しなかった窃盗行為によって744,408ビットコインを損失し破産に至ったという事件を覚えておいででしょうか?。なおビットコイン交換所はマウントゴックス社以外にも数社あり、他のビットコイン交換所6社は、これはマウントゴックスだけの問題であると共同声明を出したという事件です。2015年9月、破産管財人は、顧客ら約2万4700人が届け出た債権の総額が約2兆6630億円になったと発表し、事件自体は捜査中ですが、進展があったという話は一つもありません。

怪しすぎる...

普通の感覚だと、実に怪しすぎます。その感覚極めて正しいです。しかも、これだけの騒ぎ(マウントゴックスビットコイン消失事件・未解決)が、あったのに?ですよ。確かに、これからはビットコインなどの仮装通貨の時代なんだと思います。それは、上で書いた通り、経済学の基本で、成り立ちはどれだけ怪しくても、皆が貨幣だと認め始めたら、それは貨幣なんだ、という極めて経済学の教科書で正しいことが実際にリアルに立証されたということなんです。例えどれだけ怪しくても

ビットコインも数学だけど、市場原理の経済の世界

このビットコイン(ネット上の仮装通貨)で、要は数学上の暗号化を施した単なる文字列なんで、数学上の時間がかかる問題を要は力業で早くどんな手(並列コンピューターや、科学技術計算で使われる日本最高のスーパーコンピューター京)を使ってでも、早く解いた者が勝ち、という、恐るべき競争原理の権化みたいな世界です。

バブル前夜の日本?

このビットコインの成り立ちやその個人投機家や機関投資家の煽り方、その後国会で資金決済法を改正し規制案の成立をめざすなどの一連の話を聞くと、バブルの頃の日本を思い出すんです。今株買っとかな損みたいな。自分はそんなものに躍されてどうする?と思います。なぜか...?

量子コンピューターってご存じですか?

今までスーパーコンピューター京でも1万年以上かかると言われていた計算が一瞬で計算が終わる可能性を秘めた量子コンピューターが、今はまだ赤ちゃんみたいな初期段階ですが、実用化されたのです。

商用量子コンピューター「D-Wave 2」の処理速度は既存のコンピューターと大差なし…Science誌に論文掲載

http://ggsoku.com/tech/d-wave-quantum-computer-flucked/

ちなみにこのScience誌というのは、医者の世界でも載ったらほぼ旧帝国大学(つまり、東大、京大、阪大など日本の名だたる国立大学医学部)の教授になれる可能性が極めて高い(白い巨塔ですから、それはなれないこともありますけれども^^;)、極めて価値の高い(これをインパクトファクターが高いといいます)雑誌です。

この量子コンピューターはまだ生まれたばかりなので、計算能力はまだスーパーコンピューター京の方が遙かに高いですが、計算原理が量子力学の重ね合わせの理論を使いますので、根本的に考え方が違います。順調良く開発が進めば、そう遠くない、ひょっとしたら数年後かも知れない近い未来に、1万年がほんと一瞬で計算が終わる夢の計算機が実現する可能性が、それも極めて高いということです。この計算原理の説明を始めると、さすがにこのノートの範囲ではもう無理です。この理解には、現在の高等数学全て(代数、幾何、三角関数、微分、積分、常微分及び偏微分方程式、複素数、対数、数列、有限・無限級数、発散と収束...もう書き切れないくらい^^;。とにかく全部です)、物理学(マクスウェルの電磁場方程式は基礎^^;)、化学、地学(焼き鈍し理論)、やシュレディンガーの波動方程式や場の量子論などの量子力学全て、アインシュタインの特殊・一般相対性理論は完全理解して当たり前、みたいなことになります。とにかく計算原理が全く異なるSFみたいな今までの計算機とは次元が違う超早い計算機が実用化されたのだ!ということです。

今は赤ちゃんみたいなこの量子コンピューターが立派に成人したら、ビットコインの採掘(つまり計算を早く解く)、こんなものは根底からひっくり帰るからです。何しろ一瞬で光と同じ速さで計算が終わるんですから。競争する意味がないんです(光より早いものはこの世界にはありません)。既にあのGoogleはD-Wave初期型の量子コンピューターをカナダのベンチャー企業から購入し、それを発展させるべくgoogle内でも開発を進めています(それも、量子コンピューターの理論を考えたのは、なんと日本の研究者です!)。また、量子コンピューターが実用化したら、現在の全ての暗号化は数学の難しい問題がコンピューターでも時間がかかるだろう、という前提で作ってあるので、もう意味をなさなくなります。ただ、量子暗号というまた別の暗号法も考えられているので、これで暗号はなんとか保てそうです(説明、超難しいので割愛します^^;)

今の日本はしたことない株やFX取引にいきなり手を出す親父?

自分的には、この新聞記事にある話は、詳細全く分かりませんが、感じとしては、競馬やパチンコぐらいしかやったことがなかった親父がいきなり、株式投資やFX取引に手を出して大やけどするような予感がするんです。やるんやったら全力できっちりやりや。損せえへんように損切りきちんとしてや、というみたいなのが正直な自分の気持ちで、やるなら、数学者、物理学者、経済学者、コンピューター技術者を含めた日本の総力を挙げて産学協同で全力でかかる必要がある、そういうことです。しかし、それよりももっと本当は、はっきり言えば、ありったけの国家予算を投入して日本は光の速さで計算できる国産量子コンピューターをとにかく世界のどの国よりも一刻も早く完全実用化する必要に迫られています。つまりビットコインを無効化してしまうんです。その先の世界がどうなっているかはもう分かりませんが、先行者利益で先に量子コンピューターを実用化した国が、国力よりも軍事力よりも何よりも強いという、なんだかSFのRPGゲームの世界観みたいな世の中が広がっている...そんな予感がするのです。核兵器の上を行く抑止力です。もうその頃には核兵器を無効化できる技術もできあがっていると思いますし。もう、東京オリンピックなんかしてる場合ではないです。これは日本以外の世界と時間との勝負です。数学が超得意な優秀な学生さん、自分みたいに医者になんかなってる場合ではないですよ!


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