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【読書記録】『辛口サイショーの人生案内DX』

流石は読売新聞「人生案内」の回答者。
寄せられる種々雑多な悩み相談に、軽快に答えています。

本書は新聞の人気連載を書籍化したもので、『辛口サイショーの人生案内』の5年半ぶりの第二弾。
私は第一弾の読者でも、読売新聞の購読者でもないのですが、ミシマ社の広告で目についたので読んでみました。

見開きページ右側が相談、左側が著者の回答という構成。
紙幅が限られている中での相談と回答は、文字も少ないのでするすると読めます。

相談の内容は些細なものから深刻なもの、内容も「人生」と銘打っているだけあって幅が広いです。
相談は相談者の手紙から、つまり文字から内容を捉えなければならないので、相談者が何に悩んでいるのか読み解く必要があります。
著者は、相談者が自分で気付いていない、あるいは気付かないふりをしている悩みの本質を見事に言葉で整理し、回答しています。

私はあまり人から相談されるタイプの人間ではないので、「こんなこと新聞で相談するんだ。」と思ったり、「それそんなに気にしなくても。」と思ったりしながら読み始めたのですが、藁にも縋るなんて言葉もあるように悩んでいる当人には切実な問題です。
本書の文章に慣れてくると、「ああ、そういう回答の仕方ができるか。」と著者の言葉の使い方にうなりました。

「辛口」とありますが、体験やユーモアを交えて、時には相談者に寄り添うあたたかいコメントもされています。
悩みは結局最後は自分で引き受けなければいけないものなので、同じような悩みを抱えている人は回答が足掛かりになるかもしれません。


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