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摂食障がいの克服94【読書とイギリス】

 私が育った環境は、比較的厳しいものでした。
 息子にしばしば、『お母さんなんでそんな何も知らんの?』と言われますけど、子どものころ禁止事項が多かったので、本気で知らないんだと思います。

 息子目線の事柄になるので、それでも輸出や輸入はひととおり知ってるけど・・と心で反発しています(笑)
 
 毎晩たくさんの夢をみていて、過去の友人が出てきて、よく一番最初に暮らしていた家が出てきます。昭和の時代だったので、エアコンもなかった。けれど、窓を開ければ、(都会に住んではいたのに)だいぶ向こうまで何もなかったから涼しかったんです。2階建てで、3Kに4人で暮らしていました。昔の畳なので、1畳が大きく、2階は6畳と8畳で十分広かった。それぞれの部屋という概念がなかったし、6畳あったキッチンもキッチン以外に機能していないのが嫌で、私が無理やりダイニングに変えました。カーペット敷きつめて、ダイニングテーブルを買ってもらったんです。和室でこたつで食べるより、椅子に座って食べてみたかった・・・。

 2階の手前の部屋を勝手に自分の部屋に改造もしました(勝手に色々してますね・・・)。ピアノがあって、勉強机があって、そこに、当時みんなの話題になっていた雑誌のりぼんの付録とか飾っていたなあ。

 そんな私の楽しみが、母がたまに買ってくれる本だったんです。
 本屋さんだけは定期的に行ってよくて、定期的に(1ヶ月に1冊ぐらいかな)、買ってくれたので、(マンガは禁止。りぼんは長い長い交渉を経て漸く買ってもらえた。もう高学年でしたけど)それで、ロンドンの寄宿学校が舞台となる小説を読んでいたんです。

 『おちゃめなふたご』シリーズです。パット(パトリシア)とイザベルというふたごちゃんが、寄宿学校に低学年で入学してから、高学年になるまでで、何冊か出版されていて、何度も読みました(私は1冊の本を気に入れば何十回も読むタイプです)低学年のころは何人もの女子生徒で1部屋、高学年になると、2人部屋が許されます。
 女子生徒たちは、ともに学び、ともに暮らし、また、たまに夜こっそりパーティーしたり。昭和な畳の部屋で、私はとてもそんな生活に憧れました・・・。親の禁止事項が多い家庭にいると、自由な感じに憧れるんですよね。今思えば、自由ばかりがいいことでもないんだけれど、私の育った環境は、禁止も多いけれど、だからと言って両親は忙しいため、結果孤独になる、というのが問題点。いえ、問題点を上げるとそれだけではないのですが、また暗くなってしまうので、・・・。

 『おちゃめなふたご』シリーズだけではなくて、後ふたつシリーズがあって、それも持っていたけれど、『はりきりダレル』と、今調べたら、『おてんばエリザベス』!持っていたと思います。懐かしいな。

 割と古い本みたいです。著者の方は、1897年にご誕生されていて、1968年に亡くなれているんですね。ということは、私が読んでいたころ、もういらっしゃらなかった方なんですね。本って素敵ですね。

 このおちゃめなふたごシリーズの生徒のみなさんが、集合する場所が、パディントン駅でした。

 今回、パディントンも通っていまして、懐かしいなーと写真を撮りました。(経由だけなので、周りに現地の方が移っているので、載せれないけれど)

 私は今も小説が好きで、読んでいると、その情景というか、絵が浮かぶんですよね。なので、おちゃめなふたごシリーズも、こういう廊下で、こういう教室で、こういうパーティーなんだろうなーとか。お部屋はこんな感じで・・・だとか。当時小学生でしたが、今もそれは変わりません。

 この小説、実写化したら、・・・みたいに勝手に考えたり。(私は現在、山本文緒さんと江國かおりさんが大好きです)

 それで、私は21歳の時に、ロンドンに行ってみたんです。
 パディントン駅に行ってみて、そうか、パットとイザベルはここで集合していたんだなーって。

 後、地元の本屋さんで、原書を買ってきました。
 それが写真の本です。

 以前書いておりましたが、断捨離で、たったひとつの3段カラボ以外の全部の家具も、ほぼすべての洋服も、靴も、食器も、本もビデオも(体操のビデオが50はあった・・・)手放しました。けれど、この本は今の家にも持ってきた。

 断捨離するとき、再調達できるものか、だとか、そういう基準はあったけれど、やはり想いも込められているんだろうな。一番大切なものは、息子の作品の数々で、今も大切にしていますが、そういうわけで、これらの本も大切にしていて、私はそういう感じでロンドンに行ってみたい、と小さなころから思っていました。

 小公女セーラも大好き。(この原書も買ってきた)。
 昔アニメでもしていましたけど、その声優さんたちが、映画版でもまったく同じ声で話されていて、映画も何度もみたなー・・・(これは大人になってからでしたが)。

 そういえば、おちゃめなふたごに、アルマという女の子が出てきて。
 食に憑りつかれてるんです。
 食べる、食べる。盗んでまで食べる。

 確か、アルマは病気だということが判明し、皆で和解するシーンがあった。
 そうか、摂食障がい(無茶食い症候群)だったんですね・・・。
 1900年初期(恐らく)に書かれた作品にも、先進国にはあった症状なんだ。もう一度読んでみようかな。

 単純ですけれど、禁止事項の多かった私の育った環境では、読書は、唯一の夢で、たくさんはまったシリーズがあります。

 大人になって、商社で働いていたときも、金曜には本屋さんに立ち寄って、1冊買って、週末読む、とか至福の時だったな。

 お酒は今は好きだけど、ほんと、大人になっても飲むってことがあまりなかったので、地味にソファで本さえあればよかったんです。

 商社勤めで、上司や同僚、またお客様とたまに外食して、たまにワインとか飲んで、そんな普通のOL(OL?)が、摂食障がいの沼に陥るとは、でしたけれど、旅行に行ってから、何だか心がぽかぽかして、やっぱり行ってよかったんだなって思います。辛いことって消えないけれど、なんとなくヴェールにくるんで深刻にそこの触れないように。それしかない。応急処置、それしかない。ずっとずっと辛さは消えないけれど、そこに直接いつも隣り合わせでいながら生きるより、脳の隅っこにいってもらえれば、それでいいし、それしかない・・・そう思うんです。

 旅行から戻って、今日の体重は54.4キロ。
 なんでそんなに増えたのか、それを考えたときに、書きたいことがあるので、またもしよろしければ、よろしくお願いいたします。

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