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海の上の国境

今回は以前に読んだ本を取り上げようと思います。いつものように長く書かずに、短く書こうと思います。今回、取り上げる本は山田吉彦先生の『国境の人びと: 再考・島国日本の肖像』です。この本は離島に住んでいる方々を取り上げている本ではなく、日本における離島の位置づけや安全保障について書かれています。この本で一貫して主張されていることは国境付近の離島を無人島にせずに人を住まわされるか、駐在させることが安全保障に繋がると述べられています。人がその島にいることが一番の安全保障だと書かれています。

日本は四方を海に囲まれていて、陸地で国境を接していませんが、海上に国境があり、その役割を担っているのが国境付近の離島です。国境付近の離島は交通の便が悪く、人が離れていきますが、安全保障の観点から無下にできる存在ではなく、そういった場所にこそ人を呼ぶことが地域の活性化だけでなく、安全保障上、非常に重要です。

ロシアが経済制裁の報復として、北方領土の交渉に応じないことを決め、尖閣諸島には中国が領海侵犯を繰り返しています。竹島に至っては韓国に不法占拠されています。日本は陸地でこそ国境を接していないものの、領土問題を抱えています。それ以外に対馬もその危機にされされています。離島問題から安全保障について考えさせられる本です。憲法問題から安全保障について書かれている本は多いですが、地政学的観点から安全保障について書かれている本はそこまで多くないので、非常に貴重な本だと思います。

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