入管法改正はそんなに酷いの?
はじめに
外国へ行くと必ず外国人専用の入国審査ゲートに通されます。入国審査時に何をしに来たのか、どれぐらい滞在するのか聞かれると思います。そこでしどろもどろしながら答えると怪しまれることもあります。入国審査というだけあって、その国に入国していいかどうかを審査されています。たいていの場合、日本人であれば、入国審査で引っかかることはありません。ビザのいる国でビザを忘れてしまったり、入国に必要な手続きを怠ったりすると入国拒否されるので行こうとしている国の入国条件を事前に確認しましょう。コロナが明けたときに羽を伸ばして外国へ行きたいですね。
今回は最近よく取り上げられている入管法改正です。多数のメディアは人道的理由から反対していますが、僕は外国人の権利は制限されるのが当然で、自国民以上に優先される必要がないと思います。こんなことを言うと反対派からは「この差別主義者が」と言われるかもしれません。入管法は自国を守るための法律です。自国民を守るために外国人の権利は制限されます。これは日本人が外国に行った時も同じです。反対派の唱えている人道的理由がいかに的外れであり、入管法の目的について書いていきたいと思います。
入管法改正の何が問題?
入管法の正式名称はは出入国管理及び難民認定法です。入管法改正の問題となっているのは、難民申請に回数制限を設けられたことと強制送還の要件と執行の緩和です。これだけ聞けば、人権侵害も甚だしいと思うかもしれません。そんなことはありません。入管法改正の背景には強制送還命令を拒否する外国人や不法滞在者の増加があります。外国人が日本に滞在するにはビザが必要です。その申請したビザの内容以外のことはその国で行うことはできません。学生ビザを取得しているのに働くことはできません(上限額が決められている場合はその限度内なら大丈夫です)。これは日本人が外国に滞在するときも同じです。ビザの期限が切れるとその国を出なければなりません。ビザ切れや滞在許可時と異なる目的で滞在すると、外国人が滞在資格を失うと強制送還されますが、現状、拒否することも可能で、収容施設に入ることになります。さらに、現状の入管法ではテロリストや重大犯罪人であっても、難民申請をすれば強制送還手続きがストップするという仕組みです。つまり、テロリストや重大犯罪人を収容施設であれ、難民申請期間中は日本国内に滞在させることになります。さらに収容施設からの脱走することもあり、不法滞在にもつながります。収容所のキャパシティーの問題や脱走のリスクと言った観点から法改正で強制送還を行いやすくしようとしているのです。
難民申請には、難民であることを示す書類(身分証明書等)が必要です。しかし、紛争下でそのようなものを持って来れずに他国へ難民申請をすることがあり、当初は人道的見地から身分証明書がなくとも難民認定をし、滞在資格を与えていました。難民認定審査の際に入国審査官は身分証明書を持っていない申請者の話を頼りに審査するしかありません。つまり、嘘を隠し通すことも可能なのです。テロリスクとはそういったことを悪用し難民認定を受け、その国でテロ行為を行うのです。ヨーロッパ(特にドイツ)では、難民を受け入れすぎた影響で、治安が悪化しています。本当に難民としてヨーロッパに来ている人もいますが、その中にテロリストが紛れていることもあります。紛れているテロリストがヨーロッパでテロ活動を行い、治安が悪化しました。さらにつまり、入管法改正は安全保障の一部なのです。
自国民優先は当然のこと
国の役割は自国民を守ることが最優先課題で、世界の常識です。日本人は日本国内での権利は十分保障されます。外国人は日本での権利の一部は制限されます。逆に日本人が外国へ行けば、権利は制限されます。これは憲法でも認められています。外国で長期滞在する場合は住所を登録しなければならず、住む場所がなくなれば本国に返されます。実際、僕もドイツで家を失いかけて、強制送還が視野に入りかけたこともあります。外国人が外国で住所を失うことはその国からするとリスクでしかありません。言い方を変えれば何をしでかすかわからないからです。それは外国にいる日本人も同じです。外国人は滞在している国に管理されなければならないのです。なので、外国でのパスポートの携帯が義務付けられているのはそのためです。自国民であれば、自国内で常にパスポートを持ち歩く必要なんてありません。
「人道的見地から難民申請が拒否されれば、強制送還され、本国で命を落とすのは可哀そうだから反対」というのは筋違いです。ヨーロッパで難民を受け入れすぎたせいでテロリストが紛れて、治安が悪化しています。建設的な議論をするのであれば感情論ではなく、どうすれば、紛れたテロリストを見抜けるかといった制度的な話になると思います。すべてを人権問題に置き換えるのは論点のすり替えとしか思えません。
難民申請だけでなく、ビザ申請で日本に在留するだけの理由を示す証拠がなければ拒否されるのは当然のことだと思います。むしろ、難民認定者にテロリストや重大犯罪人が紛れている方が恐ろしいです。自国民を犠牲にしてまで、難民を受け入れるというのはどうも納得できません。外国人の権利も大切ですが、それ以上に自国民の権利を守る方が大切だと国が考えるのは当然のことだと思います。
ドイツにいた時も人としての最低限の生活はできていましたが、外国人である以上権利は制限されていましたし、ちょっとした軽微な変更も役所に届出をしなければ、強制送還のリスクはありました。滞在している外国人が信用されていないのではなく、自国民を守るために行っていることなので仕方ないと思います。ドイツで外国人にもっと権利を与えろと思うことはありませんでした。出入国管理は国の安全にかかわることであり、それを感情論でないがしろにするのはいいことではありません。難民を受け入れるべきだという意見に対しては賛成ですが、何もない状態で受け入れたり、申請を拒否したのに日本に留めたりしておくことには反対です。
最後に
外国人の権利は制限されて当然と言ってきましたが、人としての権利は絶対制限されてはいけません。外国人だから、日本人以上のいい家に住んではいけないとか、違法な条件で働かされたり、こき使われたりして当然だとは思いませんし、そういったことを絶対に許してはいけません。そういったことを是正したり、取り締まったりするべきだと思います。しかし、日本に滞在する権利であったり、入国する権利が制限されたりすることは当然のことだと思います。前述のように国の一番の役割は自国民を守ることです。自国民を危険にさらしてまで、外国人を受け入れなければならないのかというのが率直な疑問です。紛争地域から来て難民申請をしても、拒否されて強制送還されて、本国で命を落とすことは非常にいたたまれないことです。本当の難民の人たちを救うためにもテロリストが難民として紛れ込まないようにすることが大切になってくると思います。難民申請をしている人の敵は入管法ではなく、難民申請を悪用するテロリストです。
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